七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

三三独演会 『 夏 』  於 なかのZERO 小ホール / 平成二三年七月三〇日

目薬 / わさび
怪談乳房榎 上 / 三三

(仲入り)

怪談乳房榎 下 / 三三
お菊の皿 / 三三

菱川重信と磯貝浪江の名が出てあっと思った。
八月一日に行く雲助の根多出しが 「怪談乳房榎」 に決まっているからだった。
日曜を挟んで同じ噺が続いてしまうことになった。
少々残念にも思いながら、こうなれば聴き比べを楽しもうと気持ちを切り替えた。
(後になって今回の三三も「怪談乳房榎」が根多出しであったことを知るのだが・・・)

おとし噺以外の三三もなかなか好きである。
緊張感の持たせ方がいい。 ホールも水を打ったように静まりかえっていた。
笑いに来た客には少々ダルかったかも知れない。
ちょっと可笑しい台詞があると貪るように笑いが起きる。 それほど可笑しくもないのに。
近くに座っていた女性は眠ってしまった。

噺は重信殺しと、龍の天井画を描き上げるくだりで終わった。
その後の重信の亡霊話と仇討ちがあって初めて 「怪談乳房榎」 の題名の意味が表れる訳だが、
演目書きは上下として締め括ってあった。

明日の雲助は通しでやるのではないかと思う。
聴き比べと、重信殺し後の、本当の怪談話の部分を聴かれればと期待している。

 
  1. 2011/07/31(日) 09:47:05|
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別荘釣行 其の弐 その落とし穴 -my home game '11 #2-

用事が二三あったのを言い訳に日曜から水曜まで蓼科を拠点に信州をウロウロして来た。

日曜は午後遅くに出発、到着は18時半頃。風呂は温泉で済ませ、一杯やりつつ明日の仕掛けを準備して就寝。

月曜は例によって少し寝坊、ゆっくり行動開始で入渓は7時前。
エリアは今季初釣行だったレンジの残り。5月26日に脱渓した場所から入って上流の堰堤下まで。
最初のキャッチは意外にもカジカ(ゴリ)、10㎝くらいか。
唐揚げにしたら美味そうなサイズだったが、さすがにリリース。
本命は0754時に8寸のアマゴがヒット。なかなかキレイ。
引きが弱かったのでもっと小さいかと思いきや、竿を立てると大きく撓って弧をつくったので少し驚いたくらいだ。
今季はまだ釣果を一度も自分の腹に納めていないので、これを頂戴することに。

1時間ほど釣ってから早めに8寸の腸抜きの処理をしたところ、中から鮮やかな緑色の虫が出て来た。
ブナ虫。 マスターが渓魚の大好物と言っていた虫、他にも消化過程のブナ虫が2匹ほど出て来た。
そこでこの原形を留めたブナ虫を針につけてみたところ抜群の反応。 ほぼ10分おきに魚が食いついて来た。
今まで川虫やキジに頼って来たが、これからは陸棲昆虫(幼虫)にも目を配ってみようと思わせる結果となった。


230725-1
八寸 雨女魚


結局8尾をあげたうち、手返しに忙しくて気付かなかったが後になってみると1尾ニジマスが混じっていた。
この川で5年釣っているが、気付いたのは初めてだ。 小さいやつは注意散漫だと山女魚と見誤る。
たまに魚を見誤るのでひょっとしたら今までも混じっていたのかも知れない。
ニジマスは外来魚、ちょっと自分の中では偏見がある。見た目も好きではないし・・・ごめんニジマス。
(前回の記録写真を再チェックしたところ、2尾はニジマスの幼魚であった。知らぬが仏である。)
(8/1追記:マスターに確認したところ、ヤマメとニジマスの交雑種であろうとこのこと。尻尾の黒班が特徴。)

10時過ぎには堰堤下まで到達。 最後にここで勝負と竿を出すこと数回、当たりに竿を立てると意外に強い引き。
慎重に膝を折り腕を畳むと目測7寸のイワナが跳ね上がった。
最後の釣果には申し分ないと心のなかで快哉したが、次の瞬間竿が一気に短く畳んでしまった。
一瞬、何が起きたのか分からず手探りすると、なんと竿の下栓が外れて竿が底抜けしているではないか。
スルスルと短くなった竿に仕掛けは水没、イワナは水中へドボン。 しかし竿を流しては大変とこちらはあたふた。
下栓は流れて行ってしまったが竿は全節無事であることを確認、すぐさま糸を手繰ったが仕掛けは切られていた。
痛恨のミス! 暫し呆然、そして意味もなく周囲をキョロキョロ見回している自分にいつしか笑ってしまう。
普段は釣りながらネジ式の下栓の緩みを確かめるが、この日は順調に釣れるばかりそちらが疎かになってしまった。
結局、魚と部品を流して、好調だった釣行の最後はトホホな気分で納竿することに。
気になるのは逃げたイワナのこと。 針をつけたままだ。 生き延びられるか・・・ゴメンよ。
前回の遭難一歩手前騒ぎと云い、少々綾がつく釣行が連続してしまい、若干気分も落ち気味になる。
それでも釣り終えて、今季初めて釣果を自分の身体に取り込み、少しは川に馴染んだのではと思い込んだのであった。
午後からは用事で大町へ足を伸ばし、諏訪周辺で寄り道しつつ夜に帰還。翌朝は休釣日と決めて夜を更かした。


230725-2
左上:カジカ(ゴリ)  右上:ブナ虫(アマゴの腹より)
左下:今季初、自分の腹へ  右下:ニジマス


明けて火曜は最近の溜まった疲れが一気に出たのか体調が優れず。 頭や鳩尾、身体の節々の痛みに動くのが億劫に。
東京で品薄の扇風機を買いに町へ下りた他はのんびりと別荘で休息して過ごした。
水曜早朝に今一度入渓するつもりでいたものの、やはり鳩尾の痛みが強く断念。
大人しく陸上任務を果たした後に、あちこち寄り道しながら帰京の途についたのだった。



今回のツーリング <期間:4日>

  走行距離:748㎞       走行時間:15時間03分
  平均時速:49.70㎞/h   平均燃費:13.1㎞/L

 
  1. 2011/07/28(木) 13:22:10|
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第29回特選落語会 喬太郎・兼好・一之輔 (誰かが二席)  於 江東区深川江戸資料館 小劇場 / 平成二三年七月ニニ日

狸の札 / 宮治
祇園祭 / 兼好
死神 / 喬太郎

(仲入り)

鰻の幇間 / 一之輔
お化け長屋(全) / 兼好


喬太郎の 「死神」。下げは自ら蝋燭を消すかたち。これは初めて聴いた。

誰が二席やるかはお楽しみであった。
出来れば兼好を二席聴きたいなと思っていたところ、そうなった。
兼好のテンポと所作はなかなか楽しい。
ぐいぐい引っぱられる感じが心地好い。
少し先だが十月に独演会を取った。 楽しみである。
近いところではに27日に文左衛門との二人会があるが、取っていない。
当日券もありそうだが、まだ考え中。 どーしよーかなー。
 
 
  1. 2011/07/24(日) 11:44:18|
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群馬・長野遠征 ・・・偽の鬼 -GUNMA/NAGANO expedition  16~18. Jul. '11 #2-

(二日目つづき)

天候は安定していたがその分日照りは強かった。 密生する樹木、緩い足場と急斜面、装備は登山ではなく渓流釣り。
そんな状況で脱渓から2時間(出発から3時間半)近く彷徨が続き焦りが出始めた。
ひょっとしたら今回ばかりは他人様のご厄介になりご迷惑をかけるかも知れない・・・そんなことをふと考え始めた頃、
突然車の走る音が近く遠く聞こえて来た。 道路、それも少し標高を上げたあたりにありそうな聞こえ方。
枝沢の誤認はあるが北へ登ればいずれ道路にぶつかる位置関係は変わらない、それが思ったより近いようだった。

それまで本流へ降りる方法を模索していたがここで方針を変更、道路を目指して高度を上げることに。
地形を読もうと稜線へ出たが、想定と現在位置の根本的な齟齬があるのだから磁石と地図と地形が一致する筈もない。
もしかしたら稜線の下をトンネルで道路が抜けてしまっているのかも知れない・・・想像はネガティブに展開するばかり。
やがて暫く稜線に居ただけで、体力を直射日光で急速に奪われることに気づく。 慌てて木陰に下り水と塩分を補給。
塩飴はあったものの、やがて水が乏しくなり身体が欲しがる量を我慢しなくてはならない状況に。
前日は使った2.5Lのプラティパスを持参せず、沢を離れる際に少ない方の500mlのPETを満たさなかった迂闊を後悔する。
水を節約したことで頭が熱を持ち始め、呼吸も荒くなり出した。 熱中症の徴候が出始めている。もう時間があまりない。
取り敢えず塩飴をなめると呼吸は落ち着いたが、チビチビやっていた水の残りもやがてひと口になってしまった。
あと1時間保たない・・・そう思って周囲を改めて見回すと、木々の隙間に漸くガードレールがチラリと顔を出したのだった。
一気に安堵感が押し寄せ、ひとまず急斜面に腰を下ろす。 気づけば腰に付けていたフライロッドが無くなっていた。


230717
うつけ者、ふたり。 道路へ脱出。


出発から5時間半近くを経て車へ戻って来た。水分を大量に補給。入渓点の沢水を頭からかぶり身体の熱を冷ます。
ひとしきり休んで車へ乗り込み走り出してすぐ、スクロールするカーナビ画面の先に我々の入ろうとしていた沢の名前が・・・
かなり前方、この時になって初めて間違いに気づいた。 原因は調査不足と思い込み、残ったのは自己嫌悪のみ。

二日目以降は久々にフライに挑戦する筈だったが、この日のイブニングはさすがに気分が乗らず低調に終わった。
初日同様、二日目は北信の道の駅で野宿。 なでしこJAPAN のことなどすっかり忘れて反省会の夜。
普段は地図を中心に十分に事前調査をして谿に入るが、今回は風任せでエリアを選びそれを怠ったのが原因だった。
特に運転手の自分がロケーションを把握しておけば間違いに気づけた筈で、その落ち度が悔やまれてならなかった。
初日のトラブルと打って変わって、これは時が経っても笑い話には決してならない経験になってしまった。
木を見て森を見ず、沢を見て山を見ず。 全体の把握の大切さを、厳しく辛い授業によって学んだ一日であった。


# 三日目

水分不足か日射か、影響は何なのか偏頭痛が取れぬまま最終日を迎えた。
どちらかと云えば失敗の屈辱を引き摺る性分であり、当然朝から気分は冴えない。
それでもせっかくの休日、しかも遠方で東京からおいそれと行かれないエリアである。
気持ちを奮って入渓するも、リズムが出ない。 フライは枝葉に絡み、ラインは知恵の輪を作ってしまう。
渓に突っ立って仕掛けを解す時間の方が圧倒的に長い。 キャストしている時間はせいぜい5%位か。
それでも午前中は集中力を切らさずに頑張ったものの、午後の入渓は断念。
頭痛と睡魔に負けて、昼食後は友人を待ちながら木陰でまったり過ごすことに。


230718
左上:二日目イブニング  右上:山奥の秘湯
左下:三日目午後のひととき   右下:三日目午前の渓相


しかし悪いタイミングは重なるもので、やがて曇天から雨が落ち出し、厚い木陰の下でも濡れてしまうほどの雨量に。
仕方なく車の中で仮眠を取りながら雨中、遠雷も聞こえるなか粘る友人を待ち、彼が戻ったところで温泉へ。
前夜 下山が遅れて風呂に入れなかったこともあり、秘境の湯で汗と疲れを取った時は心底ホッとした。
入浴後はジュースとビールで乾杯、宿にあった観光地図で今回の釣行ルートを振り返る。
東京からの距離で云えば会津地方と同程度、しかも一般道の割合が高く随分遠く山奥へ来ていることに改めて驚く。
そう、この時点で未だ驚いていることがそもそもの減点項目なのだ・・・

いずれまた、リベンジを。 その決意だけは奮い立たせ、深山幽谷を後に長い長い帰路についた。

それにしても、フライフィッシャーへの道は長く険しいなぁ。

(おしまい)




今回のツーリング <期間:3日>

  走行距離:736㎞       走行時間:15時間20分
  平均時速:48.00㎞/h   平均燃費:11.8㎞/L

  1. 2011/07/22(金) 13:04:49|
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群馬・長野遠征 赤い谷と・・・ -GUNMA/NAGANO expedition  16~18. Jul. '11 #1-

連休は群馬と長野へ遠征釣行。 そう、釣行だったのだがそれ以外の思ひ出ばかりになってしまった。

# 初日

参加は4人。 高円寺のマスター、常連のKhさん、友人 Uk と七敵。
初日は全員で行動を共にし、関越道・月夜野IC北西域の水系が目的地。
山間の一軒宿が目の前にある車止めから林道を90分ほど歩いた上流域を目指した。
ところが入ってみるとここが大層なヒルの巣窟で、四人中三人が吸血の被害に遭ってしまったのだった。
自分も人生で初体験、痛みこそ無いものの着衣が赤く染まるのは決して気分の良いものではなかった。

ヒルとの格闘後、やっとの思いで入った川は水が澄んでいて渓相も良かったのだが、どうにも魚影が薄い。
川虫も殆ど見受けられず、水の清冽さがそのまま栄養価の低さを表していたのかも知れない。
そんな言い訳をしての釣果はリリースを含まず4人で4尾と、低調極まりない。
釣りの後には川原で宴会を企んでいたのだが、復路も上下からヒルの襲撃に遭い、這々の体で車で逃げ出す始末。
もう二度と行かないぞと、我々の決意は固かったのだった。

それでもこれも後になれば笑い話さと、現場近くの温泉郷に宿を取ったマスターたちの部屋で軽く打ち上げ、
温泉で汗と血を落として夕方まで休憩を取ったあと、二日目以降別働となる僕と友人は一路、北信へ移動を開始。
初日の塒(ねぐら)は信州栄村の道の駅。 考えてみれば予想出来たことだが、施設は震災の影響で断水中であった。
飲み水は確保してあったので困らなかったし、トイレも機能していなかったが催さずに済んだので不便はなかった。
暫し語らって店舗の広い軒先を借りてインナーテントマットとシュラフで就寝。 涼風と満月、野宿は快適そのものであった。


230716
左上:初日入渓準備      右上:初日本流渓相
左下:Kh氏キャスティング    右下:小さい釣果


# 二日目

早朝、道の駅を後に南下、二・三日目は友人が以前から目をつけていた水系へ向かった。
今回は東京からでは連泊でないと行程のキツいエリアへ足を伸ばそうとの選択だった。
山間の九十九折をひた走り、国道が途絶えた秘境の温泉宿へ到着。そこで日鑑札を求めて入渓ポイントの情報も得た。
情報に由れば宿から奥志賀へ抜ける道へ向かって一本目の枝沢が、本流へ誰でも入れる渓相であるとのこと。
それに従って車を走らせると程なくそれらしき沢に到着、意気揚々と谿へ下りて行ったのだった。
しかしこれが間違いの始まりだった。

結論から言うと、我々の入った枝沢は帰宅後にも再度調べたが、どの地図・どの資料にも記載の見当たらないもので、
実際に入ろうと思っていた沢の1本手前の枝沢だったのだ。
果たして渓相は徐々に険しくなりはじめ、途中、下降がかなり難しい場所を難儀しながら進んだが、
遂には迂回不能な落差のある滝に行く手を阻まれてしまった。
地図と高度計を交互に見ながら位置の特定に努めたが、そもそも見ている地図とは違う沢なのだから無理な話であった。
しかし引き返そうにも途中足掛かりのない急斜面を滑降しているので道具なしでの登攀はとても無理。
引き返せない以上フェルトソールの靴で急勾配の斜面にへばりつき沢を離れるしかなかった。

高密度な木々の隙間を縫っての登攀は斜面が柔らかく滑り易いこともあり、時には1分に1m進めばいい程に難航。
誤って踏み落とした石がブッシュの中へ消え谷間へカーンと乾いた音をたてて遠ざかって行くが、それがいつまでも止まらない。
滑落の恐怖が頭を過ぎる。 水道(みずみち)らしき砂の急斜面もたっぷり時間をかけて渡らなければ進退窮まる状況。
午前中のこと、時間こそ余裕があったものの容易な入脱渓を想定していたので軽装備な上、飲料も1L しか持っていなかった。

(つづく)
 
  1. 2011/07/21(木) 13:34:57|
  2. 旅や野遊び
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きゅりあん寄席 柳家小三治一門会  於 きゅりあん 大ホール / 平成二三年七月一九日

たらちね / ろべえ
あくび指南 / 喜多八

(仲入り)

寄席囃子 / そのじ
粗忽の釘 / 小三治


きゅりあん、大きなホールだが前席との間隔がとても狭い。 詰め込み過ぎ。
そこに噺の最中にも遅れて来た客を随時案内している。 自由で大らかと云えばそんな感じ。
反応からして、落語馴染みの薄いお客が多かったような印象。
隣席のおデブなおっさんが、身体は嵩張るわ鼾はかくわで どうにも頂けなかった。 一回だけひざ蹴り。

「あくび指南」 は一度 小三治で聴いてみたい噺のひとつ。
喜多八がはじめたところで喜び半分、残念半分。 今宵、師匠がやることはなくなったわけで。

お師匠さんは 「粗忽の釘」、丁寧で面白い。 いつも思うこと、古典はきちんとやれば面白い。
これは全部やると相当長い噺らしい。
箪笥を担いだまま、町中で色々なことに出会う部分を割愛することで長さが調整出来るとか。

小三治が弟子について語る。 離れて行った元弟子達が幸せに暮らしていればいいなぁと、しみじみ。
喜多八の若い頃の話などが聴けたのも面白かった。

やはりトリに師匠が控えていると、門下一同伸びやかさに欠けて見えるのは気のせいか。
一門会と云うかたちの落語会は初めてであったが、なかなか面白かった。 また機会を見て足を運ぼう。

 
  1. 2011/07/20(水) 10:07:12|
  2. 演芸など
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喜多八膝栗毛 夏之声 喜多八独演会  於 博品館劇場 / 平成二三年七月一三日

熊の皮 / 朝太
へっつい幽霊 / 喜多八
寝床 / 喜多八

(仲入り)

紙きり / 花
三味線栗毛 / 喜多八


「熊の皮」 で “尻に敷くと夏涼やかで冬暖かい” と云う台詞がある。
毛皮に座って涼やかと云うこともあるのかと、疑問に思う。
いい加減に調べた範囲では分からなかったが、鹿の革について同じような記述があった。
先人たちの涼や暖の取り方には智恵を感じる。

「寝床」、主人の義太夫が始まってからの右往左往の部分をいつもしつこく思っていたのだが、
今回はそこがさらりと短くまとめてあって個人的にはいい感じであった。
あの件はあまり面白いと思わないので、くどくどやられると聴いていてどうにもダレてしまうから。

花の紙きりで 「御輿」 があった。 欲しい方はとの花の声に会場の反応は遠慮がち。
祭り・御輿好きの美人シェフを思い出したが席が通路際でなかったのと、
ポチ袋の用意もなかったので挙手しなかった。
お開きのあと店に行ったのでその話をしたら欲しかったと言われた。 残念。
本来タダでくれるのだから気遣いは無用だが、どうせなら遣り取りで粋がってみたい。
今後のためにポチ袋を用意しておこう。

仲入り後の幕開きで、上手側のマイクスタンドが勢いのついた幕の裾に捲き込まれて傾いてしまった。
閉幕時に反動で最前列のお年寄りに倒れてきやしないかと気が気でなかった。
結局スタンドは閉幕の際に元通りの位置に立ち直ったのだが、今回の席は上手側の四列目、
かなり間近にいたので終始それが気になって 「三味線栗毛」 に集中出来なかった。 惜しい事をした。


  1. 2011/07/14(木) 12:49:30|
  2. 演芸など
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『ラスト・ターゲット』 -THE AMERICAN-  於 吉祥寺バウスシアター 3

ジョージ・クルーニー主演にしては上映館の規模も数も地味な興行だなと思った。
予告編は面白そうに出来ているが、観てみたらハズレのパターンかも知れないと思いつつ吉祥寺へ。

なかなか面白い作品だった。

ハードボイルドとフィルム・ノアールの間で微妙に揺れるサスペンス。
主人公は非情の世界にあって孤独だが、殻には閉じ篭らず人として、男としての弱さも垣間見せる。
端々に 「ジャッカルの日」 を思い出すが、主人公はジャッカルほど冷徹でも気障でもない。
陰のある中年男、五十路前後の渋味と哀愁が存分に醸し出されている。
ジョージ・クルーニーのイメージが他の多数の出演作で固着している観客には辛いかもしれないが、
彼の作品を多く観ていない自分の印象では、本作は彼にとって貴重な一本に思える。

カステル・デル・モンテと云うイタリアの田舎町も作品の舞台にマッチしている。
遠景からの町の全容の素晴らしさ、周りに広がる丘陵地帯の寂寥感、そして意外に大人しい町の中の風景。
隠遁生活を送る主人公にはその地味さ、歴史の澱が溜まったような空気感や時間の流れがとても馴染んでいた。
米国人が一人で長逗留すればそれなりに目立つが、その日々見られている緊張も感じられた。


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(C) 2010 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


終始色彩を抑えた映像と、ソロピアノで綴られるシンプルなサウンドトラックが、
読めない展開へ効果的に緊張感を持たせていたのも印象に残った。
総じて大袈裟なところがなく、それが作品全体に心地好くも引き締まった息苦しさを持たせていた。

そしてラスト・・・オーソドックスだが苦し紛れな趣向が捻じ込まれるより良い。 シンプルに美しく切ない。
アメリカのサスペンスアクションでも、黒人と白人がハイタッチして、ラップが流れて終わらないこともあるのだ。
疑問や矛盾はどんな作品にも付きもの、そこにはある程度の寛容さも必要だ。映画擦れして、得なことはない。
あとは正直、若い人が観ても面白くないだろう。 これは大人の映画だ。

・・・それにしても、なんでこんなに興行が地味なんだろう。
その地味さが作風に相応しい感じが、なんとも苦笑いではあるのだが。


 
  1. 2011/07/08(金) 12:29:04|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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『 雲助月極十番之内 伍番 』 雲助独演会  於 日本橋公会堂(日本橋劇場) / 平成二三年七月四日

道灌 / 駒七
お菊の皿 / 雲助

(仲入り)

唐茄子屋政談 / 雲助


開口一番は駒七。 駒七は雲助の前座名。 いきなりご本人が登場、面白い趣向だった。

「道灌」 を終えて返し捲りもご自分で。 少し長めの出囃子で、着物を着替えて再登場。
結局高座、舞台上で師以外の人物を見ることはなかった。
いや、やはり雲助と駒七は別人と考えるべきか。

「唐茄子屋政談」。 師の丁寧な語りに人物が引き立つ。
しかし勘当されるような放蕩息子の若旦那が、改心したとは云え随分と好青年になるものだ。
考えようでは、もともと育ちの良い男なのだろう。

遠慮会釈のない輩ばかりの昨今、せめて噺の中は好人物ばかりでも良いか。
本当はそんなことではダメなんだが・・・。


さて次回で月極十番も折り返し、葉月陸番。 長講、真夏の夜の怪談である。

 
  1. 2011/07/05(火) 12:58:38|
  2. 演芸など
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群馬遠征 寝坊の末 -GUNMA expedition  03. Jul. '11 -

かつて 「飲め飲め団」 と云う大酒飲みの集団があった。
今や中心メンバーが50代となり、往時のように酒池を涸らすようなことはなくなったが、
この時期になると蛍を観がてら高崎郊外に温泉の湧く一軒宿に集まるのが恒例となっている。
兄が団長だったこともあり、自分も末席に加わり週末の宴に参加して来た。
しかし目的は宴席ではなく、そこを拠点に渓流へ入ることが目当てなのであった。

去年は宿から北上して川へ入ったので、今年は西側のエリアへ入ることに。
宿に着くなり荷物と同乗者を落とし、2時間ほど走り回って入渓点の見当をつけておいた。
・・・しかしついつい飲み過ぎてしまった。
日曜は3時半には起床、入渓ポイントへ4時過ぎに入って待機する目論見が、
目覚めると5時半、窓の外は既に明るくなっていたのだった。
その時点でもう止めてしまおうかとも思ったが、前日のうちに遊漁券を買ってあったこともあり、
今回はロケハン程度でもいいやと目的地へ車を走らせ、結局、6時半を過ぎて入渓に至った。

コンディションは悪くなかった。霧の立つ朝で、夜中に若干のお湿りもあったらしく餌釣りには好条件だった。
実際に谿へ降りてみるとトロ場と大渕が交互に現れるような渓相で、どちらかと云えばフライに適した場所であった。
それでもピンポイントで楽しめるのが餌釣りの良い所で、竿を出す場所にはこと欠かなかった。



230703


しかし、まず以って取り返せないのが時間である。
当初は4時過ぎから4時間ほど釣って8時半には宿に戻る予定でいた。
お尻は動かせないので釣ったのは2時間ほど。
釣果は17㎝の岩魚と18㎝の山女が1尾ずつ。
いずれもヒレピンで、尾鰭が鋭角で長いためこのサイズでは身が小振りであった。 立派に育てよとリリース。
どちらも姿は美しかったが、やはり山女の引きの方が手応えが確かで面白味があった。
と云っても 6寸はどう頑張っても 6寸であり、竿が撓ることはなかったのだが・・・

 
今回のツーリング <期間:2日>

  走行距離:344㎞       走行時間:6時間58分
  平均時速:49.38㎞/h   平均燃費:11.6㎞/L

  1. 2011/07/04(月) 12:24:50|
  2. 旅や野遊び
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 良速

Author: 良速
  
 
- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

.......................

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