七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

“ はやくも ” で “ ようやく ” で “ まだ ”

三月一四日。

震災の週末が明けた月曜日、スタジオジブリは作業を中断してスタッフの自宅待機を決めた。
しかし監督・宮崎駿はそれに対して猛烈に反発する。

「生産現場は離れちゃダメだよ」
「休んでしまった方が混乱だ」
「こういう時こそ神話を作んなきゃいけないんですよ 多少揺れても作画してたって」

翌日にはスタッフが集まった。 そこに宮崎監督が差し入れを持って現れる。

見れば町のパン屋さんのそれと分かる、手作りカレーパン。
スタッフのひとりがそれを手にとって 「あったかい」 とつぶやいた。

宮崎駿・吾朗親子を取り上げたNHKの特番でのワンシーン。

それを見て、あぁ、これはスタッフへの労いだけに差し入れられたのではないんだなと。
震災直後も、パン屋はカレーパンを作りつづけた。 パン屋はいつもどおり自分の仕事をしてるぞ。
監督はそれを伝えたかったのではないのだろうか・・・

「こういう事態が起こった後の日本に堪えられる映画を作れるかどうかだから」


何かことが起こった時に、人は浮き足立ってしまう。 どうすればいい?
別に何か特別なことなどしなくても良いのではと考えさせられた。
逆に停滞してもいけないけれど。
与えられた環境下で、出来得る限りいつもどおり仕事をする。
それが社会を動かすと云うこと。

何もかもを放り出して現地に駆けつけ、ボランティアに励む義勇もあって然るべき、頼もしい行いに敬服する。
しかし自らの居場所に踏み止まって任務を粛々とこなして行くのも、尊く誇らしいことなのではとも思う。

三月中旬、自分は途轍もなく忙しかった。 11日も夜中まで図面を書き続けた。翌日も、そのまた翌日も・・・
今はその図面で現場が動いている。 色々なものの確保・調達が難しい中、工期を厳守すべく皆が働いている。
そうしたことが、とても大きな括りの中で未来を築き上げているのだと信じたい。

あれから半年、これからも焦らず怠けず日々を努めて行こうと思う。

  1. 2011/09/11(日) 13:40:11|
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