七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

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白酒独演会 於 下北沢シアター711 / 平成二三年一ニ月三〇日

牛褒め / 扇
新版三十石 / 白酒
火焔太鼓 / 白酒

仲入り

富久 / 白酒


別に深い意味はないが、今年最後の落語会が前回の談春と云うのも らしくないなと思っていたところ、
いつも拝見している告知ブログにこの会が出ていたので早速申し込んだのであった。

家を早く出過ぎてしまい50分前に会場に着く。
見ると整理券配布の貼り紙、貰い受けると53番だった。 早く着き過ぎた訳でもなかったようだ。
開場、小さい会場なので端の席を選ぶ。 長くもない足でも伸ばしたり組んだり出来る方が良い。

珍しく暗転から白酒が立ち姿で登場、オープニングトーク。
別にまくらですれば良さそうな話をしてから扇ちゃんへ。
扇ちゃんは相変わらず滑舌がいまひとつ、笑いも少ない。
たまの言い間違えも仕方がないが、目ぇ指ん中に突っ込むぞにはひっくり返った。 頑張れ、扇。

白酒再登場でひと言、オープニングトークはまくらでも良かったかなと。 だろう。
けれど少し違ったことを遣りたかったのだそうだ。

「新版三十石」 は師匠の雲助で最近聴いた。 あぁ師匠の口移しかなと。
途中、咽を鳴らしているのかと思いきやバイブの携帯電話を懐中から出すところがオリジナル。
今どきな入れごと。 電話の相手は講釈先生の孫娘、「ヴィレッジヴァンガードで待ってろ。」で爆笑。

二席目は古今亭十八番の 「火焔太鼓」。 好みで云えばこの噺をやって今一番面白いのが白酒だと思っている。
例によって三平もキタキツネも登場して会場を大いに沸かせていた。

トリは 「富久」。 師走の噺もいろいろあるが、これが一番好きだ。
幇間の悲哀や可笑し味、石町の旦那の篤い人情などが重すぎず軽すぎず聴いていて心地好いのだ。

三席それぞれ違った趣向で楽しめて大いに満足な会であった。
最後は師のご挨拶と皆揃っての一本締めでお開き。
今年最後として、なかなか良い締め括りになった。 来年も白酒は追っかけて行こう。

年内最後の外出でもあり、高円寺一刻屋へ暮れの挨拶がてら飲みに寄る。
おからの煮物と小鰈の一夜干、湯葉豆腐でビールと梅錦をふたつずつやってから帰宅。
来年からは落語終わりの飲みも減らさねば・・・ 数値もいろいろ高いしね。

年が明けての初笑いは四日の上野鈴本、正月初席特別興行から。


さて、四月にブログを再開してからは思いのほか落語の記事が多くなってしまった。
記事は原則、外出に関連したことに限定したせいもある。
当初はもっとアウトドアな記事を沢山アップするつもりでいたのだが、残念ながら野遊びの機会が少なかった。
休日をまるまる遊ぶ余裕がなかった中で、夜だけ出掛けて楽しめる落語が手軽であったこともある。
来年はもうちょっと、おんもで遊んだ土産話をこちらでご笑覧頂ければと思っている。
とは云え、先日の捻挫がなかなか完治せず、外遊びは今しばらくお預けの気配ではあるのだが。

それでは皆さん、良いお年を。


平成二三年 大晦日  良速 拝
 
 

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  1. 2011/12/31(土) 11:20:59|
  2. 演芸など
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キネマ寸評  2011年

昨年の大晦日に前のブログを止めてから 七敵 をはじめる四月までに観た映画と、
七敵 をはじめてから特段、記事として取り上げなかった作品を五行寸評でまとめておこう。


『トロン・レガシー』 (1月)
前作は28年前だそうだ。 当時は映画に小遣いを割けるほどの余裕はなかった。
どんな話なのかも良く知らない作品の続編ではあったが、単独で楽しめた。
実世界は2Dで、PCシステム内の世界を3Dで表現する手法は面白かった。
結局のところ父子愛みたいな話の流れ。 最近はこの手のプロットが非常に多い。
確かに人は一人では生きていけないが、ランボーみたいに破天荒で孤独な超人が隠れて久しい。

『アンストッパブル』 (1月)
機関車の暴走と云うのは既に古典の部類に入るだろう。
巨大で圧倒的な馬力を象徴する意思なきものが突き進む様は単純に恐ろしい。
スピルバーグの『激突!』が恐ろしかったのはトレーラータンクローリーが
運転手を排除して演出されたからで、それに通ずるものがこの作品にもあった。
熊や鮫の怖さとは質が違う。それらとの比較で甲乙はつけ難いが、怖いものは怖い。

『キックアス』 (1月)
きちんと筋は通っているがカルトムービーである。 だから理屈で観てはいけないのだが・・・
どうも11歳の少女が銃器を使って大人を殺戮していく様は気持ちの良いものではなかった。
隣席の青年など劇中曲に合わせて首を縦振りのノリノリで観ていた・・・ゲンナリである。
アニメやコミックなら何と云うこともなく観られたのだろう。 実写の威力は侮れぬ。
面白かったが楽しめなかった。 続編がありそうなラストはお約束、まぁ出来たら観ちゃうだろうな。

『ソウル・キッチン』 (2月)
てっきりアメリカ映画かと思い込んでいたらドイツ=フランス=イタリア合作だった。
節操のないジャンクフードメニューが却って町の人には愛されていたハンブルグの平凡なレストラン。
事情があって酒癖は悪いが腕の良いコックを雇ってメニューは一変、店は繁盛するが・・・
登場人物のキャラが立っていてなかなか面白かったが、もう少し料理の演出が欲しかった。
最近の邦画に比べると、食のディテールの表現に物足りなさが残った。まぁ、ドイツだし。

『 180°SOUTH 』 (2月)
patagonia と THE NORTH FACE の創始者が知己の中だとは、寡聞にも知らなかった。
二人の若き日のパタゴニアへの旅の記録と、それをなぞる現代の若者達のライフドキュメンタリー。
最終目的に対する執着が薄く、緩い感じは古き好き風情と現代のスロゥライフのミクスチュア。
『ENSLESS SUMMER 2』を思わせるスローなロードムービー、映像もキレイで良作だと思うが、
現代社会への穏やかな批判と示唆も含んで、その垢抜けた感じが少々落ち着かなくもある。 映像が素晴らしい。


以上、七敵 開始前の今年観た作品たち。

以下、七敵 開始後、カテゴリ “フォト・キネマとか” で取り上げなかった作品たち。

『スカイライン-征服-』 (6月)
「世界侵略:ロサンゼルス決戦」と設定は酷似しているが、正直こちらはかなり見劣りする。
謎に包んでおく部分はあって良いのだが、それが意味を持っていると云うより放ったらかし感が強い。
登場人物も宇宙人もキャラクターが薄っぺらくて感情移入がし辛く、ワクワク感にも乏しい。
ラストも尻切れトンボで、あぁここでお金がなくなっちゃったんだね・・・そんな印象。
正直、書くことがなくて5行埋まらない。


『東京公園』 (6月)
井川遥のルックスが、かなり好きである。 演技については役柄によってムラがあるけれど。
東京都内の公園を舞台に話が進む。 主人公は公園を愛している写真家志望の美青年。
しかし彼の持っている公園への“愛”が今ひとつ伝わってこない。 作り込みがちょっと不足している。
映像ももっとキレイに撮れなかったのか。 この映画を観て実際にその公園に行って見たいとは思えなかった。
何となく流行のスロウな空気感を出しているが、核になるものが分からなくて漂う不安定さが落ち着かなかった。


『LIVE IN A DAY 地球上のある一日の物語』 (9月)
2010年7月24日(土)の動画をYouTubeで募集、世界192カ国から、のべ80,000本、4,500時間超の作品が投稿された。
それをリドリー&トニー・スコット兄弟が総指揮をとって一本の映画に仕立てた。
世界中でありふれた一日を追う。 色々なことが起きている。 地球が回っていることを強く実感する体験だった。
冒頭は日本の父子家庭の朝。亡き母の遺影に小さな男の子が手を合わせるシーンに感情を全部持って行かれた。
試みは面白く一度しか使えない手法は実験的でかなり興味深かったが、個人的には冒頭の日本人父子が全てだった。

『東京オアシス』 (10月)
細かい分類はすっ飛ばして 『かもめ食堂』 の系譜。 ただし本作ではあまり“食”が前面に出て来ない。
それで気づくのは食事のシーンが欠落したことでとても退屈な世界観だったのだなと云うこと。
一連の作品を通して楽しげな食事のシーンがあったものほど印象が強く、面白い映画だったと振り返られる。
自分に、あの極薄味なトピックス無きストーリーを堪能する感性が無いだけと開き直ってしまおうか。
『プール』からこっちはスールキートス制作。 次の一手がどんな作品になるのかが気になる。


以上、七敵 では多少でも書きたいことがあった作品は良し悪しを問わず取り上げることにしたが、
それでも書きたいことがなかった作品もあり、そのこぼれたものの足跡だけはこんな形で残しておく。
今年は計30本の映画を観た。 突出した作品がパッと浮かばないのが正直なところ。
特に邦画に当たりが無かった。 強いて挙げれば 『コクリコ坂から』(8/23記事) は良かった。
海外作品では 『180° SOUTH』(今回記事) の映像が美しく印象的であったのと、
『127時間』(6/21記事) のドキュメンタリーとしての迫力が印象的であった。
振り返ると平均点は高かったように思うが、やはり年に一本は “ 断トツ ” が欲しいものだ。

実はもう一本年内に観たい映画がある。
明日、時間が出来たら行こうと思っているが、明晩は今年最後の落語も入っているので昼間の気分次第かな。
 
 
  1. 2011/12/29(木) 11:06:05|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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『 白談春2011 』 談春独演会 於 青山劇場 / 平成二三年一ニ月ニ六日

居残り佐平次 / 談春

仲入り

芝浜 / 談春

師走の割には仕事に振り回されることもなく、入れ過ぎたかと思えた落語会もキャンセルなしでこなして来た。
予定外に当日券で圓太郎も聴きに行ったので、今月は残りも含めて都合九つの会へ足を運ぶことになった。

その八つ目となる今回の談春は昼の部、落語前に人形町の手拭い屋へ寄り道、
水天宮まで歩いて半蔵門線で表参道へ向かうところ勘違いをしてタイムロス。
そもそも出かける直前に下らない用事で時間を取られてしまい出遅れたツケが回って来た格好だった。

開演は15時30分、表参道駅に着くのが27分、どう考えても間に合わない。
おそらく前座はないだろう。まくらなしでいきなり始める可能性もありそうだが怪我した足では走れない。
ところが35分を過ぎて青山劇場のエントランスに近づくと、まだお囃子が鳴っているではないか。
早足で階段を二階席へ向かい二重扉を開くと、まだ緞帳が下がっている。
席に着く、携帯の電源を切る、ダウンを脱ぐ、時計を見ると37分、緞帳が上がった・・・何故か、間に合った。

今回、掛ける根多は事前の投票による上位二席と云うことで番組のふたつが選ばれた。
昼夜二部、その昼の部なのでお尻が決まっている。18時には終わらないと夜の部が回らない。
そんな制約の中での長講二席であったので、果たして師が思う存分遣れたのかは判然としない。
ところどころ今まで他の噺家で聴いた時にはあった件が抜けていたりもしたが、
それがそもそも師の遣り方なのか、時間の都合で割愛したのかも分からない。
普段から師を聴いている訳ではないので、モヤモヤしたままそれを受け入れるしかなかった。
談春ファンに怒られそうだな。

「芝浜」の終盤で師の声が徐々に鼻声になって行く、時折り はなをすすり上げる。
魚勝の女房がベソをかくのを演じながら出てきたものか、「芝浜」 をこの場でやることで何かが去来したのか、
高座が遠くて表情も読み取りづらく、師の心情を酌むことは出来なかった・・・

これで志らくと談春で 「芝浜」 を聴くことが出来た。
いま改めて談志の音源でそれを聴いてみたい気もするが、
聴かない方が良いようにも思うのだ。 だから聴かない。

お開きになって青学を左に見ながら六本木通りへ抜け、都バスに乗って西麻布へ。
長年通った串揚げ屋が、今年いっぱいで店を閉めることになった。
ダイバー仲間で通った店。 大将もダイバー。 名だたる水中写真家の作品が惜しげもなく油気漂う店内に掛かる。
西麻布の一角にポツンと取り残されたような古いしもた屋だが、土地柄か名の知れた客も多く色紙で壁が埋まっている。
店がなくなると聞いてから客足が絶えない中、友人から席をふたつ確保したので一緒に行こうと。

フリーになって仕事がなかった時にも軽い財布で(今でも軽いけど)ここだけは通った。
当時はまだ高円寺の店に通い出す前、カウンター越しに差しで話し込める人生の先輩はここの大将だけだった。
店に入ってから出るまで、ひとりの客も現れず大将ご夫婦といろいろ話すことも何度かあった。
飲み食い以外でも世話になった。 常連と云えるほどの客ではないが、思い入れはそれでもある。
これが今生の別れでもなかろうが、店で過ごす最後の時間を静かに楽しんだ。

お疲れ様の意味を込めて、人形町で用立てた手拭いを進呈した。
店を終えたら船舶免許を取りに行くと仰っていた大将には錨の柄、
猫好き(は、お二人ともだが)の奥さんには猫の柄。
どこか温泉にでも行って、汗を流すのに使って貰えればと思う。

野暮を承知で数枚写真を撮らせてもらって店を辞した。
お疲れ様でした。 ご馳走様でした。
 
 
 
  1. 2011/12/27(火) 15:22:45|
  2. 演芸など
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『 圓太郎商店 独演その11 』 圓太郎独演会 於 池袋演芸場 / 平成二三年一ニ月ニ四日

たらちね / 半輔
稽古や / 圓太郎
悋気の独楽 / ぴっかり

仲入り

文七元結 / 圓太郎


26日の午前中が最終締め切りの仕事があったため、この週末は何も予定を入れずにおいた。
しかし終了間際のドタバタもなく、土曜の午前中には全ての作業を無事完了することが出来た。

時間が出来たので年賀状をプリントアウト、60枚ほど宛名を書いたところで家を出た。

圓太郎を聴いたことはなかったが、いずれはと考えていた噺家だった。
その風貌、落語的に云えばその “ 様子 ” に何か自分好みな予感があったのだ。

先週木曜あたりの段階で24日の夜は自由になっていそうな流れになりつつあった。
そうなれば何をして過ごそうかと考えていたところ、池袋での師の独演会が目に留まった。
映画なども考えなくもなかったが、イヴの夜の映画館などオッサン独りで行く所ではなかろう。

開演を18時と勘違いしていたこともあり早めに到着、
本を読みながら待っているといつの間にか ほぼ満席になっていた。 そして圓太郎登場。
師については多分好みだろうと云う漠然とした予感だけで、知識は まるでなかった。
強いて挙げれば師匠が小朝で、趣味はトライアスロンと云うふたつだけ。

しかし予想は違わず、この人をいっぺんで好きになってしまったのだった。
初めて聴く 「稽古や」 も、過去五人の噺家で聴いている 「文七元結」 も大変に良かった。
厳つく塩っ辛い風貌でありながら 「稽古や」 の若くてキレイな踊りのお師匠さんも、
「文七元結」 の左官の長兵衛も自在に演じ分け、その表現の幅の広さにはちょっと驚いてしまった。

ほぼ一目惚れ、来年もこの人は追っかけなければ。 また一人、贔屓の噺家が増えた。
これがクリスマスプレゼントと云うことか・・・?

そんな訳でふと思い立って足を運んだ会で大した見っけものをして、上機嫌で寄席を出た。
今日はどうにも一杯やって帰りたい、やらずに帰れるかと思いを巡らし、
兄弟でよく使う中野の鮨屋へ随分顔を出していないことを思い出しそちらへ向かう。
店に入るとなんと兄夫婦と知人がいた。
同席すると奢られるし、帰るタイミングも違うだろうとひとり離れて座りあれこれ摘みで注文。
クリスマスイヴに何故か鮨屋も盛況だったらしく、遅くにネタも少なかったが美味い酒は飲めた。
結局長っ尻の兄たちと一緒に暖簾を払って家路についた。
あそこはやせ我慢しないで素直に奢って貰えば良かったか・・・いや、自分の酒くらい自分で・・・
ちょっと見栄を張った。 左官の長兵衛が肩に乗っていたかもしれない。
 
次回の 『 圓太郎商店』 は三月末、また行こう。
 
 
  1. 2011/12/25(日) 17:29:16|
  2. 演芸など
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リビング落語会 『今年最後の立川志らく独演会』 於 よみうりホール / 平成二三年一ニ月ニ三日

ブルースハープ演奏
“ What a wonderful world ~ 主よ、人の望みの喜びよ” / ミッキー・カーチス
“ ふるさとのはなしをしよう ” / 志らく ミッキー・カーチス


富久 / 志らく

仲入り

芝浜 / 志らく


お囃子なしで緞帳が上がり頭を伏した志らくが高座に座っている。

会場から大きな拍手、拍手、なかなか鳴り止まない。
「皆さん期待し過ぎです。」 最初のひと言で笑いがおこる。
今日は前座が出て来て噺をする雰囲気でもなかろうと、志らく自ら開演の挨拶。

鬼籍に入った家元の話をしてミッキー・カーチスを呼び寄せる。
ふたりでハープを吹く。 ちょっと目頭が熱くなった。
談志とはまったく縁の無かった自分に悲しみはないが、弔う二人の姿に心が少し動いた。

落語を聴きはじめたのが二年と半年前。
何度か談志の会へ足を運ぼうと試みたが叶わなかった。
結局、一度も聴かずに師は逝ってしまった。
自分は談志を知らない落語聴きなのだ。
改めてそう思い知る会であった。


家元の享年までまだ二十七年あるから、
これから毎年 「芝浜」 を掛けて行こうと思うと、最後に挨拶があって緞帳が下りた。
プログラムには早速来年の十二月二十三日にも開催する旨、書いてあった。
立川談志のいない この素晴らしき世界 に、志らくはどんな 「芝浜」 を作り上げて行くのだろう。


  1. 2011/12/24(土) 11:38:00|
  2. 演芸など
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小三治独演会 於 銀座ブロッサム / 平成二三年一ニ月ニ一日

池田大助 / 〆治
道灌 / 小三治

(仲入り)

宿屋の富 / 小三治

〆治の演目、「佐々木政談」 と内容が同じだが、〆治は御奉行を大岡越前守と語っている。
佐々木信濃守だから 「佐々木政談」 である。 恐らく違う演題なのだろうと思いながら聴く。
帰りに演目の貼り出しで確認しようと思ったが、もの凄い人だかりで近づけず諦めた。
後ほど調べると 「池田大助」 と云うらしい。 奉行と小僧の名前が異なるだけで内容は殆ど同じ。
ネット上の受け売りによると、もともと上方落語の 「佐々木政談」 が、
三代目三木助から六代目圓生、三代目金馬へと伝わる中で 「池田大助」 となったようだ。

暮れのブロッサムでの小三治独演会は是非とも足を運びたい落語会のひとつ。
やはり都心の会場で聴く十代目は気分も揚がると云うものだ。
客の反応も悪くなく、奇妙なタイミングでの笑いや拍手が少ない。
会場の雰囲気が他で聴くより慣れた感じがある。

このところまくらが短くなったような気がする。
別に話すことがなければそれで良いのだと思う。
師のまくらは確かに楽しいし、それをお目当てに足を運ぶお客も少なからずだろうが、
個人的には落語が聴かれればそれで良いのである。

それでも今回のように師匠五代目小さんとのエピソードなどを聴かせてくれると、
あぁ、いい話をしてくれたなと、余禄にありついたような喜びもあるのだ。
太鼓のテンツクテンテンとテン・テンテンの違い・・・そう云う話にちょっとした贅沢を感じるのだ。

もうひとつ、運転免許の話から明治通りのことに触れ、新宿から池袋までが “あたしの明治通り” と。
この表現が面白かった。 同じ表現をするなら自分の場合池袋から表参道の交差点までかなと思ってみたり。

仲入り後、今年の高座はこれが最後なので悔いのないように思い切って、との切り出しに場内から拍手。
まぁそれでこの程度ですけれどと続けて、年末に向けては原稿書きがふたつ残っていて気にしているらしく、
ひとつは先のまくらで話した太鼓と五代目小さんの話を書くことにしたと満足げ。
皆さんのお陰ですよと湯飲みをすする。 ここで緩く笑いがおきただけで変に拍手が沸かなかったのも良かった。

話は移って馬喰町の地名の縁について。「宿屋の富」 をやる時の流れだ。
あぁ、今年最後の十代目は訛りの出て来る噺だったかと、ほんの少しだが残念な気も。
出来れば江戸言葉を満喫して終わりたかったなと云う思いがあったから。

お開き後は今年最後の新橋へ寄り道。
美人シェフなマスターと共通の話題である西麻布の大将の噂話などをして、また来年よろしくと言って店を出た。
落語会の後に直帰せずに飲むようになり、ここに来て少々腹回りに余計なものがついて来た。
マスターにはああ言ったものの、
実のところ来年は落語あとのペェイツを少し控えなければと思っているのであった。


  1. 2011/12/23(金) 06:26:40|
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北沢落語名人会 第12回 文左衛門・菊之丞・白酒 三人会 於 北沢タウンホール / 平成二三年一ニ月一八日

一目上がり / 市也

挨拶:しん平 <プロデュース>

二番煎じ / 菊之丞

(仲入り)

宿屋の仇討ち / 白酒
芝浜 / 文左衛門


長講三本、なかなか充実の会であった。

しかし前回の余一会の時と同じく、今ひとつ菊之丞の落語に入り込めず。
今まで聴いた噺の数で云えば、師は三本の指に入る。
好んで聴いて来た噺家ではあるのだが、今は波長が合わないのだろうか・・・
ちょっと間を空けてみるのも良いかも知れない。

白酒の 「宿屋の仇討ち」 はクリスマスバージョン。
この辺の遊び方、楽しませ方は相変わらず巧くて憎いし、始終三人組のとぼけた会話を、
時間差で隣部屋の侍に突っ込ませる噺の立体感の持たせ方など、笑うと同時に感心してしまう。
古典でありながら良く作り込んであって自分の噺にしている。
師の噺は聴く度に細かく変化する遊びに、違いを実感出来てそれも楽しい。

今年は既に一度鯉昇で聴いているが、師走に入って初めての 「芝浜」。
文左衛門はその風貌や まくらでのぞろっぺぇな喋りに反して、いざ噺に入るととても丁寧だ。
逆にもっと遊びがあっても良いのではと思う。
師の 「芝浜」 は二度目だが、その印象に変わるところはなかった。
どの噺でもかなりコッテリとやる人なので、特に人情噺となると尚更である。
時には演じ過ぎかなと思うこともあるし、その辺のクセと云おうかアクと云おうか、
そんなものが間を空けずに続けて聴くと中りそうだ。 そんな強い個性がこの人ならでは、でもある。

終わってみれば2時間40分。 まさに堪能の一夜であった。
 
 
  1. 2011/12/19(月) 22:58:02|
  2. 演芸など
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル -Mission: Impossible – Ghost Protocol- 於 新宿バルト9 シアター9

トム・クルーズ、押しも押されもせぬハリウッドのトップスター。
であるが、レオナルド・ディカプリオと並んで正直あまり魅力を感じない俳優なのであった。

そのせいか、映画館で観た彼の作品はこれまで 「ワルキューレ」 一本しかなかった。
(因みにレオさまも 「インセプション」 一本だけ)

よって 「M:I」 シリーズも映画館で観たことはなく、それ以前に今回が何作目なのかも知らなかった。
(記憶と内容を照合すると TV で一作目と三作目を観ているようだ。)
このところ面白そうな映画も無く、銀幕もご無沙汰だったこともあって前評判に足を運んだ。
動機としてはせいぜいそんなところであった。

この手のジャンル、いわゆる諜報等の特殊任務に当たる主人公が出て来る作品では、
「007(ダニエル・クレイグ版)」 シリーズと 「ジェイソン・ボーン」 シリーズがお気に入りである。
その二つの作品群に比べると、今回見た 「M:I」 シリーズは正直少々魅力に欠けるものでった。
素早い展開と胸をすくようなアクション、ギミックなアイテムやガジェット満載で飽きさせない。
二時間を超える上映時間を感じさせない面白い作品ではあった。


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しかしどこか腑に落ちないのだ。
詳細はネタバレになるので控えるが、ひとことで言うと悪役のキャラが今ひとつなのだ。
北欧の元・大学教授と云う設定なのだが、とても壮大な悪事が展開しているにも拘わらず、
その男が持論としてとても個人的な思い込みとも云える終末思想の下に行動を起こしているだけで、
どういうコネクションで大事を運んでいるのかの背景についての描写が希薄であることも手伝って、
ただただ胡散臭いだけで魅力に欠けるのであった。
その割に合衆国最高レベルの諜報員であろうイーサン・ハント君と互角に格闘までやらかすのである。
確かにガタイもいいし腕っ節も強そうなオジサンなのだが、ちょっと強すぎやしまいかと・・・。
話が幾ら進んでも作り込み不足で説明不足で人物像がはっきりせず、
観ていてもなるほど、コイツはとんでもない奴だ!と説得させられないのだ。

このシリーズ(結局今回で四作目とのこと)をはじめから順を追って観ていれば、
もう少し思い入れや高揚感も得られたのであろうが、
今ひとつ、最近の映画にしては悪役の魅力による相乗効果の薄い出来栄えに、
少々物足りなさが残ったと云うのが正直な感想であった。

いや、面白い映画ではあったのだ。 ただ、ひと味足りなかっただけ。

けれどシリーズの過去作品を通して観たら、また違った魅力もあるのかも知れない。
それを確かめてみる価値はあるかも知れない。 その辺の伸び代には期待しても良いかな。。。
 
 
  1. 2011/12/18(日) 23:56:30|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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小三治独演会 於 板橋区立文化会館 大ホール / 平成二三年一ニ月一三日

片棒 / 三之助
禁酒番屋 / 小三治

(仲入り)

千早ふる / 小三治



足を挫けば我が身可愛さで焚き火野宿は欠席の体たらく、
そのくせ既にお代が済んでる落語会ともなれば、連夜になろうとお構いなし。
痛い足をびっこびっこと赴くあたりが貧乏性の浅ましさ。
況してや今宵は小三治独演、行かずばなるまい板橋大山。

緞帳が上がると同時に疎らな拍手が起きる・・・小三治独演会はユニークな反応が多い。
開口一番の三之助がそれをネタにまくらに入る。
お目当てが出て来るのは一席済んでから、今暫くはご辛抱。

「片棒」 が始まって、随分長いのをやるなと思いきや、銀次郎までやっておしまい。
少々乱暴な気もするが、練習みたいなものか。
三之助はちょっと優し過ぎる気がする。
根多を選ぶと云うのか、この「片棒」 が、らしくないのだ。
もっと表情豊かに、或いは多面性を持たないとちょっと辛いかも知れない。

今回の十代目は二席とも(師にしては)まくらが短かった。
「禁酒番屋」 のまくらは酒飲みの話、つまり噺のふりであったし、
「千早ふる」 も冒頭で風邪薬とコカ・コーラの薬効について少し話した後に、
その知識が受け売りであると云う流れから知ったかぶりについて話して噺に入った。

ある意味オーソドックスな流れであったが、
まくらに過分な期待をしていたお客には少々物足りなかったかも知れない。

自分としては噺を堪能出来たので、満足であった。
「禁酒番屋」 を十代目で聴くのは二度目、「千早ふる」 は初めてだった。
「小言念仏」 を除けば三度以上聴いている噺はない。
いろいろな噺に中るのは嬉しいことだ。 これからも十代目で沢山の噺を聴いてみたいものだ。

前日は 「富久」 で酒が我慢出来なくなり近所でペェイツ引っ掛けて帰った。
今回も 「禁酒番屋」 で飲みたくなったものの、乗り換えやら階段やらで結構足を使ったので、
大人しくコンビニでビールと酒を買って家に帰ってから飲んだ。
アサヒの初号アサヒビール復刻版なるヤツはなかなか美味かった。
数量限定らしいのでまた見つけたら買っておこう。
日本酒が飲みたいが母屋に行かないと買い置きがない、
コンビニの棚から指扇の小山本家酒造なる蔵元の紙パック(110円)の純米酒を試しに買ってみた。
軽い口当たりと云うか少々水っぽかったが、常温のコップ酒でゴクゴク飲みたい気分だったので、
これはこれで咽越しが良くて悪い気はしなかったのであった。
 
 
  1. 2011/12/14(水) 12:30:50|
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『第24回 白酒ひとり』 白酒独演会 於 国立演芸場 / 平成二三年一ニ月一二日

牛ほめ / 扇
四段目 / 白酒
景清 / 白酒

(仲入り)

富久 / 白酒


前回記事の後に落語会の記事を書いていることでお察し頂けましょうが、
結局、土日の焚き火野宿は残念ながら欠席と相成りました。

これほど出欠で悩んだことも珍しく、本当に行きたくて仕方がなかったのだが、
出欠を悩んでいること自体、体調が万全でないことの単純明快な証左な訳で、
お誘い頂いた方からもまた次もあるからとお慰め頂き、断念したのであった。

で、欠席したのがどんな催しであったのかは、こちら でご覧いただける。


怪我をして六日目、いつもは使わない地下鉄のエレベーターなども利用して半蔵門へ。
歩行速度は健常時の7割程度、ゆっくり歩きながら提灯の灯る国立演芸場へ。

一席目のまくらで年の瀬の話題から落語界の一年を振り返る。
協会の真打大抜擢についてや家元の逝去まで、白酒らしい視点とスタンスで話がすすむ。
大勢から一歩引いた独自の意見、また師匠雲助への敬愛の情も垣間見えるなかなか良い話であった。

小僧の巧い師のこと、「四段目」 の定吉もなかなか可愛らしかった。
特にお仕置きで蔵に閉じ込められた定吉の振る舞いが秀逸で、
蔵の前を通ったお清どんを呼び止めようと格子扉に顔を押し付けるところなどまるでパントマイムだ。
歌舞伎の所作もなかなかのもの。 かなり勉強されているのか、もともと好きなのか。
と云ってもこちらに歌舞伎の造詣がないのだからその迫真具合をはかることは出来ないのだが。

落し噺の印象が強い白酒が 「景清」 をやったのは意外だった。
「景清」 は一度だけ、菊之丞で聴いたことがある。 正直、個人的には白酒の方が良かった。
盲の定次郎の演じ方が巧い。 半眼を白く光らせて様子を伺うところなど、まるで座頭市のようだ。
語りも落とし噺の時とはひと味違う師の魅力を見せてくれた。 あぁ、やはりこの人は雲助の弟子なのだと。
今まで聴き重ねて固まりつつあった師のイメージを上手に裏切って魅せられた思いである。

前回白酒を聴いたのは市馬とのふたり会。
その時に市馬がやったのが 「富久」 であった。 これも比べれば白酒の方が良いのであった。
後学のために他人様のブログで所見も拝読したが、噺の大きなはこびは門下の古今亭版、
志ん生と師の大師匠である馬生の遣り方を併せて踏襲したかたちらしい。
そう云うことに理解が及ぶと更に一層深いところで落語を楽しめるのだが・・・まだまだである。

今回もまた隣人に恵まれず、隣の席の男性が気管支か食道でもお悪いのか、
3秒に一度くらいのペースでゲップと咽を鳴らすのであった。
仲入り直前にそれに気づいてしまった。 もはや 「富久」 はゲップゲップが耳につき・・・残念至極。

それはともかく師の独演会は何度か通っているが、今回は今まででも一二の内容であったと思う。
やはり なかのZERO などより 国立演芸場 と云うことなのだろうか。 どーなの?
聴けば聴くほど白酒に魅了されて行く。 この人は追っかけて行こう。

次の白酒は文左衛門・菊之丞との三人会である。
色々な意味で興味深い会になりそうで、楽しみである。
 
 

  1. 2011/12/13(火) 13:48:08|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

こんな温かい灯も、あったかい。 - Petromax HL1 -

6月末にクリックして二度の入荷延期、五ヶ月たって漸くケロシンランタンが届いた。

白ガス・CB缶・LEDと燃料別にランタンは三つ持っている。

ランタンの圧縮燃料が立てるあの “コーッ” と云う燃焼音が結構好きである。
野営の夜の静寂を殊更に演出してくれる可愛らしい音だと思う。

それとは別にケロシンのユーザーには音がしない点を魅力として挙げる人も多い。
“コーッ” が無粋だと云う意見すらあるから、人の好みも様々だ。

四つ目の灯りとして、遅れ馳せながらケロシンランタンが欲しくなったのは入梅の頃。
燃料が安価な点と燃焼時間が手持ちのどれよりも長い点がケロシンの魅力。
で、比較の結果、小振りでキュートなデザインに惹かれ、ペトロマックスのストームランタンを選んだ。
今更の感もある、大勢のキャンパーが愛用している人気者。 価格もお手頃。

ネット情報では暗いとのご意見も多く見られるが、個人的にはこれで十分。
照度を求めるなら手持ちのツーマントルが横綱級だ。

これはテーブルトップで蝋燭程度の灯りをくれれば十分。
照明と云うよりは、焚き火の炎に近い心和ませる役目をお願いしたい。


hl1


さて随分と待たされ、色々なイベントに間に合わなかったコイツだが、早速今週末に出番が回って来る。
前から楽しみにしていた星空の下での宴会が土曜にあるのだ。

ただちょっと、参加に向けて暗雲が立ち込めているのも事実で・・・

実は一昨日の夜、風呂上がりに派手な転倒をして右足首をひどく捻ってしまったのだ。
昨日の午前中に医者へ行って診てもらったところでは骨に異常はなく、
痛みと腫れが治まれば行動に支障は無いと思われるが、今日の時点ではまだびっこを引いている。
イベント開始は土曜の夜、それまでに行動に支障なきところまで回復すれば良いのだが・・・

これを書いている時点で出発まで実質2日、具合によっては欠席と云う大人な判断が要るかも知れない。

それにしても、よりによってこんなタイミングで! なんたる失態。
とにかく今は安静に、不要な徘徊は避け、デスクワークに勤しむばかりである。


  1. 2011/12/08(木) 14:14:07|
  2. 道具のたぐい
  3. | コメント:4

市馬・白酒二人会 於 光が丘 IMAホール / 平成二三年一ニ月三日

道灌 / 市助
替わり目 / 白酒
富久 / 市馬

(仲入り)

粗忽の釘 / 市馬
幾代餅 / 白酒

光が丘に入ってから昼食にしようと思っていたのだが、
巨大団地を擁する駅前の施設はどこも凄い人出で、
入ったホール階下の蕎麦屋で15分以上待たされるとの断りに店を出てしまった。
開演までは20分少々、蕎麦なら2分で食べられるがちょっとギャンブルだ。
結局、空腹を抱えたまま席に着く。

疲れや寝不足の自覚はなかったのだが、「替わり目」 の途中から睡魔が。
珍しく、まだ出かけずにいた女房に気づくところで終わらず先の落ちまでやったのに、
頭がボーっとしていてその部分を堪能出来なかったのが残念。

次ぎの仕事の都合(と後に白酒が言っていた)で市馬は一席目で長講。
格で云えばトリは市馬であろうに、その辺の事情で少々イレギュラーな進行。
ここでも眠気は払われず。 特に市馬の美声は舟を漕ぐのに丁度良い。
あまり抑揚のない師の語りが拍車をかける。 目が冴えて来たのは噺の後半であった。

偶然にも前日CDで志ん朝の 「幾代餅」 を聴いたばかりであった。
古今亭の十八番である。 白酒は自分なりのものにしている。
大胆且つ繊細で、暴れているようでよく計算されていると云った印象が残った。
白酒は頭が切れる。 愛嬌のある風貌とのギャップがまた、その魅力を増している。

今回は後ろの席の男性がレジ袋を抱えていて、終始カサカサと音を立てて耳障りであった。
折りたたみ傘でも入れていたのだろう。
主催者によってはこのレジ袋に対する注意喚起のアナウンスがある程、あの音は会場で目立つ。
出来れば持っていた上着を被せるなどの配慮が欲しかった。
自分と隣の席の男性が音を気にして一度ずつ後ろを振り返ったが察しては貰えなかったようだ。
これも前回の記事で書いたのと同じで、なかなか注文をつけ辛いシチュエーションであった。
 
夕刻に会が引けて後、ダイバー仲間のお宅で鮟鱇鍋をご馳走になった。
他にも金華サバなどもありなかなかの夕膳であった。
いろいろと酒を飲んで酔っ払い、かなり自分のことをベラベラと喋ってしまった。
酔客の饒舌など野暮の極み、今日はちょっと反省している。
 
 
 
  1. 2011/12/04(日) 16:58:52|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

『世界遺産 小笠原』 三好和義写真展 於 EPSITE ショールームギャラリー

三好和義さんが小笠原を撮っていたのは、
現地でダイビングサービスをやっている友人のブログを介して知っていた。
海に出る時は彼がガイドをしたらしい。

三好さんの写真にはかつてかなり傾倒していた。
写真集も’95年頃までに出たものはまめに買っていた。
やがてこちらの嗜好も少し変化が出て来て、写真集を買うまでの事はなくなってしまった。

先述のガイド氏によれば、良い撮影が出来たとのことだったので期待して会場のエプサイトヘ向かう。
もはや当然のように全点デジタルスチルである。 色鮮やかであり目に痛いほど硬い質感に溢れている。
もうちょっとジンワリとしたタッチの方が見ていて目に優しいかなと思いつつ、
二たび訪れたことのある南の果ての島の情景をぼんやりと眺めて来た。

写真に見覚えのある景色を見つけては、また行きたいなと思う。
世界遺産になって来島者も随分と増え、特殊な環境に理解及ばぬ珍客による珍事も増えつつあるようだ。
何しろ行きづらいところで一度に渡航出来る人数も限られているので、
暫くは騒々しい・・・いやお賑わしいことであろう。
誰もが休める時期は外さないと、あの独特なノンビリした雰囲気は味わえないかも知れない。
しかしあの感じは小笠原ならではであり、他では得難いものがあるだけに再訪は叶えたいものである。


oga


話は写真展に戻るが、少々残念なことがあった。
丁度その場にいた年配の女性が、作品販売について色々と質問をしていたのだが、
ご本人も応対している中年男性スタッフも話し声がとても大きく、およそギャラリーにそぐわないのであった。
そのスタッフがエプサイト関係者か三好さんの関係者かは定かでないが、
作品展示の空間にあって、あの対応は正直閉口せざるを得ないものであった。
よほどひと言かけようかとも思ったが、これがなかなか判断の難しいところだ。

「もう少し声を下げて頂けまいか。」と苦言するのは正論であろうとは思う。
幾らメイカーのショウルームとは云え、ギャラリーである。 騒々しさが相応しい場所ではない。
しかし一旦それを口に出すとなるとかなりの自制心を要する。
自分の発している言葉が耳に回ってくると感情が煽られてキツい口調になってしまう可能性が高い。
その辺の自分の未熟度は自覚している、如何ともし難い。
縦しんば言ったところで気分が晴れる訳でもなく、居心地が悪いことにおいてはかわりはないのだし。
我ら三人しかその場に居ないタイミングで、
どうしようかと逡巡しているうちに二人三人とお客が入って来てしまい、その時点で諦めることにした。

暫くは耳障りな騒音を我慢しながら鑑賞していたが、いよいよ聞き疲れをしてその場を立ち去った。
なにも肩肘張って お行儀好くする事はないが、
今回は度を越しており、ギャラリーとしては失格ではと思ったのである。
頭では切り離して考えようとは思いつつ、気持ちの方で作品までもが曇りがちの印象で残ってしまったのが、
まことに残念であった。
 
(※ 写真展は既に終了しています H23/12/02:記) 
  1. 2011/12/02(金) 13:10:42|
  2. フォト・キネマ・アートとか
  3. | コメント:2

僕たちのバイシクル・ロード ~ 7大陸900日 ~  - FREE WHEELS EAST - 於 東京都写真美術館 1階ホール

ギャップイヤー、 卒業してから上級の学校若しくは社会に出るまでの猶予期間を示す言葉らしい。

これは大学を卒業した従兄弟同士の英国の若者二人が
約三年を費やして7大陸33ヶ国を自転車(鉄道・船舶)を使って、
陸路のみ(飛行機を使わず)で走破するセルフドキュメンタリー。

9 to 5 のオフィスライフには馴染めそうもないと、
モラトリアムな学生生活のラストステージを900日もの放浪に費やした青年たちの姿を追う。
彼等自身による旅の記録映像と帰国後のインタビュー、ピーター・コヨーテのナレーションで構成。

まず無計画である。
資金調達の為に出発前までは寝る間も惜しんでアルバイトに精を出したようだが、
いざ出発すると風まかせであり無軌道なのだ。
体力的な準備もお粗末な為、怪我も病気もし放題。 装備もお粗末で自転車も頻繁に壊れる。

しかし彼等は期間を限定することもなく、時にはひと所に数週間も滞在して身体や装備を立て直す。
資金が尽きたら無けなしの残金で自分たちのHPから旅の記録の小冊子を2種類作り上げ、
それをメルボルンの街頭で売って金を稼いだりするあたりは今時の子たちと云ったシーンだ。
しかも半年もの期間をそれに費やし1万部を売ったと云うから旅の衝動や目的の理解に苦しむ。


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(C) 2010 END PRODUCTIONS Ltd.


これは旅と云うより流離いに近い。 さすらいの旅と云う表現があるが、流離いと旅は違う。
唯一、彼らを旅人たらしめているのは7大陸を飛行機を使わずに訪れて帰国すると云う最終目的だろう。

そしてそれはたっぷりと時間をかけて成就する。
正直、まぁ良く生きて還って来られたものだと云うのが感想。 それほどにひどい旅なのだ。
唯一彼らが賢明であったのは政情不安、治安の悪い場所を避けて通ったことだろう。
中東にも行かなければアフリカ大陸も北部のモロッコあたりを掠めてさっさとヨーロッパ大陸へ入った。

900日もの記録を94分に凝縮しているのだから極々大雑把な粗筋なのは想像に難くない。
手撮りのホームビデオ映像と粗い編集で、旅の影の部分がどれ程のものであったのかは定かでないが、
あまりにも無防備な彼等の無事の帰還を見るにつけ、その幸運を祝さずにはいられない。

これを観て触発される若い人もいるだろう。 それは世の常だ。
「イージー・ラーダー」が世界中の道を駆け抜け、「エンドレス・サマー」は各地の波を切った。
そして今はネットとガジェットの普及で格段に情報と安全の確度が増した。
それ故に個人の “ 嗅覚 ” が鈍っているのも確かであり、
「運」の持つ意味が昔とずれて来ていることに少なからず違和感を覚えるのは
自分がオジサンになったからなのだろうか・・・
世の中は圧倒的な理不尽や傲慢と、ひとしずくの慈悲で出来ている。
 
 
  1. 2011/12/01(木) 12:47:22|
  2. フォト・キネマ・アートとか
  3. | コメント:0

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- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

.......................

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