七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 三三独演会 冬 』 於 なかのZERO 小ホール / 平成二四年一月三一日

蝦蟇の油 / 三木男
首提灯 / 三三

仲入り

湯屋番 / 三三
鹿政談 / 三三


昨夜は 『喜多八膝栗毛』 とバッティング、暫く迷ってから三三に決めて手配しての当日。

早く出過ぎてしまい、開場時刻に会場へ着いてしまう。
このホールは椅子が良くないので長いこと座っていたくないのだが、
かと云って他に寛ぐ場所があるほどホワイエが充実していない。
仕方なく席で携帯をいじったり本を読んだりしながら開演を待つ。

調べたら昨年の 『冬』 も開口一番は三木男であった。
祖父・三代目三木助の縁で談志に可愛がって貰った思い出話。
まくらの最中、言葉の繋ぎに “え~” が頻繁に入る。
すらすらと言葉が出てこないなら多少間を空けても良いと思うのだが。その方が客も集中するだろう。
“え~”“え~” の連続では言葉が均され単調になり頭に入って来なくなる。
「蝦蟇の油」 は口上の途中で一箇所引っ掛かる。 惜しい。
間誤付く三木男に会場から笑いが・・・そこ笑うところか。
それを自らいじるか否か、主観ではさらりと流した方が良いといつも思う。
自虐で笑いを取るのは芸が別だろう。

「首提灯」 は根多出し。 初めて聴く噺だったのでつい気になって調べてしまった。
そこで見つけた志ん朝の動画を観たのは拙かったか。
斬られた首をしきりに直す仕草にかなりの差を感じる。
志ん朝のそれからは頭の重みがリアルに伝わってくる。遣り方はそれぞれだろうが、三三はそこが軽い。
首の筋肉で支えているのが分かるからだろう。 いや実際は支えていなかったら大変なことなのだが。
そこをあたかも首が離れているかのように、が見せ場であろう。

「湯屋番」 は四代目小せんに習ったとのこと。
小せんは正月の落語番組で見たばかりで顔も浮かんだ。
一席TVで聴いただけで人と成りを分かるはずもないが、
映像でその人を見たことがあるだけでも三三のする思い出話に絵が浮かぶ。
鬼籍に入った噺家たちについて多少でも予備知識があった方が、
現役の噺家たちから逸話を聴く上でも近しく感じられることを改めて実感。
気になった名跡はなるべく調べるようにしなくては。

「鹿政談」。笑える場面も幾つかあるが、そこは笑うところなのかと思う場面が幾つかあった。
豆腐屋与兵衛が根岸肥前守の助け舟の甲斐もなく馬鹿正直に何でも答える場面や、
鹿の守役、塚原出雲の融通の利かなさに根岸肥前守が睨み付ける場面などは笑うところなのだろうか。
的外れではと思う客の反応には今までも数え切れないほど遭っている。
勿論、自分の考えが誤ってることもあろう。
噺の楽しみ方など人それぞれかも知れないが、出来ることなら連綿と伝わる行儀流儀は知っておきたい。
何から何まで自由奔放に楽しんでいるうちは、嗜みの域には辿り着けないと思うのだ。

お開きになって、ホールのある南側から線路を潜って北側へ。
午後九時を回った定休日前日の鮨屋、ネタ切れも承知で暖簾を潜ると先客はご夫婦づれお二人だけ。
思いの外、ネタは揃っており頼んだ中で切らしていたのは鯖だけだった。
小鉢で頼んだ鱈の白子ポン酢がなかなか美味い。
先日、新年会で頼んだ河豚の白子は格別であったが、値段を鑑みれば鱈の白子が分相応だなと実感。
白魚の軍艦も美味かった。 やがて摘みと握りで腹八分、十時も回ったので海老芋の揚げだしは自重。
瓶ビールのあと、熱燗はやめておいて温かい緑茶割りを二杯。
最後に玉子をひとっぺら摘んでお愛想。 お会計はニアピン。 土地柄か、ここは案外お手頃なのだ。



  1. 2012/02/01(水) 17:28:20|
  2. 演芸など
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