七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 白酒むふふふふふふふ 』  白酒独演会  於 なかのZERO 小ホール / 平成二四年二月二五日

子褒め / 扇
幾代餅 / 白酒

(仲入り)

アコーディオンライブ / 柴草玲
二番煎じ / 白酒

なかのZEROに向かう線路と並行する道沿いにラーメン屋 “ 北国 ” はある。
いわゆる町のラーメン屋。 ラーメン、炒飯、餃子に定食がメニューに並ぶいたって普通の食堂。
麺屋ナンチャラとか云って黒づくめの装束にタオル頭巾の兄ちゃんが
テボを振り回して麺の湯切りをするようなスカしてキザッペな店ではない。
普通の身なりをしたおじさんがやってる昔ながらのラーメン屋だ。
今回は開演が1330時だったのでこちらで肉野菜定食を食してから会場入りした。
ZEROでの夜会の際にも、こちらで炒飯などを食してから臨むことがある。
要するに年に数回利用する店なのである。 ・・・が、今回初めて知った事実が。
“ 北国 ” は “ キタグニ ” ではなく “ ホッコク ” である事が判明したのである。 驚愕!
何でも店のご主人、富山のご出身だそうでその名をつけたとのこと。
けれど “ キタグニ ” だと思っている客も多かろうが訂正もしていないようだ。
出前もしていないので電話で店名を言うこともなく、 “ キタグニ ” と言わせておけ、のようである。
なんかカッコイイぜ、“ ホッコク ”。

扇ちゃんは今年中には二ツ目にはなれないとこぼす。 この話を聞くのは二度目だ。
経験年数からしてもう昇進しても良い頃合なのにと・・・ん~、正直もう少し精進して欲しい。
印象としては褒めて伸びるタイプのようだが、ここはまだ我慢が彼女の為ではなかろうか。
羽織を着るのはまだ早いと思うぜ、おっちゃんは。

白酒一席目。 人情噺の 「幾代餅」 でこれだけ笑わせる噺家も稀有であろう。
その笑いが噺を逸脱した悪ノリではなく、筋の中にある可笑し味を抽出して増幅させている。
ドタバタと賑やかす訳でもなく噺はきちんと進めて行き見識を外さない楽しませ方がいい。
そして今回思ったのが台詞の端々、特に語尾の言い回しにふと垣間見える志ん朝の面影。
志ん朝を実際に聴いたことがある訳ではないが、今聴くことの出来る音源から耳に残っている特徴が、
今回白酒の言い回しの所々に見え隠れしていると感じたのであった。 古今亭の系譜と云うことか。
その辺は客として日の浅い自分が言及するまでもないことかも知れない。
清蔵と幾代太夫が一夜を過ごす件がないところで、
ここに古今亭と柳家の違いがあると云ったようなひと言が冗談交じりに入ったが、
そこには白酒の支持する落語観が表明されていたようにも思えた。

そうした落語観は師匠雲助から受け継いだ、或いは師匠に共感した白酒自身のものなのだろう。
二席目の 「二番煎じ」 は先日雲助月極十番の楽日に聴いたそれとほぼ同じであった。
年寄り、大旦那衆が集まっての夜回りでの出来事。
立ち居振る舞いにはどこか余裕と品があって然るべき。 そんな解釈が伺える好印象な遣り方。
それを白酒も入れごとクスグリ殆どなし、師匠の遣り方をそのまま踏襲していた。
この 「二番煎じ」 には個人的にも共感するものがあり、とても印象深い。
白酒と云う噺家は長い目で見ても褪せることなき魅力を持っている、そう云う予感が改めてする一席であった。
この人は自分の想像以上に切れ者なのだろう。 ちょっと切れ過ぎかもしれない。
切れ者はあまり切れ者然としていない方が良い。 その点が気がかりだったりするのである。
 
 
 
  1. 2012/02/26(日) 21:50:03|
  2. 演芸など
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