七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 圓太郎商店 独演その十二 』 圓太郎独演会 於 池袋演芸場 / 平成二四年三月ニ九日

元犬 / フラワー
宿屋の富 / 圓太郎

(仲入り)

薮入り / 圓太郎


開演十五分前に入ると補助席以外はほぼ埋まっていた。
最前列に空席を見つけてそこに納まる。 池袋の最前列はかなり見上げる格好になる。
幕が開いてから後方でも良かったかなと思う。 小さい函なので最後列でも十分近いのだから。

開口一番、花緑の弟子フラワー。 こんなにテンパってる人は初めてだ。
ここで多くは書くまいが、終わってから落ち込んだだろうなぁ・・・。

この会は根多出し。予め栞に二題書いてある。
一席目の 「宿屋の富」 を聴いて少し疲れを覚えた。
何故かと考えて、どうも自分は地方訛りの出てくる噺が性に合わないようだと思い至った。
思い返せば 「棒鱈」「百川」「お見立て」 なども好んでは聴かない噺だ。
自分はチャキチャキの江戸言葉が好きで落語を聴いてるところがある。そもそも上方落語をまったく聴かない。
しかも最前列で押し出し強めの圓太郎の遣り方であるから、聴き疲れをしたのだろう。
これはちょっと厄介なことに気づいてしまった。 これから訛りの出てくる噺に更なる先入観が出来てしまった。

二席目は小三治のCDで聴き馴染みの 「薮入り」。
生高座では初めてかも知れないと思ったが、後に調べると二年前の冬に一之輔で聴いていたようだ。
まくらは親心の話。若くして真打になった師匠・小朝との前座当時の思い出話。歳は六つ半離れているらしい。
入門当時、26の師匠と19の圓太郎、兄弟のようによく遊んだと。師匠も自分も若かったと楽しそうに話す。

噺は せっかちなおとっつぁんの振る舞いが、塩辛い圓太郎の風貌に良く似合う。
亀の帰りが待ち切れずに前夜の床でぶつくさと計画を練るところや、
いざ帰って来ると まともに姿も見られない不器用さが、子への愛情溢れんばかりに表現されていてとても良かった。
途中 行け行けな進め方にも思えたが、一直線なおとっつぁんの性格と相俟って悪くはない感じだった。

圓太郎商店は今回で十二回目、自分は前回からの二度目である。
ふと、過去にどんな噺を掛けて来たのか気になる。
やはりひと通りはダブることなく遣って行くだろうから、
縁が無かった過去十回おそらく二十の根多は聴き逃している訳で、
是非、圓太郎で聴いてみたい噺がこれからの商店で掛かってくれることを願う。

前回は書かなかったが 100% 回収を目指すとあるので、今回はお開きでアンケート用紙に記入。
連絡先と名前だけ、咄嗟に感想欄は思いつかず。 「薮入り」 で鮪の赤身が摘みたくなったことを書けばよかった。
最前列で前机が無かったので舞台の框を借りて記入してしまった。 これは失礼だったかなと後になって反省。

山手線で池袋から馬場へ、
そこから地下鉄ではなく西武線で地元近くまで行き、兄弟でたまに使う妙正寺川沿いの居酒屋へ。
クラシックラガーで渇きを潤して、熱燗を小徳利で貰い生牡蠣のオイル漬けと刺身のちょこっと盛りを摘む。
勿論、刺身には鮪の赤身も載っていた。 ちょこっと盛りとの品書きだが、ここのは結構な量。
ビールも大瓶だったので お腹パンパンで帰宅。 全部で2,070円、安っし~。


  1. 2012/03/30(金) 12:10:10|
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山村白雪-’12・冬 -goodspeed-4WD photo garage-

あっち や そっち では呟いてお知らせしたのですが、こっち でのお知らせを忘れておりました。

3月上旬に信州は山間の集落へ行った時のスナップショットです。

朝起きたら雪、合羽着て散歩して来ました。

かなり地味ですが・・・ご笑覧に供します。

一番下のフォルダです。

goodspeed-4WD
 
 
  1. 2012/03/29(木) 14:11:24|
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「壽 一之輔真打昇進披露興行」 三月下席 六日目 夜の部 於 鈴本演芸場 / 平成二四年三月二六日

新聞記事 / 朝也
浮世床(太閤記) / 圓太郎
紙切り / 正楽
宗論 / 正朝
漫談・小咄 / 馬風
漫才 / ロケット団
芋俵 / 市馬
二人旅 / 小三治
強情灸 / 一朝

仲入り

真打昇進披露口上 / (下手から) 市馬・さん喬・一之輔・一朝・馬風・小三治 

太神楽曲芸 / 仙三郎社中
真田小僧 / さん喬
粋曲 / 小菊
花見の仇討ち / 一之輔


真打昇進披露興行は文字通り真打昇進者が出ない限りは観ることが出来ない訳で、
未体験の物珍しさも手伝って六日目の前売りを手に入れたのだった。

開場時刻より少し早く鈴本に着くと既に客を入れていたが、平日だけあってまずまずの席が確保出来た。
場内をうろついて五月の余一会 (菊之丞独演会) の発売時期などを御茶子さんに訊いたりして開演を待つ。
先に書くと開演時に四割程度、市馬あたりでほぼ満席になった。 土日は開演前から長蛇の列だったとか。

緞帳が上がると高座には後ろ幕が張られ酒の菰樽が詰まれると云う華やいだ演出。
後ろ幕は確か三度(?)掛けかえられる豪華さであった。

特に意識して選んだ日取りではなかったが、
後から番組をよく見るとさん喬と圓太郎が出る日であることに気づき、ちょっと特をした気分。


朝也 : 以前にも聴いたことがある噺だが演題が思い出せず。調べたら 「新聞記事」。きつつきで聴いている。

圓太郎 : 節分の鈴本でも聴いた、太閤記を読む件だけを抜き出したもの。

正楽 : 注文を受けると 「パンダとドラえもん」 の合わせ技が。これに時間を取られていたが見事な出来栄え。

正朝 : 聞き覚えのある噺だったが生高座ではなかったようだ。多分TVの落語番組だろう。噺家も噺もお初の一席。

馬風 : ほぼお祝いの言葉。女子スポーツ選手の見てくれの話から色々流れて一之輔を褒めるまで。

ロケット団 : “北”のネタでボケる。名前は以前から聞いていたが実演は初めて観た。面白かった。

市馬 : 終始ニコニコ。昼の部は主任で出ていたようだ。なにも歌わず。

小三治 : 圓歌のサプライズ代演。初日に次いで二度目の登場だったようだ。これはやはり得をしたのだろうか・・・。

一朝 : 仲入り前、主役の師匠だけに拍手も一際大きかった。噺もノリノリ、慶びに溢れた感じで良かった。


仙三郎社中 : 太神楽はドキドキするので苦手であるが、今回は刃物が出て来なかったのでリラックスして観られた。

さん喬 : いつものように穏やかに。サラッと遣って高座を下りた。控え目な感じが格好良かった。

小菊 : いつものようにしっとりと。本当に華がある。帰りがけ階段で一緒に。お疲れ様と声をかけるとニッコリ。

一之輔 : 既に六日目、気負いはない。たっぷり遣って拍手喝采。小さい函だと師の声はデカいが鈴本は丁度いい。


披露口上の面子もなかなか豪華で、この日は当たりだったなと一人ほくそ笑んだ。
最近どこかの落語会場で、今回の披露興行では小三治会長の出る日の告知はないらしいと、人様の会話が耳に入った。
告知すると小三治目当ての客が押し寄せて混雑が必至であるが為との尤もらしい理由。 ・・・誰の披露やら、である。
ならばそんなサプライズデーに中ったのも祝いの芝居に華を添えられた気分にもなる。
尤も、まだ圓歌の生高座を聴いたことがないので、個人的には圓歌なら圓歌で良かった訳なのだが。
噺の最中には歌わなかった市馬副会長も口上の途中で馬風最高顧問に促され、結局は相撲甚句を遣った。

一之輔は特段贔屓な訳でもないが、確かに巧いと思うしこれからも聴く機会はたくさんあるだろう。
どんな真打になって行くのか、歳をとるのが楽しみな噺家であることは確かだ。
一之輔ご本人のブログによれば、この日はご子息が観に来ていたらしい。 お父上の晴れ姿、ご同慶の至りである。

次は菊六の昇進披露興行が楽しみだ。 いくらなんでも気が早いが、そう云う意味で秋が待ち遠しい。

  1. 2012/03/28(水) 12:16:26|
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『 第26回 白酒ひとり 』 白酒独演会 於 国立演芸場 / 平成二四年三月二一日

子ほめ / さん坊
平林 / 白酒
禁酒番屋 / 白酒

(仲入り)

明烏 / 白酒


緞帳が上がるとめくりに さん坊の名が。 扇だろうと思っていたので嬉しい誤算。(扇ちゃんごめん)
さん坊を聴くのは二度目、前回も白酒ひとりだった。 この人は気になる存在だ。
前座一年ながら落ち着きがあって客に心配させないし、聴いていて痛々しい拙さがない。
今回は持ち時間を意識してか少し早口、「子ほめ」 も中抜き。 サゲが初めて聴くものだった。
たけさんの赤ん坊を詠った “ たけの子は生まれながらに重ね着て ” と云う歌からサゲるもの。
同じ噺でも色々あるものだ。

白酒は風邪で38度の熱が出て前日まで往生していたらしい。 インフルエンザだったら中止も覚悟したとか。
喉をやられているので後ほどから湯呑みを使わせて貰うとひと言。
一之輔の真打披露興行初日にようこそお運びをと、いつもながらの毒を少々。
自覚はないが自分はかなり物言いがキツいらしいと・・・自覚してなかったのか。 自分と同じだと思ってしまった。
まくらは休日診療医が爺さんで手間取った件を面白おかしく。
次いで最近アイドルに落語の稽古をつけた話。 根多は明かせないとのこと。 結局ばらしていたが。
名前を忘れたが記憶を頼りにそのアイドルをネットで突き止めたらなかなか可愛らしい娘であった。
稽古も楽しかったろう。

白酒ひとり はいつも三席だが 「 平林」 で一席やっつけたのは喉の加減ともうひとつ訳ありだったようで。
根多としては物足りなさが残ったが、そんな日もある。

一旦引っ込み再登場、恒例のアンケート回答。(とうげつアンサー)
湯呑みが用意された。蓋は木の方が良かったか。桑の木とか。慣れないせいか磁器の蓋がカチャカチャと。
回答では寄席のトリ根多を根多出しする件についての話が興味深かった。
寄席には日ごと流れがあって、それに対して芯打ちで如何様にも対応出来るだけの根多と実力を持っていて初めて、
主任を任されるのだからと云うあたり、なるほどと思いながら聞いた。
短期間で同じ根多を続けて掛ける場合は、遣り方の工夫を思いつけばすぐに試すことはあるとのこと。
「禁酒番屋」 も相変わらずゲロルシュタイナーで笑わせてくれたが若干の変化あり。 たゆまざる修練と云う事か。

仲入り後は先日聴きに行った一門による 「双蝶々」 の件。
寄席で滑稽噺を遣っていた雲ちゃんが好きで弟子入りしたが、
次第に師匠の芝居噺や人情噺が評価され、衆目を集めるようになって様子が変わって来た。
あとの二人はそれを見て入門して来たので今となっては自分だけアウェイな感じはあったと。
まぁ 師匠は遣りたいところだけをやれて満足しただろうから由としようと纏めていた。

確かに一門四師が揃うとそれは感じる。 もっと大勢の一門なら懐もあって浮かないのだろうけれど、四人だから。
その辺が当夜の記事(2012/03/15)に書いた師のニヤけ顔に出ていたのかも知れない。

「明烏」 もこのところ頻度が高い。 今回は源兵衛と太助の演じ分けに注意して聴いた。
つい先日、この二人の違いをどう遣るか聞き比べるのがこの噺の面白味だと御通家のブログで拝見したので。
気をつけて聴けば確かに時次郎の父・日向屋半兵衛に直接頼まれた源兵衛と付き合う太助の役割の違いが分かる。
しかしそれ程のメリハリは感じられない。気をつけていないとたまにどちらか分からなくなる。(それは自分のせいか)
思えば以前聴いた喜多八の 「 明烏 」 にはそれがあったような記憶が。
白酒ならではの工夫に満ちた遣り方ではあるが、この二人の演じ分けをよりハッキリさせた方が成る程面白かろう。
そんなことを感じつつ、いつものようにあぁ面白かっただけでは終わらなかった第26回なのであった。

次回は五月である。 体調管理は万全に。
 
 



  1. 2012/03/22(木) 12:18:28|
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フィツカラルド -Fitzcarraldo- 於 早稲田松竹 (※最終推敲時刻 2012/03/19 16:45)

名画座の良いところはその字の如くであろう。
時を越えて過去の作品を大画面で鑑賞出来る貴重な空間だ。

「フィルカラルド」 が封切られた当時は高校生だった。
あの船が山を登る印象的なシーンは憶えているが、良速少年はそれを観てみたいとは思わなかった。
高校生当時の自分にとって映画は高価な娯楽であり、そうそう行かれるものではなかったし。

この週末、観たい映画のリストを開けてみたがどれもピンと来ない。 しかし気分は映画館なのであった。
そこで都内の名画座のHPを巡っていると灯台下暗しで、最寄りの早稲田松竹でこれが掛かっていたのだった。

あのシュールな船の山登りの映像から予想していたのはもっと難解なストーリーであったが、
三十年近い時を経て実際に観るとそんなことはなく、実にシンプルなプロットによる物語であった。

そして寡聞にして知らなかったが本作のヘルツォーク監督は、
あのキンスキーとアジャーニによる 「ノスフェラトゥ」 と同じであることを今回初めて知った。

19世紀末の南米。密林の僻地にオペラハウス建設を夢見るフィッツジェラルド(フィツカラルド)は、
資金繰りのために無尽蔵のゴムの木を有するアマゾン河上流の未開地へ買い上げた古い客船で遡行を試みる。
しかし圧倒的な自然の前にやがて行く手を阻まれ進退窮まり、
ひとつ山を越えたところを流れるもう一本の川筋へ船を移すべく密林を切り拓いての陸路 船の山越えを企てる。
人海戦術を要するこの企ての力となったのは、旅の途中で遭遇し、
付かず離れずつき纏って来た首狩族と恐れられる原住民たちだった。


fitz
著作権不詳


密林の中を流れる川を遡上する筋書きには誰しも「地獄の黙示録」 を思い起こすことだろう。
船の屋根上に上がって蓄音機でオペラを流すシーンなどは黙示録のワーグナーとダブる。
しかしそこにカーツやウィラードを通して描かれた狂気のようなものはない。
あるのは絶対的未開の地を切り拓き、そこにオペラハウスを建て文化の息吹を自らの手でもたらそうとする男の野心。
それは狂気と云うより盲目的ともとれる欧州文化圏への偏愛、礼賛、憧憬と云ったものが蓄積した得も云われぬ渇望、
飢餓感なのではと思いながら観ていた。
密林に流れるオペラの旋律は、狂気と云うよりは耽美に近いものであったし。

1982年(日本公開1983年7月)作品、CGではなく実際に巨大な船が山を登っていくシーンは圧倒的であり、
それだけを切り取るとやはりフィツカラルドの狂気の沙汰にも見えるのだが、
それまでの道程を踏まえてそこに辿り着くと、何故か必然性すら感じてしまうのだった。
終盤に向けての展開もシュールに破綻することはなく、なかなかいいじゃないかとニヤリとさせるもの。
そして大自然に翻弄される大きな船や、未開の地の民との儘ならない対話を見ていると、
何かにつけ今の日本に停滞しているコントロール不能な様々な事象がダブって見えてしまうのは仕方のないことなのか。
そこに色々と通ずるものを散見しながら、
今この映画を掛けるタイムリーな感覚に早稲田松竹のセンスを見た思いだった。

とは云え、実は上映時間の1/4くらいはウトウトしていたのだった。
観に行く前に馬場は長崎飯店のちゃんぽんを食べて腹がこなれて来た時分になり、マッタリとしてしまった。
過去、映画館でこんなに夢現になったのは、
タルコフスキーの「ノスタルジア」、或いはレジオの「コヤニスカッティ」くらいだ。
機会があればいずれ頭の冴えている時にもう一度観たいものだが、
あのウトウトしている狭間で目に飛び込んでくるアマゾンの風景がもたらしたものは、
冴えた頭では味わえないのかも知れない。
 
 
  1. 2012/03/19(月) 12:16:42|
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キツツキと雨 於 角川シネマ新宿 シネマ1

3/10 に観てレビューを先延ばしにしていたら主演の一人・小栗旬クンがケコーンしてしまったよ。 おめでとう。

役所広司と云う役者が好きである。 俳優と呼ぶより役者の方がしっくり来る。 別に役所だからではなく。
重厚なものから本作のようなホノボノするものまで、幅広く役に填まる感じが “ 役者 ” らしくて良い。
謙さんも大したものだと思うが、それとは別に役所贔屓なのである。

舞台は山里。木こりの男は定職につかないひとり息子と二人暮し。先立たれた妻の三回忌が近い。
単調な毎日に変化をもたらしたのはゾンビ映画のロケ隊。
ひょんなことから関わりを持ち、エキストラでゾンビをやる羽目に。
そのラッシュを見たのをきっかけにやがて積極的に撮影に関わるようになって行き、
のめり込んだ挙句の果てには妻の三回忌を失念してしまう始末。

いっぽう、ゾンビ映画の監督である若者は主体性に欠け、監督らしからぬ優柔不断さでロケ隊の信頼も薄い。
一度は脱走まで試みるへタレぶりで、次第に撮影にのめり込む木こりから父親のように諭されることも暫し。
そんな木こりと関わるうちにやがて積極性を身につけ、撮影に対して意欲を見せるようになる。
大物俳優にも作品に拘る姿勢を認められ涙することも。 そして撮影は佳境に入り・・・


kitsutsuki
(C)「キツツキと雨」製作委員会


ロケ地は岐阜の山間のようだ。 のんびりした日本の原風景のような美しい場所で、ゾンビ映画を撮る設定が面白い。
撮影が進むにつれ、村人たちもエキストラに巻き込んでちょっとしたイベントと化して行く。
メイクはいちいち落とさないので村の中で農民ゾンビが畑を耕し子供ゾンビが自転車で走り回っている。
それと長閑な山里の風景が合わさって滑稽なのであった。

ストーリーは単純、やがて監督としても大人の男としても一人前になって行く若者と、
木こり一筋だった男が外界からの刺激を受けて感情を咲かせて後、将来の明るい兆しも携えて再び日常へ戻って行く。
それを映画制作の過程と同時進行で見守る筋書きの安定感が観ながらの安堵感に繋がり、
最後まで穏やかな気分で過ごせる作品。 これは沖田修一監督の実体験が元になっているらしい。
こう云う経験をして「南極料理人」のような良作を撮る監督になったのだな。

エンディングで流れる星野源の主題歌も作風にマッチしていて、エンドロールで余韻に浸れる。

タイトルの「キツツキと雨」、キツツキは木こりの、雨は映画監督の天敵って意味らしい。
知らなかった。苦笑
 
 
  1. 2012/03/17(土) 21:26:58|
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高砂淳二写真展 『 on the BEACH 』 於 Island Gallery

十四日、落語の前に京橋でやっている高砂淳二さんの写真展へ寄るつもりだったのを直前で思い出す。
思い出したのが少し遅かったので時間に余裕がなかったが、取り敢えずギャラリーへ向かった。

偶然ご本人がいらしたが待ち合わせだったらしく、暫くすると忙しげに数人と共に帰られた。
居合わせたゲストは数人、去り際にひと言さり気なく自作へのお運びの礼があると格好良かったのだが。
まぁオープンギャラリーだし、そこまで気を遣っていられないか。

作品の多くは色彩がヴィヴィッド。 実体験にない色を見ると、悲しいかなどこかリアリティが薄く感じられるものだ。
アスペクト比はいくつなのか、とても横長な写真。 大きさは何種類かあったが、全て同じ比率で統一されていた。
水平線を写した作品も多くその横長な構図の座りが良く、なるほど効果的だ。 中には滝を撮った縦位置のものも。
そうしたプロポーションが新鮮で、ちょっと手拭いっぽくて良いなぁと思ったのは、恐らく自分くらいだろう。

額装されているが裏打ちをしていないので中には波打ちが目立つ作品も数点。
写真の質感を優先する為との説明書きだが、むしろペラペラしていて個人的には正直安っぽい印象の方が強かった。
好意的に考えれば各作品 50点限定販売なので、イニシャルコストダウンの為に裏打ちをオプションにしたとも取れる。
あとはライティングのせいか映り込みが目立ち、ふと焦点を外すと写真の中に自分の姿が浮かび上がるのが気になった。
照明計画や作品展示の角度にもう少し工夫が欲しかった。


jtob
(C)Junji TAKASAGO




今回初めて訪れたギャラリーは画廊然とせず、良し悪し交々あまりプロフェッショナルな感じがしなかった。
中央通りから一本脇へ入った道、地階だが懐のあるドライエリアに面しているので開放感もあり良いテナントだ。
白を基調にした空間は明るく硬質なインテリア。 上記映り込みの件も含めて、室内が少々明る過ぎるかも知れない。
確認しなかったし既に記憶も曖昧だが、展示スペースは 8~10坪くらいだっただろうか。

小耳には挟んでいたがスタッフさんがお二人とも、噂どおりとても美人だった。(笑)
気遣いかタイミングを見計らって一方の人が話しかけて来る。 こちらも二三質問。 煩わしい筈もない。
一点、空いていただけに作品と立ち位置にはもう少し気配りが欲しかった。
作品の脇でスタッフとゲストの立ち話も、あと二歩もずれてくれれば視界の邪魔にならず作品を楽しめたろう。

以前行った三好和義さんの写真展の時に、大声でゲストと話し込んでいるスタッフが耳障りだったのを思い出す。
芸術鑑賞と畏まることはないし、ゲストも十人十色で対応も大変だとは思うが、
多くのゲストがより作品に集中出来る最低限の演出と配慮があってこそ、鑑賞空間のホスピタリティではなかろうか。

小言が多くなってしまったが、総じれば気持ちの良い作品群と空間であったしもっとゆっくり見たかったが、
開演が迫っていたので後ろ髪を引かれる思いでギャラリーを後にした。

清涼感に溢れ、マインドトリップ出来ます。 お勧めの写真展です。



会  期 / 3月10日(土)~25日(日) 会期中無休 OPEN 11:00-19:00
会  場 / Island Gallery 東京都中央区京橋1-5-5 KRFビルB1
作家来廊 / 3月10日(土)・11日(日)・17日(土) 14時~


  1. 2012/03/16(金) 14:49:28|
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『 五街道四門三月双蝶々初夜 』 雲助・白酒・馬石・龍玉 於 日本橋劇場 / 平成二四年三月一四日

長屋 / 白酒
定吉殺し / 龍玉
権九郎殺し -芝居掛相勤申上候- / 雲助

(仲入り)

雪の子別れ / 馬石


いたちや主催の雲助月極十番が終わってひと月。
皆勤客としては今回の興行は番外編とでも云おうか、アルバムで云えばボーナストラックみたいな気分であった。

通いなれた日本橋劇場に花道が設えてある。 今宵の趣向に気分が高まる。

花道から白酒登場。 拍手を受けながら二階席へ両手を振って見せる。 なんかプロレスラーみたいだ。
高座に上がると短いまくら、今宵の趣旨を短く説明。 師独特のシニカルな言い回しが端々に見え隠れする。
師の子供は愛嬌があるだけに長吉の小憎らしさ、子供だけが持つ邪気が浮き彫りになった長吉少年時代であった。

龍玉の番頭・権九郎、長吉の悪性を看破した機転の利き様から、主家への盗みを脅迫するまでの変貌ぶりに見応えあり。
長吉の二面性も十分に表現されていて、師の目力と云おうか目の演技力と云おうか、なかなかのもの。
雲助門下は白酒のみ聴いていたが、他の二師を聴き逃していたのは迂闊であった。

二席終わって幕引き、場内も明るくなって仲入りの雰囲気にパラパラと席を離れる客。
自分もゼリー飲料を流し込んだり目薬を注したりしていると下座で太鼓がなって場内が暗転、幕が開いた。
高座が取り払われ舞台に敷かれた毛氈の上に雲助が・・・仲入りではなく続けて権九郎殺しが始まった。
場内がざわつく、意表を突かれた格好。 席を離れていた人がワラワラと戻って来る。
場内が暗くなっているので間誤付く人もいて、黒い影が舞台を遮って最初の2~3分客席の空気が鎮まらない。
席に戻って来られなかった人も多い、恐らく後ろで立ち見をしているのだろう。
後でTwitterで検索したら20人くらいがホワイエで軽食を取っていたらしい。 やはり冒頭を見逃したようだ。
通常では四席の会なら二席終わって仲入りが多いから無理もない。
噺の流れとしては芝居掛の権九郎殺しまで一気に見せるのは良い構成だったと思うが、
ここは芝居の次第が分かるように貼り紙か栞で主催者側からの明確な周知があった方が良かっただろう。
またあの幕間で、会場を明るくせずに場繋ぎをしていたら勘違いする客もなかったであろう。
自分も席を離れこそしなかったが、右往左往する離席者が視界に入った冒頭は惜しいものがあった。

で、雲助の芝居掛による権九郎殺し。 柝に合わせて鋭い動きを見せる師の演技が素晴らしい。
オレは落語を聴きにいている筈だが、この世界はいったい・・・そんな戸惑いの中、緊迫した場面に惹き込まれる。
やがて権九郎殺害、花道に立つと尻っ端折り、頬被り。奥州に逃れる体でダダダッと駆け出す姿が格好良かった。

本当の仲入りに入って暫し休憩。 先ほどの件を愚痴るおばさん。いやもっと騒ぎになるかと思ったがみな大人だ。

花道から登場の馬石の仕草に雰囲気がある。 まるで役者のようだ。 師もこれが初聴きとなる。
息子の悪事に世間を追われた夫婦の悲哀が会場の静寂に染み入るようだ。 寒風吹き荒ぶ中、御貰いをする母親が哀れ。
最早真っ当には戻れない親子の仲ももどかしい再会の後、雪の降る中、吾妻橋にて長吉が御用となる。

拍手喝采。 一旦引かれた幕が開き、高座脇左右に四師が正座にて師匠雲助が一言ご挨拶。 再び、拍手喝采。
一同御礼で緞帳が下り、追い出し。

普段とは違う芝居仕立ての構成はなかなか見応えがあり面白かった。 いたちや らしい興行だったとも思う。
遣ってる方は大真面目、客も良いものを見せて貰ったと云うのが大方の感想であったろう。
へそ曲がりとしては、絶賛するなら歌舞伎や芝居を観れば良いのではとも思ったりするが、
珍しいものを楽しませて貰った、堪能したと云うのが素直な感想でもある。

それでも最後のご挨拶の際、上手高座際にいた白酒の何とも云えない笑い出す一歩手前のような表情に、
何か同志の意気とでも云おうか、我が意を得たりと思ったのは自分だけだろうか。

今回は周りの客に恵まれず。 今ひとつ集中し切れなかったのが心残り。
前席、女性なのに汗臭い。 空調の加減でたまに鼻に付いた。
通路を挟んだ隣の女性、何か指で引っ掻いているのか、カリ・・・カリ・・・と規則的なノイズ。
 
 
  1. 2012/03/15(木) 12:56:32|
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『 落語睦会 ~しゃぼん玉のゼントルマン 』 扇遊・鯉昇・喜多八 三人会 於 国立演芸場 / 平成二四年三月一三日

紋三郎稲荷 / 司
崇徳院 / 扇遊

(仲入り)

一つ穴 / 喜多八
宿屋の仇討ち / 鯉昇


会場に入ると次回睦会の先行発売をやっていた。
東京音協主催の落語会場で先行予約ではなく座席を選んでその場で買えるのは珍しい。
通常 音協の場合、ネットで予約して銀行で振込んで券は数週間後に郵送と、まことに間怠っこしい。
券を受け取るまで座席位置も分からず、おまけに送料を500円も取られて業腹だ。
この場で確保出来るならと、当日に予定がないことを確認して下手エリアの通路左際の良席で券を購入した。

睦会、三師を揃って聴くのは久々だなと思い調べてみると昨年八月三十日以来だった。
三師とも今年に入ってから他の落語会や寄席で聴いているが、三人三様 この揃踏がしっくりくる。

「崇徳院」 を生高座で聴くのがこれが初めて。
この噺に出てくる崇徳院の歌、
“ 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ ” は
先日 大河ドラマ・平清盛で佐藤義清が帝の御歌として歌うシーンを観たばかりで耳に残っていた。
噺の方は若旦那と良家の娘の純愛と粗忽者たちのドタバタを絡めた落し噺、
ドラマのシーンとのギャップにも可笑し味を感じつつ楽しんだ。

一月下旬の落教委で見た喜多八は元気そうだったが、
人様のブログを拝見すると このところ体調が冴えない様子だとあった。
確かに下座から登場した師の顔色は優れず、頬の辺りの皺が深く見受けられた。大事無ければ良いのだが。
震災から一年と云うことで当時のことを振り返る。
多くの興行が余震と節電を理由に中止となる中、昨年三月十七日に睦会は催行された。
自分も券を持っていたが、まず仕事が多忙を極めていたことが一番の理由で行かなかった。
さすがに笑いに行く気にもならなかったのだが、時節柄中止になれば払い戻しがあるのにと思ったものだ。
三師は会を終えた後、打ち上げて飲もうにもどこもやっておらず、
漸く四谷で店を開けている不謹慎な居酒屋を見つけて転がり込んだのだそうだ。
会の方は空席が目立っていたとのこと、そのひとつが自分のであったという訳だ。
噺は 「一つ穴」 こちらも初めて聴く噺。 今回は初物が続いた。

鯉昇は先日独演会に行ったばかり、まくらの内容は出だしこそ似ていたが多少中身を変えて。
「宿屋の仇討ち」 を聴きながら始終三人の河岸の若い衆が睦会の三師とダブってきて可笑しかった。
喜多八曰く、扇遊兄が短く遣ったので残り二人が面倒なことになったと。
そのせいか、鯉昇の噺は運びはオーソドックなれど細かい表現や遣り取りが肉付けされ、
今まで聴いた中では最もボリューム感のある 「宿屋の仇討ち」 であった。

お開き後は TAXI で新橋へ。 千円以内で行ける位置関係なのだが、前回同様1,070円かかった。
虎ノ門手前で工事をやっていてボトルネック、一車線しか通さない ずうずうしい現場が原因であった。
美人マスターのところはバレンタイン以来。 ホワイトデー前日なのでお返しを持って行く。
先日も来たのだが開業以来初めて一週間休みを取っていてフラれてしまったのだが、
何かのトラブルではと気になっていたところ休暇を取って旅行に行っていたらしい。 杞憂で何よりである。
摘みは蕗の薹入りポテトサラダと牡蠣フライ。 蕗の薹の香りに春を感じる。 冬牡蠣もそろそろ終わりか。
旅行の土産だと怪しげな豆を貰った。 米粒大で形はコーヒー豆に似ているが色艶は松の実に似ている。
お酒の摘みに美味しくて止まらなくなりますよとのこと。 今度家飲みをする時に開けてみよう。
白ワインを一本空けた後、ジンジャーハイボールで〆て家路についた。
 
 
 
  1. 2012/03/14(水) 12:58:30|
  2. 演芸など
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道楽亭若手落語家まつり『 明日に向かって 』⑤ ~奮闘!前座の会~ 於 道楽亭 / 平成二四年三月一二日

悋気の独楽 / 辰じん
十徳 / いっぽん
棒鱈 / 朝呂久

(仲入り)

片棒 / 宮治

この会のことは先月から知っていたのだが、行くと月火水の三連荘になるので自重するつもりだった。
しかし当日になって、今 勢いのある前座さんが集まってのびのび遣る会を聴いておくと、
彼等が将来一廉の噺家に成った時に楽しく思い出されるかと想像したら俄然興味が湧いてしまったのだった。

会場は小さなバー。 初めての店、木戸銭は千円。
数えなかったが30席あったかどうか、店内には小さな椅子が詰めて置かれていた。
開演ギリギリに入ってみるとほぼ満席、最前列の真ん中が空いている。
そこが歯抜けだと遣る方も ちと寂しかろうとそこへ座る・・・高座近すぎ。 お辞儀したら頭がはたける距離だ。
見ると上手側の小さなフラワーバスケットに“祝二周年”とある。 まだ新しい店のようだ。

順番はじゃんけんで決めたと辰じんから。 おぉ、いきなりか。
この会の目当てが彼だったので、こちらが温まっていないうちに出て来られてしまった感じ。
開口一番はいつものことであろうが、若干緊張気味に見え唇も微かに震えている。
客との距離が近すぎて圧迫感を覚えているのか・・・場慣れはしていると思うのだが。
こうした小さな函での落語会・勉強会は結構あるのではと想像するのだがどうなのだろう。
個人的印象では、彼にしては若干だが出来に冴えがなかった。 次回に期待。

いっぽんは更に舞い上がり、まくらがとっ散らかっていた。 目の前で巨体が動き回る圧迫感たるや・・・
噺は元気にやった。 やはり順番はじゃんけんで決めずに いっぽんからの方が良かったように思う。

予定では二席で仲入りだったが続けて朝呂久が登場。いっぽんの噺で休憩に入るのに引け目があったようだ。
そうした気遣いも出来、経験を積んでいるだけあって落ち着いているし安定感もある。 いい感じだ。
この人はもう少し着物の着方をキレイにした方が良いといつも思う。 着くずした感がある。
宮治が終わってからの全員でトークの際に着替えて私服で出て来たが、洋服でもラフな感じだった。
あぁ、この感じが着物でも出てしまっているのだなと、一人合点。
やがて二ツ目、羽織を纏う時は もう少しキリリと着こなして欲しいものだ。

トリは宮治。独り芸協でアウェーだと。 どうも芸協は世評もあってか自虐的だ。
今月下席から二ツ目昇進とのこと。 朝呂久とは入門が十日違いと同期仲間らしい。
まくらの話ぶり、場の温め方から 「片棒」 を十分に遣り切るあたりまで、最早前座を抜け切っている。
この人は出世速度も早いのではと思わせる一席であった。

お開き後にはそのまま店で四人を囲んでの飲み会が開かれたが、そちらは遠慮した。
居残る人が少なそうだったので賑やかしに末席に加えて貰ってもとチラと思ったが、
駆け出しの落語聴きとしては何となく気後れして店を後にした。
場所は二丁目、すれ違いざまオネェ言葉が聞こえてくる界隈から花園神社を抜けてゴールデン街へ。

ポニーは自分と同年代くらいの女性客ふたり。
ビールは遣らずお銚子を貰って囲炉裏の鉄瓶で燗をつける。
やはり燗はきちんとつけた方が酒が柔らかくて美味い。 レンジでチンした酒はどうも角張っていけない。
お銚子と猪口と鉄瓶と。 明々と熾きている炭を見ながらつける燗はそれだけでご馳走である。
肴は人形町・鳥忠の玉子焼きと女将さんのおでん。 先客、女将さんといろいろ話して夜が更ける。
結局他に客は来ず揃ってお勘定を済ませた先客を見送り、〆にほうじ茶を貰って日付が変わった時分に店を出た。
自分を棚に上げて酔客で混んだ電車を嫌い、酔い覚ましに歌舞伎町を抜けて歩いて帰った。
家まで45分程で到着。 道すがらの冴えた夜気が心地好かった。



【付記】

今回は東日本大震災と長野県北部地震 から一年が過ぎて初めての落語会であった。
震災以降、落語へ一回行く毎に500円 “ 笑い賃 ” として貯金し、募金に充てることとした。(2011/05/18掲載)
カテゴリ “ 演芸など ” のカウント +1 が貯金回数だが、
+1 相当を振込手数料に充てたのでカウント数がそのまま貯金額となった。
貯金を始めた頃に考えていたのとは異なる寄付方法を取ったが、
この一年間で桃・柿育英会に参加して既に40回分相当額を寄付することが出来た。
現時点での残りは26回分。 十年継続の桃・柿には年20回落語に行けば寄付額を確保出来る。
それ以上に貯まった分はまた別の寄付先を考えるつもり。 寄付先は震災孤児・遺児支援先に限定して考えている。
今回の震災で両親を亡くした孤児の中で最年少は被災当時4歳だったそうだ。
自分が笑って貯めたお金が子供たちの笑顔の一助とならんことを願って。

我 狂えよ寄席に、 君 咲けよ笑顔。 大人になるまで共に歩こう。
 
 
 
  1. 2012/03/13(火) 17:05:53|
  2. 演芸など
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広くて深い、マテリアルとタイイングの森・・・

先月からポツリポツリと道具や材料を揃え、教本を手元にこの日に備えた。

3月11日、あれから一年と合言葉のように口を揃えるTVを消し、
上野鈴本に寄り道して一之輔の真打昇進披露興行の前売券を買ってから松戸の釣友 Uk 宅へ。
この日、初めて毛鉤を巻くのである。

Uk 宅に上がり込みダイニングテーブルで向かい合う。
普段彼は専用の机でタイイングをしているようだが、二人で巻く為にダイニングが教室となった。
この日 夫人は外出中、食卓に鳥の羽や獣の毛が無造作に並んだのを見たら怒られたかも知れない。

今回は巻き方の違いを覚えるために、
ソラックスダン、フローティングニンフ、クリップルダンの三種類を教わる。
とても不細工だが、自作の喜びを初めて味わう。 特に一つ目が出来上がった時の感慨は一入。
この初めての味は今しかないものだから。
やがてどこまで知識と技術が身につくのか今は分からないけれど、
この最初のひとつは one & only なのである。


0302-01


13時から18時まで、小休止以外は殆ど休まずに巻き続けたのだが、
なにぶん、人生初のタイイングに時間はあっと言う間に過ぎてしまった。

習いながら様々なマテリアルと彼の巻いた大量の毛鉤を見せてもらいつつ、
殆ど頭に入らないたくさんの説明を聞きながら途方にくれつつも気分は高揚していた。
Uk は三年前にフライフィッシングを始めた。
自分は餌釣りを素人域から何とか抜け出ようとしていた時期であったから、
ベテランフライフィッシャー“将軍”を紹介した最初の釣行だけ付き合って後、フライでは後れを取った。
彼はこの二年で随分勉強したようだ。
もともと子供の頃から釣りの経験はあったようだし、凝り性でバスフィッシングも相当の経験者である。
そうしたバックボーンもあって、すっかりフライフィッシャーなのである。

三種、四つを巻いたところで早くもタイムアップ。
最後に Uk がピーコックミッジのデモンストレーションをしてくれて教室終了。
カディスは自分で巻いてみてと宿題が出た。


0302-02


タイイングの森に一歩踏み入れたと云うより、入り口の位置を教えた貰った位のレッスンではあった。
道具の使い方をざっと教わった程度であったが、ここからは暫く独学で知識を得なくては。
まずは疑問・質問すら浮かばない領域から分からないことを知るところまで辿り着かなくては。
今居る所は森の外れ、数本の木が見えているだけ。 森の存在を目で確かめただけなのである。

これからは小机にバイスを常設して隙があれば一つでも巻くようにしよう。
今シーズン初釣行は未定なれど、澗声を耳の奥に思いおこしながら。
 
 
  1. 2012/03/12(月) 14:11:45|
  2. 道具のたぐい
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ドラゴン・タトゥーの女 -The Girl with the Dragon Tattoo- 於 新宿ピカデリー スクリーン5

「ミレニアム」 三部作の第一部に当たる。
オリジナル・スウェーデン版は未だ観ていない。近々、兄から借りられると思う。
今回のハリウッド版 (フィンチャー版と云うべきか) との比較が楽しみだ。

大人の宜しくない習慣として自分の経験からものごとを捉えるのがある。
この映画を観ていて思い出したのが 「ツイン・ピークス」 であり 「クリムゾン・リバー」 であった。
そしてストーリーが進むにつれて本作と同じフィンチャー監督による 「セブン」・・・。
まったく斬新だと驚かせるには世の中はヴァリエーションに溢れかえっている。
ただ、本作を物語の一部として捉えるのであれば気持ちの落としどころも変わってくる。
ハリウッドでも二部三部が作られるの・・・だよな?


GwDT
(C)2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.


作中の新しさを挙げるとしたら主人公のひとり リスベット、 ドラゴン・タトゥーの少女の存在。
原題にあるように本作の彼女は女と云うより少女の趣である。 設定は23歳、刺青女子。
服は黒ずくめ、人間味に欠ける立ち居振る舞い、極力 人との接触を避ける。
ハイテクなガジェットとハッキングを武器とする調査の天才。
言葉にしてしまうといかにも現代の若者像だが、その過去や心の闇の部分も含めて新しいタイプの主人公。
物語が進むにつれて様々な側面が垣間見えて来るが、
そこの描き方がサラッとしていて観る側の捉え方次第でキャラが定まるような演出が謎めいていて巧い。

158分と長丁場の割にダレる感じはない。
企業犯罪、反民主主義、女性蔑視、移民問題、人種差別などキーワードは盛り沢山にも拘らず、
中身を詰め込み過ぎていないからだろう。
登場人物が多い割に個人個人の説明も極めて少ない。 人物描写、舞台背景などの説明が総じて淡白なのだ。
なんだか長い名前の北欧人がいっぱい出て来て、その相関を把握するのはなかなか難しい。
そして横溝作品の金田一耕介のようなコッテリとした謎解きはやらない。
それでも36年前の失踪事件を様々な観点からリサーチして真実に向けて迫って行く様を、
スピード感を持って描く演出方法はかなり見応えがある。
その点を原作、或いはスウェーデン版がどう描いているのかも気になるが、
そうやって比較対照されてしまうのは (観る側の問題でもあるのだが) リメイクものの宿命かも知れない。
それでも自分にとっては 「ミレニアム」 のファーストコンタクトが本作になった訳で、
これからこれを基準点にすべてを判断・評価していくことのなると思う。

前評判で聞かれたエログロな印象は薄く、むしろとてもスタイリッシュだなと思った。
過激なシーンも無くはないが取って付けではなく人物像を描く上で必然性はあったと思う。
むしろ馬鹿デカくて雑なモザイクの入ったセックスシーンなどは興醒めであった。
見慣れている日本のエロ動画(笑) の方がよほど上手に処理している。観ていて30年前かよ・・・と云った感じ。

幾つかのレビューをネットで拝見したところ、
カップルでの鑑賞はお勧めしないとの意見があったがそれほどのことはないと思う。
まぁそのあたりの判断には個人差があるものだが、そもそもこれは大人の観る映画だ、
これしきのことで観終わって気まずくなるカップルなら、まだ可愛いお年頃と云うことだろう。
むしろ作中に移ろうリスベットの心模様を話題に飲む映画後のお酒は、結構楽しいのではないかと思うのだが。




それにしてもリスベット役のルーニー・マーラ・・・









RM
普段はこんなにカワイイのね

 
 
 
  1. 2012/03/08(木) 12:40:32|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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山村逍遥 -信濃路弥生 '12-

携帯メールの着信音で目が覚める。 送信者を確認して時刻を見ると 9時・・・ 9時 ?!
ガバと跳ね起き目が冴えた。 三時間の寝坊である・・・ これは参ったな。

信州上田に新築なった後輩宅へ到着したのは1220時。
11時台には着こうと目論んでいたので一時間の遅れ、それでも寄り道をキャンセルしての急行だった。

今回 3月4~5日に企んだ信州ツーリングのひとつ目の目的は後輩宅の竣工写真撮影であった。
当初はお宅拝見のみの気楽な訪問のつもりが、写真を頼めないかと事前にメールが届いたのが一週間ほど前。
建物は彼自身による設計、竣工に辿り着くまでの長い経過を知っているだけに我が事のように嬉しく、
何かしらの形で気持ちを表せたらと思っていたので二つ返事で引き受けたのだった。
そうなるとデジタル一眼を使いたい。EOS 60D とEF-S10-22mm F3.5-4.5 USM を兄から拝借、撮影に臨んだ。
地元工務店、職人さんの腕も上々、とてもきれいな仕上がりの住宅だった。
設計変更で大幅に建坪を縮小したもののそこは田舎のこと、都会の住宅から比べれば十分に伸びやかだ。
一階には彼の事務所も設けられ、今後の楽しく充実したライフスタイルが予見出来る撮影となった。

撮影を終えて暫し建築談義、暇を告げたのは1530時をまわった頃。
今夜の逗留先は信州新町の友人・イソG宅(2011/10/14 掲載)、
19時頃に着けば良かろうと寝坊で寄り道をパスした軽井沢へUターン。目指すはプリンスショッピングプラザ

先日の雪掻きで L.L.Bean のストームチェイサーが滑って難儀したのでブーツを買いに Timberland へ。
タイミング良く目をつけていた 6in ウォータープルーフ プレーントゥブーツ (74133) を △55%でゲット。
パット入りカラーのアッパーはフルグレインウォータープルーフレザー、タンクパターンソールで荒天も安心。
デザインも普段履きからアウトドアまでOK牧場。 他には Eddie Bauer で衣類小物を購入し軽井沢を後にした。


0304


予定通りイソG宅には19時に到着、約五ヶ月ぶりの再訪である。
早速上がり込んで、葡萄栽培から彼自作のオリジナルワインをペンネとチーズで遣りながら夜更けまで語らう。
前回譲ってもらう約束だった渓流釣り用の竹魚篭も商談成立で手に入れ、目的も着々と果たして行く・・・。

そして一夜明けると山間の集落は一変の雪景色。 雨は夜更け過ぎに雪へと変わっていたのであった。
日の出時刻になっても雲は厚く雪は降り続いていたが、LX-5 片手に雨具を羽織って集落を散歩。
一面に白く煙る世界を独り逍遥、暫しの静寂を満喫した。


0305


傾斜のきつい草地に止めてあった車を出すのに若干難儀した後、イソGと大町へ出掛ける。
革職人アキラさん(2011/06/24 掲載)とは 最早釣友の仲(2011/09/21 掲載)と、自分では思っている。
久々に彼の自宅兼工房を訪ね、最近大町にセカンドハウスを手に入れたK氏のところへ。
駅からも程近い木造2階建の古い住宅は、のんびり改装しながらの週末拠点に絶賛変身中。
K氏はアンティーク玩具からクラシックスポーツカーまで幅広いコレクションを持つセレブな蒐集家。
Hardy & Greys の100年前のフライコレクションなどが部屋の隅のガラスケースに何気に収まっていると云った具合。
イソGみたいな変わり者を友人に持つと、その友達の輪には変わり者のオッサンがわんさか居るのであった。

コツコツとD.I.Y で仕上げられて行くであろうK氏のセカンドハウスの展望を拝聴後、再びアキラさんの工房へ。
フルコレクション陳列成った小さなギャラリー兼ショップで格好良いフロントネットのトートバッグに指を銜え、
工房にて大町周辺の最近のアート&アウトドア事情など聞きつつコーヒータイムを過ごす。
フライ釣友Uの土産に蜻蛉のキーホルダーをひとつ求めて(トートバッグはいずれのお楽しみに我慢)、
アキラさんとはここでお別れ、次回は釣行での再訪を約束して辞去した。

最後に向かったのは大町の町外れ美麻の蕎麦屋。
イソGの住む信州新町はジンギスカンが有名でそちらの美味しい店も候補に挙がったが、
ちょっとヘヴィだったので蕎麦をセレクト。美麻にある “ 麻の館 ” で天ざるそばを手繰る。
衣薄めの野菜天は薄切り、蕎麦も細く田舎の蕎麦屋にしては御前風。 好みに合う美味い蕎麦であった。

駆け足ながら なかなか充実したツアーも大詰。 イソGを送り、次回は大町での釣りを約束して帰途へ。
往路は首都圏で唯一の事故渋滞をピンポイントで喰らって難儀した高速も復路は順調、予定通り1730時に帰宅。
各方面への土産を買う時間がなかったのが心残りとなったが、何とか主要な目的は果たせたツアーであった。


今回のツーリング <期間:2日>

  走行距離:616㎞     走行時間:9時間34分
  平均時速:64.39㎞/h  平均燃費:12.5㎞/L



  1. 2012/03/06(火) 14:42:24|
  2. 旅や野遊び
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『 行徳名人会 』 小三治 独演会 於 行徳文化ホール I&I / 平成二四年三月三日

のめる / 三之助
厩火事 / 小三治

(仲入り)

猫の皿 / 小三治


昼間の落語会、久々に行徳まで行って来た。 地理的には遠いのだが地下鉄で一本、億劫ではない。
去年の三月四日の談春以来だから丁度一年ぶりだ。
確か線路沿いに立喰いそばがあったと思い、改札を出て記憶を辿ると行き着いた。
店は経営が変わったのか単なる改装なのか記憶と違い小奇麗に。
スツールタイプの座席店になっていたが、個人的には以前の寂れた感じの立喰いの方が趣味であった。
ガード下に新規の蕎麦屋が出来ていたので、そちらへ対抗するための宗旨替えかも知れない。
しかし似たような店づくりで迎え撃つよりは、以前の方が個性的で良かったように思うのだが。

会場へ着いて指定の二階席へ。 この会場の二階席は初めて。
上がって見ると一階席と二階席の一体感が希薄で、まるで天井桟敷のように舞台が遠く疎外感がある。
しかも座ってみると高座を見下ろす視線の先に二階席先端の手摺がストライクで入るではないか。
そう云えば以前誰かの落語会の際、仲入り後に二階席へ向かって
“ 観づらい方は二階の範囲で空いている席へ移動して頂いて構わない ” 旨、噺家が気遣ったことがあった。
それだけこの会場の二階席は落語会には不向きなつくりと云えるのではないか・・・根本的な相性の話。
実際に三之助が高座に上がると、手摺天端の丸鋼が上半身を真っ二つに横切っている。
さすがにこれは如何なものか・・・今後はこの会場で二階席しか空いてない時は止めようと早々に決心した。

小三治一席目、まくらはデジカメのメモリーカードの話から。
デジカメを使うようになって PC やら iPad やらと尾ひれはひれがついてきて煩わしい。
三之助は噺家になる前は IT 関係の仕事にも携わっていた為、PC 関係にとても強いと意外な事実も。
そんな三之助の人間関係の話から人の縁へと話題を回して 「厩火事」 へ。
今で云う天然とはまた趣の違う髪結い女房の惚けた物言いが可愛らしかった。
女房は亭主を立て、亭主は女房を思いやる、
そう云う古き好き慣習を柔らかいがハッキリとした表現で描き出す十代目の語り口が心地好かった。

仲入り後、話はニュージーランドへ行った時の昔話に。
昼日中からTV放送が休止して、
流す番組がないから外へ出て過ごしましょうと画面に啓蒙めいた字幕が映し出されたという。
のべつ幕なし番組を垂れ流している日本のTVとの違いを、
いや国そのものの成熟度合いの違いを見せ付けられた思いがしたと云う。

日本のTVはどうにも頂けないと云う結論だが、
そんな日本のTVでも骨董品を鑑定する例の番組は面白いと。
特に持ち込んだ当人の評価より鑑定額が低いと尚更面白いと、悪戯っぽく笑う十代目がお茶目だ。
程よい胡散臭さも含めて、あの番組は面白いらしい。 司会や目利きの胡散臭さあってこそだと。
“ 特にあの骨董商の男は胡散臭い。・・・実は対談したことあるんですけどね。 ” で会場爆笑。
そんな目利きの話から 「猫の皿」 へ。
以前 右太楼で聴いた事があったが、二ツ目と十代目では比ぶべくもない。
語弊があるかも知れないがこれもある意味、小三治ワールドの胡散臭さだったりするのかも知れないなと、
小三治 信者に聞かれたらド突かれそうなことを思いながら、更にド突かれている自分を想像しながら、
何故か穏やかな笑いを漏らしてしまうのであった。
これが小三治を聴く幸せかも知れない。 オレも信者なのか・・・?

サゲて拍手喝采。 1階席をぐるりとお辞儀で見回した後、二階席を見上げる。
両手をサッと広げてお辞儀。 さながらオペラ歌手の様だ。 座ってるけど。

次回の小三治は四月の立川。 大ホールだが、席は今回よりは多少マシである。 ・・・多少ね。


  1. 2012/03/04(日) 09:22:26|
  2. 演芸など
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『 第34回特選落語会~真打決定!一之輔・菊六 たっぷり二人会 』 於 日本橋社会教育会館8階ホール / 平成二四年三月二日

芝居の喧嘩 / 朝呂久
長屋の花見 / 一之輔
稽古や / 菊六

(仲入り)

粗忽長屋 / 菊六
不動坊火焔 / 一之輔

今回は茅場町から歩かず日比谷線へ乗り換え人形町まで地下鉄を使った。
手拭いの “ちどり屋” へ遣い物を探しに行ったのでその方が便利であった。
“ちどり屋” から会場までは指呼の間である。
その会場入りまで気になっていたのが、そもそも今回の予約を取っていたかについて。
結局はきちんと席はあったのだが、今回は会場清算だったため手元にチケットがなかった上に、
予約メールの遣り取りも残っておらず・・・考えられるのは電話で予約したか? しかし記憶がない。
発売が随分前だったので失念し、手帳やら何やら予定の書き込みを信じて来場したのであった。

開口一番は四日前に聴いた朝呂久。 まくらで噺家を住まいのある町名で呼ぶ話題は先日と同じ。
一之輔なら “ 小石川 ”、菊六なら “ 自由が丘 ” となると付け加わった。
それ以外はまくらも根多の運びもほぼ同じであった。
前回の記事では多少辛目の感想を書いたが、
もともと辰じんに次いで好きな前座さんなので高座を聴かれるのは嬉しい限りだ。
とは云えつい先日と殆ど同じ内容だったのに落胆したのは正直なところ。
興行としてはまったく別物だが会場も四日前と同じ、少し趣向を変えて聴かせて貰いたかった。

一之輔の真打大抜擢が喧しく言われている。
季節をひとつ遅れて菊六も朝太と共に昇進するが、
小三治会長によって春に単独で昇進する一之輔のスポットは輝度が違う。
ここで二人の芸暦を見てみる。

春風亭一之輔
1978(昭和53)年01月28日生まれ
2001(平成13)年03月 日本大学芸術学部卒業
2001(平成13)年05月 春風亭一朝に入門
2001(平成13)年07月 前座となる 前座名「朝左久」
2004(平成16)年11月 二ツ目昇進 「一之輔」と改名

古今亭菊六
1979(昭和54)年02月23日生まれ
2001(平成13)年 学習院大学文学部卒業
2002(平成14)年11月 古今亭圓菊に入門
2003(平成15)年01月 前座となる 前座名「菊六」
2006(平成18)年05月 二ツ目昇進

歳は一之輔がひとつ上、入門も一年半早い。
二ツ目に上がるのには入門から三年半と二人とも同じだけ芸暦を積んでいる。
NHK新人演芸大賞で比べると菊六が先(H21)にとって翌年(H22)に一之輔がとる。
そして真打昇進までの年月で云えば一之輔が約11年、菊六が約10年となる。
大抜擢と云う点では双方引けを取らぬところ、先に単独昇進する一之輔の話題が多い中、
その実、菊六の昇進速度はそれを上回っていることになる。

噺家は真打になってからが本番であろうから、早い遅いよりそれからが肝心な訳で、
書いておいてなんだが、ここまでの比較はこれから先のそれに比べれば序の口であろう。
これからこの二人がどうなって行くのか、お楽しみの本番はこれからなのだ。

個人的には菊六が好きである。 噺家は 上手い下手より 好き嫌い。として。
それ以前に二人に優劣がつけられるほどの耳は持っていない訳で・・・。
いずれにしても印象として、不敵な一之輔と飄飄乎な菊六は対照的であり、
対で見続けるには面白い存在であることは確かであろう。

今回は ふたり二席ずつ、菊六の 「稽古や」 が印象的であったと主観的に記しておこう。

お開きで新橋へ。美人マスターかダイバー窟か迷った挙句、いろいろありつつダイバー窟へ。
相変わらずの混雑の中 カウンターに寄り付き、牛タンシチューに浅蜊バター蒸しで大瓶一本。
例によってどこぞのダイビンググループが二つほど盛大に飲み会をやっており大盛況。
中二階の一行に知り合いが居たようだがそれも気づかず手短に遣っ付けると、
遅くにやって来たサラリーマン二人連れと席を入れ替わりで家路に着いた。
牛タンも浅蜊もなかなか美味かった。 大瓶飲んで二千円はお値打ちであった。
あれでビールが一番搾りじゃなくてラガーだったら云うことなし、なのだがなぁ。
 
 
  1. 2012/03/03(土) 11:04:13|
  2. 演芸など
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 良速

Author: 良速
  
 
- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

.......................

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