七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

鈴本余一会 『第六回 古今亭菊之丞独演会』  於 鈴本演芸場 / 平成二四年五月三一日

真田小僧 / 半輔
鮑のし / 馬治
たちきり / 菊之丞

(仲入り)

ジャグリング / ストレート松浦
茶の湯 / 菊之丞


前売りの段階で席前が通路で広くなっている場所を選んだのだが、
入ってみるとその通路に折畳み椅子がズラリと並んでいた。 やられた。
満員御礼、詰め込んだ臨時席で足元は通常の席よりかえって狭いくらいだ。
これは次回からの席選びに憶えておかねば。
(あまりに狭いので仲入りで前席の御一行に声をかけて椅子を少し動かして貰った)

菊之丞独演は独特な雰囲気がある。 良く言えば賑やか、言い方を変えれば落ち着きがない。
団体さんが入っているようなザワついた感じ。 携帯が何度も鳴った会場は久々である。
菓子や弁当の袋もガサつく・・・まぁこれは定席の函らしいと云えなくもないが。

菊之丞は毎年外洋航路の客船での高座を持っている。
この日の余一会が終わると夜中の便で羽田を発ちあちこち経由してタヒチへ向かうとのこと。
高座には珍しく湯飲みが置いてある。 喉の調子が良くないのだろうか。
そうだとすると乾燥する空路の長旅が待っているのは少々気の毒だなと勝手に勘繰る。

いつからか菊之丞の落語が自分の中に入って来づらくなってしまった。
師が熱演すればするほど一歩さがってしまうと云えばいいか、ちょっと醒めた自分がいる。
そのことで聴く回数を減らしても、鈴本で余一会のある五月と十月の末日だけは通おうと決めている。
特段根拠はないのだが、師を観る聴くにつれ師がもっと歳を取って行くといい感じになるのではと云う予感がある。
五年ではどうか分からないが十年後十五年後に興味がある。
だからと云ってそれまで疎遠にしておこうとも思えず、その歳になるまでの過程も見続けて行きたい。
若手から中堅・ベテランとなって行く過程を目撃して行きたいと思うのである。

今回の 「たちきり」 についても、少し芝居が過剰に思えた。
噺に入り込み過ぎているように思うのだ。 菊之丞ひとりで空間が出来上がってしまっている。
師の体のまわりで世界が完結してしまっており、客席にその風が下りて来ないとでも云おうか。

これからも余一会には通うつもりだし、良い番組に師が入っていれば聴く機会もあるだろう。
聴く頻度は減ると思うが、長い目で見て菊之丞の老成の過程を目撃して行きたいと思う。

九時を十五分ほど回って追い出し。 指呼の間なので湯島の女将の処へ行ったが敢え無く門前払い。
混み合う中、知り合いの顔があっただけに残念であった。
その後の展開をあまり考えずに湯島駅に入ってしまったので選択肢が激減。
これも流れだろうと、寄り道せずに帰路についた。 このところ酒手が嵩んでいたのでこれも由か。


さて、月がかわって六月。落語通いは四年目に入る。
この三年間で足を運んだ落語会と寄席は合わせて173回、聴いた高座は 660席となった。
まだまだ未聴の噺は山ほどあり、聴いた噺家はほんのひとにぎりだ。
六月・七月と要予約な落語会をそこそこ入れてしまったが、
その後は大きめの会は控えて、小さな会場の会や定席寄席を中心にして行こうかと思っている。
落語通いが自分の中で日常化して、いつからか頻度が週イチを上回る月が続いている。
漸く最近になってネット予約のチケット争奪戦にすっかり踊らされていることに気づいた次第。
夏以降は少しペースを落として、ゆったりと楽しみたいところだが・・・その実はどうなりますことやら。
 
 
  1. 2012/06/01(金) 23:59:00|
  2. 演芸など
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