七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 人形町 噺し問屋 その32 』  兼好独演会  於 日本橋社会教育会館8階ホール / 平成二四年七月二四日

鈴ヶ森 / 辰じん
お菊の皿 / 兼好

(仲入り)

三味線漫談・ “ 両国 ” / 紫文
船徳 / 兼好


通い慣れた茅場町駅なのに地下鉄で乗る車両を間違えてしまい、いつもと違う出口へ。
取り敢えず地上に出て首都高が見える方へ歩いて行くと日本橋へ戻ってしまった。
見えていた首都高は向島線ではなく都心環状線であった。 たまに方向音痴になる。
来た道を戻って見覚えのある茅場町一丁目交差点へ出た時には開演まで10分を切っていた。

恒例のごあいさつにギリギリ間に合う。 兼好も白酒に劣らずニコニコしながら結構な毒を吐く。
天下った前・東電会長とセーラー服姿で痴態を晒して免職になった警官のどちらが本当のワルかと。
なかなかブラックで面白い論理展開であったが、師も “ 拡散希望 ” ではなかろう。

兼好が下がって前座は辰じん。 後に兼好が説明したが、前座のうちは師匠に教わったとおり浚うものだと。
前座時代に工夫がないとお客に指摘されてもそこがガマンのしどころ。 楽屋でそんな話になったそうだ。
二ツ目を目前に辰じんの胸中、頭の中にはどんな思いが膨らんでいるのだろう。 本当に楽しみである。

「お菊の皿」 の冒頭で番町皿屋敷をひと通り語って見せて、それがご隠居の口だったと噺の導入部にしてみせた。
なかなか巧い運び。 過去に四人で聴いているが、この演り方は初めてだ。
お菊さんもいい女っぷりで、差し入れの酒で酔ったあたりがなかなか可愛らしかった。
今まで喬太郎の記憶が鮮明な噺であったが、この一席で兼好が取って代わった。 

くいつきは紫文。 初めてこの会に足を運んだのは“その28”であったが、その時現れなかったゲストがこの人だ。
今回改めての登場に会場が沸く。 あの場にいなかったらこの盛り上がりに参加出来なかった訳か。
兼好のごあいさつを受けて、ソープでバイトする女子大生は非難され、ソープ嬢が勉強して大学に入れば褒められる・・・
世の中は見方次第だと これまた面白いことをぶってから定番の長谷川平蔵。 芸も十年やれば本物だ。
あのギター侍はめげずにやっているのだろうか。 継続は力なりだと紫文の三味が唄っている。 (一緒にするな?)

この夏は 「 船徳 」 が多い。 既に四度目。 色々な噺家で聴き比べるのは楽しい。
小三治は本寸法で絵が見えるかのよう。 さん喬はその時の番組の流れもあって今ひとつの印象だった。
白酒の徳さんは舫いを解けと言われての “ え、ボク? ” が傑作であったが、
兼好のそれは “ 女将さんやって、手汚れるのいやだから。 ” である。 よく思いつくものだ。

小網町に気になる焼き鳥屋があるのだが、今宵は財布に稲造先生お一人であった。
焼き鳥だから足りるだろうが、一見の店だけに心許なく、またの機会にして地元まで戻った。
近所にある定食も出すようなラーメン屋に入ると、大勢さんがいて いつも閑古鳥な店内が珍しく混んでいた。
サッポロラガーと目に留まった あおさ入りだし巻き玉子を頼むと、混んでて時間がかかるからと味付け玉子の差し入れ。
だし巻き玉子を頼んだ客に味付け玉子で繋げと云うセンスに脱帽 ・・・おじさん、兼好よりオモシロイ。
その上、出て来た だし巻きのデカいことと云ったら・・・思わぬ玉子攻めにあってラーメンには辿り着けず。
まぁ、850円で済んだからいいか。  ・・・いいのか?
 
 
  1. 2012/07/25(水) 12:05:19|
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白酒・兼好 二人会 於 三鷹市芸術文化センター 星のホール / 平成二四年七月二二日

子褒め / 一力
馬の田楽 / 白酒
お化け長屋 / 兼好

(仲入り)

風呂敷 / 兼好
笠碁 / 白酒


それ程の空腹でもなかったがネットで美味しそうなラーメン屋を見つけたので寄ってみた。
小さな店で数人並んでいたが、ラーメンなので回転は良いだろうと末尾についた。
地下テナントで往来に行列が晒されていなかったので並ぶ気になった。おもてで並ぶなんて恥ずかしい。
出て来たラーメンは・・・まぁ普通で、絶賛するほどではなかった。

並んだ分、ラーメン以外に時間も食ってしまったので駅へ戻ってバスで会場へ。
歩いても15分くらいの距離だがギリギリになってしまった。

で、ラーメンのせいで睡魔がジワジワと寄せて来た。
落ちる程ではないが脳みそが3割がた動いていない感じ。

「 馬の田楽 」 も 「 風呂敷 」 も初聴きであったが、不活性な頭で少々残念である。
このところ睡魔と闘う割合が高くなって来ている。 やはり疲れが溜まっているのだろうか。
まぁ、周りに迷惑にならない程度なら舟を漕いでもいいかな。 勿体無いことだが。

白酒のまくらは先日と同じく談春のTV番組の件。(ソロモン流だったか?)
観ていないので面白さも半分くらい。 最近は聴きはじめた頃に比べて落語関係のTVを観なくなった。
せいぜい “ 日本の話芸 ” と “ 落語研究会 ”。 
しかも “ 落語研究会 ” をついつい見落としてしまう。 先日のも忘れた。
しかし先ほど忘れない良い方法が見つかったので今後は大丈夫だろう。

白酒・兼好の組み合わせは以前より待ち望んでいただけに期待も大きかったが、
昼間の会のせいか今ひとつ密度が薄かったように感じた。
三鷹のような猥雑とは無縁な町に毒気を抜かれてしまったようにも思えた。
柳澤孝彦設計の会場も洗練されてて余所行きな空気がぷんぷんしていたし。
九月にまた二人会があるが、それは夜の興行なのでもう少しダークな感じを期待しよう。
場所も末広亭に程近い新宿だし、包まれる空気からして面白くなりそうな予感がする。

はねてから高円寺で友人と飲み会、前夜に続いて二日連続。
前夜は十人で島料理を肴に焼酎を4本空けた。 二日目は三人でこぢんまりとビールとホッピーで餃子をつついた。
遠来の友人と再会して映画の話でたっぷり鼎談。
自分はそれ程映画に詳しい訳ではないので、乏しい知識で話について行くのに必死だがそれが楽しい。

落語とか映画とか、なんかすっかりインドアおじさんである。
野に出たいのは山々だが、今は我慢、ガマン。
 
 
  1. 2012/07/23(月) 17:37:59|
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『 第二十八回 白酒ひとり 』 白酒独演会 於 国立演芸場 / 平成二四年七月一八日

元犬 / おじさん
欠伸指南 / 白酒
水屋の富 / 白酒

(仲入り)

寝床 / 白酒


仕事の区切りも良かったので早めに切り上げ、自宅にてシャワーで汗を流し さっぱりしてから出る。
職住接近は単調で街を知らない退屈もあるが、こう云う利便もある。
それにしても早く出過ぎた。 前日、開口一番に間に合わなかった反動で時間を読み違えた。
余裕があるので小諸そばにてイカ天そばを頼んでゆっくり食べたが、これが曲者だった。
衣は分離し食感はカツのそれのようで、そばの茹で方も下手であった。 小諸では珍しいことだ。

二日続けて国立演芸場。 早く着いたので初めて1階にある演芸資料室なる部屋を冷やかしてから会場へ。
上手側前寄り、並びの中ほど。 前日が良席だったので今回の席は見劣り。
しかも開演直前に高座を遮る位置へモジャモジャ頭の大柄な男性が着席。高座の おじさんがすっかり隠れてしまった。
席がもう一つ左なら何ら支障はないのだが、ズバリ見事にモジャ氏の蓬髪しか見えない位置取りになってしまった。
幸い右ふたつがまだ空いている。 取り敢えずそちらに寄り掛かるように首を傾げてみる。 かなり辛い体勢。
試行錯誤の末、白酒がまくらから 「 欠伸指南 」 に入るタイミングでふたつ右の空席へずれた。

十一日に聴いた 「 欠伸指南 」 は やはり割愛だったようで、
奥伝の茶の湯と夏の欠伸の間に芝居の欠伸、湯屋の欠伸などが入り盛りだくさん。
前回なかった煙管の煙草の件もきちんとあった。 いぜん圓太郎が演った時に煙草の銘柄を言ったのを聞き逃した。
今回白酒が言った音から調べたら茨城の “ 水府(すいふ) ” なる煙草があることが分かった。
語感からして圓太郎が言ったのもそれだろう。 他にも鹿児島の “ 国府 ” 栃木の “ だるま ” などがあるらしい。

一席目が終わって白酒が退けて戻って来るまでに空席のお客が来た。 不当占拠から元の席へ戻る。
今宵は満員御礼、掛け合って空席へ移るわけにもいかずモジャ山の麓へ。 両側窮屈で首を傾げるにも遠慮がち。

恒例の “ 桃月アンサー ” では、この会への思いについて少し話す。 心意気は買うよ。これからも通うよ。
つづけて二席目 「 水屋の富 」。 結構気の毒な噺だ。 金持ちは気苦労が絶えないと云うことか。
貧乏の気楽さと金持ちへのやっかみが綯い交ぜになった、なかなかペーソスのある噺だった。
今回が初聴きであったが、もっと老成した噺家で聴くとまた違った味がありそうだ。 その機会を待ちたい。

トリは 「 寝床 」。あまり好きな噺ではないが、白酒のグルーヴで演られるとテイストが全然違っていて面白い。
本寸法かと云えばちょっと違うが、個人的にはこの噺を面白く聴かれるのは今のところ白酒だけである。
因みに。聴き疲れたか、三席目にもなるとモジャ氏の姿勢も大分崩れて視界が開けてそこそこ観やすくなっていた。

追い出しで外へ出てみると雷鳴轟き、外気は今まさに降り始めた雨の匂いに満たされていた。
出掛けに思い出して傘を持参して良かった。 山口瞳先生、僕は濡れずに帰ります。

小諸のイカ天の覇権は依然衰えず、どこかで飲んで帰ろうと云う気には到底なれない腹具合。
肴を荒らさず飲むのが江戸の粋と云うが、暖簾を潜ってあまり何も頼まずに飲むのも気が退ける。
それでも多少は飲みたいので、昨晩同様コンビニでビールと厚焼き玉子を買って帰宅。
飲みながら留守録した小栗旬君のドラマを2話続けて観る。連ドラなんて久々、結構面白かったし暫く続けて観ようか。

・・・あ、連ドラ。 「 梅ちゃん先生 」 は毎日録画してまで欠かさず観てるわ。笑
 
 

  1. 2012/07/19(木) 12:30:46|
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『 落語睦会 ~向日葵のゼントルマン 』 扇遊・鯉昇・喜多八 三人会 於 国立演芸場 / 平成二四年七月一七日

質屋庫 / 鯉昇

(仲入り)

試し酒 / 扇遊
青菜 / 喜多八


前回書いたとおりの連休を過ごしたが、結局 映画へ行く元気はなかった。
人込みへは出なかったものの、翌日の準備が夕方に済んだ海の日は 銭湯へ行って汗と疲れを流した。
湯上がりに冷奴で飲みたいなと思いつつ家に戻ると 晩酌は冷奴と鰻の蒲焼であった。 快哉。

連休明け、色々あって忙しい。 途中の待合せが30分押してその後の予定がキレイに30分ずれた。
開演10分過ぎに到着、前座が終わるまで外で待つ。 たまに見かける美人母娘の娘さんの方を発見。
落語会には見覚えのある人が数名いる。 没個性な自分は誰の目にも留まっていないと思うがどうだろう。

根拠のない予感と希望も含めて、鯉昇・扇遊・喜多八の順が良いなと思っていたところ、実際そうなった。
「 質屋庫 」、「 質屋蔵 」 とも書かれるが最初の出会いが “ 庫 ” だったのでそれで通そう。
ある御通家がブログで絶賛されていた昨年九月、鯉昇の一席が甦る。その目の付け所を思い出しながら筋を追う。
しかし落語と噺家と客は一期一会だろう。 結局 今を楽しめば良いのだと思いを移ろわせながらサゲまで。
途中、化け物の件でハメモノが入ったが以前もあった趣向だったか。 記憶、曖昧。

扇遊の演じ分けがどうもはっきりしない。
丁寧だし分かり易いし、特に嫌ではないのだが。どうも面白くない。
ただ五升の酒をあげる件は如何にも美味そうで、今宵は冷酒かなと思いつつ。

鯉昇の終盤から疲れを覚える。 瞼が引きつるような感じ。 仲入り頃にはかなりダルい。
それが喜多八の登場で掻き消えたかのようだったが、それも気のせいであった。
「 鰻の幇間 」 と思ったが、この会では既にかけているので止めたと。
師の 「 鰻の幇間 」 は好きな演目だが、昨日の今日で鰻な気分になるのは困る・・・?
で、この夏初めての 「 青菜 」 が喜多八となった。 ベテランで聴くのは初めてだ。
良い機会になったと入り込んだが再び疲れで体が重くなり出し、中ほどから集中力は七割五分。
それでも植木屋が家へ戻ってからの件がなかなか良かった。
主人の風流を真似たくて懸命に一字一句浚う植木屋の可笑しさ滑稽さと、
その掛け合いを求められても取り合わない女房のふてぶてしさの対比が如何にも面白い。
ボゥとした頭でもなかなかの一席、冴えていれば尚のことと思うとちょっと惜しまれた。

体の重みは追い出し後も取れない。 飲んで帰るか、やめようか。 半蔵門まで歩きながら決めかねる。
九段下の乗換えで直通が来たら高円寺まで足を伸ばそうと決めて待っていると、果たしてそれが来た。
しかし地元駅まで来て気が挫けた。 今宵は外で飲んでも疲れ増すだけ、やはり帰ろうとホームに降りた。
遅刻もあって食事が未だだったが近場の店に入るのも億劫で、コンビニで出来合いのそうめんと厚焼き玉子を買い、
家でタイガースが負けたニュースを見ながら、殊の外苦いビールと共に不機嫌に平らげた。
ビールはネット抽選で中って foxx が贈ってくれた GRAND KIRIN。 これは実際苦くてなかなか美味い、ご馳走さま。
明けて本日水曜も連荘、昨日大人しく帰ったのは正解だったと思いながら今これを書いている。


  1. 2012/07/18(水) 12:53:15|
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小三治・三三 親子会 於 調布市グリーンホール / 平成二四年七月一三日

芝居の喧嘩 / ろべえ
妾馬 / 三三

(仲入り)

奇術 / 花島世津子 
野ざらし / 小三治


調布だったか府中だったかでいつも混乱する。 要するに手前で降りれば良い。
気分的にずいぶん遠くへ行くようだがその実、ドア to ドアで30分の距離。

寄席文字の “ ろべえ ” が読めなかったらしく本人が名乗ったら会場から あぁと声が洩れた。
少し落ち着きが出て来たようだ。
などと知ったかぶって見たが彼も来春で前座二ツ目で丸十年らしい・・・もう少し頑張ろうか。

一週間たたずに三三の 「 妾馬 」。 師匠との二人会、楽屋のモニタにも流れていただろう。
落語の稽古は殆どつけてもらったことがないと言っていた記憶がある。
自分なりに旬の噺を演ったのだろうか。 後で何か評価なり感想なりは貰えたのだろうか。
まさか先日のが今回のための浚いでもあるまいが。

小三治のまくらは九州の大雨の話からはじまってサントリーの天然水の話。
この話題を聞くのは三度目くらいか。 そんなに阿蘇産の天然水は美味いのだろうか。 飲んでみたくなる。
因みに師は “ 南アルプスの天然水 ” と連呼していたが、
今は工場が三箇所 (南アルプス・阿蘇・奥大山) あるので ただ “ 天然水 ” が商品名である。 

噺に入って間違いや澱みが気になった。 今日は暑かった。堪えているのだろうか。
「 野ざらし 」 は曲がりなりにも釣りの噺。 師の竿を振る仕草がご無沙汰の自分には嬉しくも何故か羨ましい。
それにしても そのちょっとした手の動作の表情豊かなこと。
高座では動き過ぎない方が動作を印象づけることを改めて実感。 ピョンピョン跳ね回って大声を出す必要はないのだ。
しかし高座全般を振り返ると今ひとつであったと云うのが正直な感想。

聴いたばかりの三三の 「 妾馬 」 と、小三治が大根多でなく 切れもなかったことで満足度は低かった。
二人会でそれぞれ一席ずつと云うのは、大きな函で打った興行としては如何にも物足りない。
色物が入るとも思わなかったし、番組全体が残念な感じであった。

お開き後、まっつぐ帰ろうかとも思ったが高円寺へ。 週末だから誰かしら常連にも会えるだろう。
朝は四時半起きで仕事だった。 済ませたいことがあったが落語にも行きたいので早朝から机に(PCに)向かった。
それで眠気が早く来るかも知れなかったが、少しだけ寄り道することに。
果たして常連三人が並んで座っていた。 何を話すでもなく飲んで行くうちに酔いながらも目が冴えて来た。
結局、当初の思惑より長っ尻で飲んでから家路についた。

三連休も仕事。 兄弟は別荘に行くとのこと。 自分ものんびり渓の岸辺で昼寝がしたかったな。
三日あるうちのどこかで、夜にでも映画に行かれたら気晴らしになるのだが・・・どうなりますことやら。
 
 
  1. 2012/07/14(土) 12:51:26|
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らくご@座・高円寺~2012 夏すずみ公演~ 『 雲助・白酒 舟づくしの会 』 於 座・高円寺2 / 平成二四年七月一一日

松竹梅 / 扇
欠伸指南 / 白酒
お初徳兵衛 / 雲助

(仲入り)

新版三十石 / 雲助
船徳 / 白酒


“ 野暮とは多弁であること ” 前回の記事を読み返して暫しそんな言葉を頭で反芻。
上限四十五行と決めているが、どうしてもその上限いっぱいに書いてしまう。
先日、友人から落語の記事の時は中身を飛ばして最後の飲み歩きのところだけ読んでいると。
それはこちらも承知の上で、落語の話題に終始してしまうと興味のない(殆どの)ご訪問者に読んで貰えなくなる。
せめて落語を外れた数行を書き置くことで、留まって頂こうと云うのが目論見なのである。
いずれにしても、三十行前後でまとめられる文才が欲しいものだ。

師匠・雲助と総領弟子・白酒の二人会。
誰の門を叩くかで、まずその人の噺家としてのセンスや考え方が出る。
雲助の弟子・白酒と云う目利きはなかなかだと思う。

この会は船の出て来る噺で番組を構成すると云うユニークな趣向。 開口一番だけ違っていたが。
「 お初徳兵衛 」 は思いつかず 「 夢金 」 が浮かんだが、あれは冬の噺だ。
会場では他に雲助で聴いたことのある 「 九州吹き戻し 」 くらいしか思い出せなかったが、
後ほど挙げてみると 「 岸柳島 」「 大山詣り 」「 佃祭 」 等など さわりだけでも船が出て来る噺は結構あるものだ。

「 お初徳兵衛 」 の発端部を明治期に初代三遊亭圓遊が滑稽噺にしたのが 「 船徳 」 とのこと。
それを合わせて聴かせてくれたのはなかなか興味深い演出であった。

その噺二題の比較も面白かったが、雲助の二席のコントラストもなかなかのものであった。
「 お初徳兵衛 」 をしっとりと演ったあと、仲入りをはさんで 「 新版三十石 」 の赤沢熊造先生を演るあたり、
これが同一人物かと思うほどの変貌ぶりに会場の笑いもいや増すのであった。 雲助の芸の幅をここに堪能。

白酒がニコニコしながらトリに上がる。「 新版三十石 」 は弟子三人で粘って嫌がる師匠から教わったと。
自分だってこんな噺は教えたくないし、事実頼まれて断ったことがあると。
“ ちょっとした(師匠)イジメですね ” と逸話を締め括って、若旦那の愛嬌について語って 「 船徳 」 へ。
諸処割愛もある運びだったが、まさに愛嬌たっぷりの徳さんの若旦那っぷりを堪能させて貰った。
これが先ほどの徳兵衛と同じ人物とは・・・舫いを外せと言われて “ えっ、ボク? ” の ひと言は傑作であった。

一席目に戻るが、「 欠伸指南 」 で煙管の煙草を褒める件がなかったのが残念。 あすこは結構好きなところだ。

なかなか良い企画で、二人ふた様十分に楽しませて貰った。
少し先だが、九月には白酒以下・五街道一門三弟子揃う兄弟会があるので、そちらも楽しみに待ちたい。

追い出しで外へ出ればそこは高円寺。 電車移動なしでマスターの赤提灯へ。
マスターが朝から釣って来た大きな岩魚は既に先客の腹の中であったが、山女も なかなか背が高く丸い獲物であった。
魚自体は釣らないお客に回して貰って、胃袋と肝の串焼きを頂いた。 大蒜と胡椒をきかせた乙な肴であった。

今年は全然予定が組めず、釣りに行かれるのは九月に入ってからかも知れない。 こんなシーズンもあるか。
歳は行ってるがこれでも若旦那。 しかし仕事が忙しくて遊べぬ愚痴を云うほど優雅には出来ていないのである。
当面は忙しくなる前に取ってしまった落語会の数々へ、何とか時間を工面して足を運べれば由とする日々が続きそうだ。

む・・・今回は正味三十四行、短くまとまったぞ。笑 (でも全部で四十三行)
 
 
  1. 2012/07/12(木) 12:58:50|
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『 神楽坂落語まつり 神楽坂劇場二人会  夜の部 』 扇辰・三三 二人会 於 新宿区立牛込箪笥区民ホール / 平成二四年七月七日

金明竹 / 辰じん
鮑のし / 扇辰
妾馬 / 三三

(仲入り)

しの字嫌い / 三三
ねずみ / 扇辰


会場へは神楽坂で矢来口が便利なのは分かっていたが、小諸そばへ寄ろうと神楽坂口から地上へ出た。
そちらからの分かり辛い近道の順路はストリートビューで曲がり角の目印を憶えておいた。 便利な世の中だ。
途中、見覚えのある坂道の曲がり角へ。“ブラタモリ”の「江戸のゴミ」の巻で登場した袖摺坂であった。
神楽坂界隈はどこも良い雰囲気だ。 それでも往時に比べれば賑やかとは違うザワついた感じなのだろう。

辰じん。 彼の携帯電話の口上を聞くのもあと何回か、二つ目になったらやらなくなるのだろうから。
「金明竹」、なかなか良い。 言い立ての部分をただの早口自慢で終わらせていない。
師匠・扇辰から教わったのだろうか、師匠に通ずるものを感じる。
横谷宗みん(王へんに民)、小柄付きの脇差の柄前は埋れ木で、木が違っている旨 念を押す。
そこを何度も何度も繰り返すところなどは遣いの者の託けとしてリアルさを持たせていて噺に膨らみがある。
この人はこのまま上がって行って欲しい。 前座から贔屓にした初めての噺家さんだけに。

聴く度に扇辰に惹き込まれる。 師の魅力は何なのだろう。
ひとつには噺の組み立てが丁寧、その正確さなのではと思っている。 筋道が通っていて疑問が残らない。
「鮑のし」 で甚兵衛が片貝の鮑を買って来た時 女房に、
“ 本当はいけないんだけど あんたが持って行くんだからいいか ”と言わせる。
ここで後の大家の小言、“ おかみさんも承知の上かい ” “ 縁起でもない ” へ繋がる。
聴く側も女房が仕方なく持たせたのは分かっているのだけれど、
それはこの落語を知ってるからな訳で、噺の中でそれをきちんと分からせるか否かは別のことだ。
そこをきちんと演ることで噺の中にある世界の完成度はグッと上がる。
「ねずみ」 においても若い政五郎が飯田丹下(丹下の声色を圓生の真似でやっていたのがウケた)の虎を見て、
“ あれだけのものを彫れるかと言われればその腕はないが見る目はある ”
と若者の謙虚さと自信を短く表現している。 そう云う人柄、大工に育てた甚五郎まで見えるかのようだ。

誰かしら聴きたい噺家との共演を機会に聴くことの多かった扇辰であるが、
もっと師を目当てに積極的に足を運ぼうと改めて思う今回であった。

「妾馬」 で日本酒、「ねずみ」 で寿司な気分で会場を後に、向かうは地下鉄を乗り越し中野の寿司屋。
週末9時半の割に客は少なく店の空気は落ち着いていたけれど、ついている TV は勇ましくも「海猿」であった。
短冊に勝浦の鮎魚女が書かれている。 そこからはじめて、産地は忘れたが蛤の酒蒸しも頼む。
ほかに目に付くのは真鯵と しらす と蝦蛄だ。 まずは瓶のクラシックラガーで喉を潤してから冷酒に移ろう。
・・・と、算段したまでは良かったが、蛤の大きさと数が思いの外で食いでがあった。 貝だけで腹が膨れてしまった。
これは誤算、にぎりを楽しむつもりで寄ったがそこまで辿りつけそうもない。

寿司屋でいつも思うのは、握りを摘みながら日本酒の飲むのはどうなのか、と云うこと。
米食って米飲むみたいなのがちょっと解せない。 だから寿司屋ではビールが主になる。
しかしそれ以前に 米は飲み終わってから と云う普段の飲み方からすると、寿司自体が真にイレギュラーな肴でもある。
まず つまみ(刺身)で楽しんでから にぎりの順番で行きたいが、つまみは酒で楽しみたい。
しかし先述の にぎりはビール の論法で行けば 酒からビール と云うこれまた不思議な順番になってしまう。
酔いがまわればどうでも良くなってしまうのだが、
この 「 酒と ビールと つまみと にぎり (by 河島英五) 」 の関係は答えのない堂々巡りなのであった。

あぁ、それで結局にぎりは蝦蛄を一貫たのんだだけ。 あとはつまみで真鯵や玉子などなど。
五千円で釣りが来た。 次は にぎりを堪能せねば。
 
 
  1. 2012/07/08(日) 23:59:09|
  2. 演芸など
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道具 としての 匙加減 - VW Passat Alltrack 2.0TSI -

次の車に求める条件

・最小回転半径が小さい四駆のクロスオーバーワゴン。

・疲労軽減に考慮した操作性と、悪路・悪天候に対する安定性と安全性。

・ゴツ過ぎず洒落過ぎない、十年後に古びても陳腐化しない抑制の効いたデザイン。

・燃費もそれなりでお願いします。

この辺がいま考えている必須条件。 あとは願わずとも色々ついてくるのが今どきの車だろう。

気になっていた車が発売になった。 VW Passat Alltrack。
日本発売は秋口との情報があったので、ふと開いた VW・HP のトップページにそれが現れた時はちょっと驚いた。
早速カタログを貰いにディーラーへ。 VW は家から歩いて5分の所にある。
まず諸元表を見ると最小回転半径は 5.3m。 おぉ、マイカーの 5.4mより小さいではないか。
スペックで気になるのはいつも最小回転半径。車はサイズよりこれが肝心と云う持論。

試乗したり実車を確認した訳ではないので、ここからはあくまでもカタログとネット情報を見た範囲で・・・


VWPAT


第一印象から地味な Alltrack だったが、見れば見るほど地味である。
次期候補としてずっと目をつけていた Audi A4 allroad の方が随分洒落ていて格好良い。ちょっと派手かなと思うほど。
例えば林道の車止め脇の藪に頭を突っ込んで止めておくには違和感がある。 かなり都会寄りのデザイン。
それとは別に今乗っている SUBARU で乗り換えるとして OUTBACK はどうか。 こちらはかなり野趣溢れている。
allroad とは逆に街に馴染まないゴツイ容姿がネックであり、ヘヴィデューティに過ぎる点で選択外なのであった。

本来この手の車は見た目より機能重視なのだからイメージや格好の良し悪しで判断するのもどうかと思うが、
やはり車選びに際してデザインは切り離せない選択肢であり、好みの出る要素だ。
それに先述のとおり今時はどの車を選んでも機能はこちらの要求以上にスペックが高いので、
あとはクロスオーバーとしての “ 匙加減 ” と、見た目の好みくらいしか比較のしようがない。
とは云え結局のところ、最後にモノを言うのは価格だったりするのだが・・・
因みに標準装備に差はあるし相手は限定車であるが、敢えて比較すると Alltrack は allroad より大分お安い。

クロスオーバーを選ぶ上で “ 匙加減 ” と云うキーワードが絶えず頭の隅にある。
内外装共に洒落過ぎず、ゴツ過ぎず。 都会から田舎道、そして野を駆るにバランスが取れていることが肝心。
それから仕事でも使うので、過度に派手な印象や信頼に係るほどの粗野な印象を残すのも避けたいところ。
その点でコンサバな風貌の Alltrack には総じて好ましいものを感じる。(個人の感想です)
地味でやや面白味に欠けるキャラクターではあるが、日々の行動を共にする道具としてそれは減点項目ではないのだ。


vwat-int


敢えて細かいことを言えば、自宅は平置きだが外出先の機械式駐車でネックになるであろう 1560㎜ になる全高。
そして個人的趣味から内装のウッドパネルに関して相変わらず抵抗は残るのだが、
いずれはソリッドなデザイン展開もあるかも知れないし。(内装自体は allroad より Alltrack の方が好みだ)

そう“ いずれは ” と云う点も含めて今すぐが “ 買い時 ” ではないだろう。
こちらの事情もマイカーが車検から帰って来たばかりだし。
日本仕様も道路事情やユーザーリサーチで細々したリチューンがされるであろうから、まず一年くらいは静観の体で。
一年経てば売値も含めて色々こなれて来るだろうし。

この車、実際どのくらい売れるだろうか。 ワゴン然としたクロスオーバー4WD は意外に少ない。
先に挙げた Audi 、SUBARU の他では VOLVO の XC くらいか。
選択肢は限られているからニッチ市場ながらそこそこ売れるのではないかと思っている。
あまり はびこるようだとヘソ曲がりとしては魅力半減ではあるが・・・現状は Alltrack に興味津々なのである。
 
 
  1. 2012/07/04(水) 12:23:08|
  2. 道具のたぐい
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BP5-A 維持費 - running cost 2011~2012 -

以前やっていたブログから続けている毎年恒例のマイカー年間ランニングコストの書き留め。

7月に入り、2003年6月末に購入の我がワゴンも10年目に入る。
この一年で車にかかった費用は以下の通り。


¥116,334 ⇒ 一年で使ったガソリン代。
            754.31 L で8,279 ㎞走行。平均燃費は10.98㎞ /L 。
            因みに丸九年で使ったガソリンは 7,951.81 L。総合燃費は10.23㎞ /L。
           
¥ 90,150 ⇒ 法定諸費用。
            自動車税と今年度は車検に伴う法定費用。

¥145,055 ⇒ 整備費用。
            車検整備代、オイル交換、夏冬タイヤ履き替えなど。洗車代も含む。
            その他に向こう2年間の定期点検整備費のサービスパック加入費。
           
¥ 30,820 ⇒ 自動車任意保険。
             幸い一年間保険を使わずに過ごすことが出来た。
          
¥ 735 ⇒ 装備購入費。
            今年度はカーファブリーズを一個買っただけ。
            長年乗っていると新規装備も無いものだ。
           
¥ 31,544 ⇒ 修理費。
            出庫時にうっかり左ドアミラーのフラッシャーレンズを引っ掛ける。
            左ストップバルブの玉切れ、これは整備費でも良かったか。
            二度、フロント底面を障害物に擦って左前輪前にある小さなフラップを落とす。
            高速で飛来物が当たってフロントガラスにヒビが入った。これがいちばん高額修理。
            あとは計上外だが業務用トラックに追突されて先方の保険でリアバンパー交換。怪我はなし。

以上、合計 414,376円也。(有料道路通行料金・時間貸駐車料金等は直接経費ではないので含まず)


車検年度とそうでない年度の差があるので押し並べて考えないと出費のほどは判断出来ない。
車検年度でなかった昨年と今年との平均で 下3桁切捨てて丁度30万円なる数字が出て来る。
これが現状、ガス代も含めた年間維持費と考えよう。

本年度の年間走行距離は 8,000㎞ 強。決して大きな数字ではないが、昨年度が 6,000㎞だったので少しは走った。
いちばん走ったのは初年度の2003-2004年で13,000㎞。
今回車検時で総走行距離は73,094㎞なので年平均も 8,000㎞強となる。

車のコンディションは極めて良好。 車検整備で追加項目はリアデフのオイルシール交換くらいだった。
毎回整備から帰ってくるとサイドブレーキの引き代が短く硬くなっている。 これが整備の実感のひとつ。
あとはクラッチミートの当たりが明確になっているのもリフレッシュを感じる部分だ。


BP5-2012


これで10年目に突入した。 今までこれだけ長く所有した車はない。
兄弟との共同所有も含めると今の車が7台目だが、
色々な意味で一番気に入っており、ライフスタイルにも合っていたと云うことだろう。
今年に入ってから諸事情もあって少しアウトドアから遠ざかっているが、
このまま野遊びからフェードアウトするつもりはないので、まだまだ四駆のワゴンがある日々を送る予定。

個人的な節目として当初はあと3年は乗り続けるつもりでいたが、
消費税増税のタイミングがその手前に来てしまったのと、
実は次期候補としてかなりリアルに欲しい車が登場したこともあって、
少し前倒しで乗り換えを検討したい今日この頃ではある。
いずれにしろ今すぐと云うことではなく少なくとも向こう一年は現状のままのつもりなので、
安全に快適にカーライフを過ごせるよう、我がBP5-Aには頑張って貰いたいものだ。

よろしくメカドック。

で、次に欲しい車については、近いうちに。
 
 
  1. 2012/07/03(火) 12:59:22|
  2. 道具のたぐい
  3. | コメント:2

ネイビーシールズ - ACT OF VALOR - 於 シネ・リーブル池袋 シアター1

(※ カギコメ下さった方へ、 了解しました ^^)

むかし似たタイトルの映画があったがそれのリメイクではなかった。
原題が全然違うのでそこに気づけば別物なのは分かることだが、紛らわしい邦題だ。

Navy SEALs(ネイビーシールズ United States Navy SEALs)は米国海軍特殊部隊のこと。
その任務を描いた作品だが、これは彼等を通して祖国の為に身を賭して働く者たちに光を当てるのが意図だったようだ。

いきなりエンドロールの話になるが、
彼等をはじめ米国軍・警察・消防・警備隊と云った人々を写したスナップショットが多数挿入されていた。
それを見て、あぁこれはアメリカ人がアメリカ人の為に作った祖国賛歌なのだと遅まきながら気づいた。
ミリタリーマニアなら見所も色々あったのだろうが、そうでない自分にとって彼等は他国の勇者であり、
また脚本の物語性が弱く、ドラマ風ではあるがドキュメンタリーを観ているようで映画としての娯楽性も低かった。

これなら震災で活躍した自衛隊・警察・消防・海上保安庁・名も無きボランティアのドキュメンタリーを観る方が、
日本人として正しい時間の使い方かもと思ったりしながら殆ど感情の起伏もないまま観終わってしまった。
娯楽に限れば “ 邦画 ” の 「 海猿 」 を観た方が感情は揺さぶられる。 そう云うポジションの映画。

例えば 「 バックドラフト 」 や 「 ライトスタッフ 」 のように
分かり易い男の夢とプライドみたいなものが強調されていればそれなりに楽しめたのかも知れない。
そう云う部分が弱かったことでドラマティックではなかったのだが、
恐らくそうしたテイストを意図して排除したのだろう。
そうなると 「 ハートロッカー 」 に近いのかなと考えてみたが、それ程の緊張感は無かったし、
「 ブラックホークダウン 」 ほどのインパクトも無かった。
どれとも少しずつ違うのは確かだが、これだと云う根幹が曖昧。
切り口として試みを買わぬではないが、個人的満足度は低かった。


USNS
(C)2012 IATM, LLC


ひとつにはシールズの隊員たちの手際が良すぎたからだろう。
凄い連中なのだろうが、手口が鮮やかな分、そのモノ凄さも普通に見えてしまう矛盾。
内村航平君の体操みたいなものだ・・・違うか?

確かなことはアメリカはずっと戦っている、他国軍やテロリストや自然災害と。
フロンティアの末裔たちに残された未開の地はなく、
道を拓くべく備えたエネルギーは、形を変えて世界中に拡散して行くかのようだ。


  1. 2012/07/02(月) 18:04:11|
  2. フォト・キネマ・アートとか
  3. | コメント:0

『 谷中・兼〇録 』 圓太郎・兼好 二人会 於 戸野廣浩司記念劇場 / 平成二四年六月ニ九日

蝦蟇の油 / 志ん吉
野ざらし / 兼好
祇園祭 / 圓太郎

(仲入り)

粗忽の釘 / 圓太郎
ピアニカ・リコーダーライブ / のだゆき
大山詣り / 兼好


二日前に 『 圓太郎商店 』 の帰りに食べそびれた “ あおさとしらす蕎麦 ” を目当てに池袋で途中下車。
店へ行ってみるとまたしても券売機には「×」が・・・数が少ないのか、昼には売り切れてしまうのかも知れない。
わざわざ降りて来たのに期待外れだったせいで、ここで暖簾を潜るのは癪な気がして西日暮里へ向かい、
そちらの駅蕎麦で ちくわ天蕎麦 を啜ってから会場へ向かった。

小さな地下劇場の小さな入口には列が出来ており、暫し順番待ち。
前売りを買ってあるのだからさっさと入りたいが当日清算の人と同列に並ぶのは待たされ気分ではある。

『 兼文録 』 が 『 兼〇録 』 になってしまった。
文左衛門が穴を開けたと云う話だが、経緯は分からない。
分かったところで詮無い話なので興味もないし、一方の言い分だけ聞いていも仕方のないことだ。
この会がこれを最後に終わってしまうのは残念だが、何事も縁とめぐり合わせだ。

最初の挨拶で、兼好も詳しい事は分からないし聞こうとも思わないからと。
兼好さんを聴きに来てるんだからいいよの声に会場から拍手が湧いた。
勿論自分はしない。 こう云うのは好きではない。
それでも思わぬところで圓太郎を聴けることになったのは望外で、気持ちを切り替えて楽しむ事に。
何しろ年頭に今年は追っかけると決めた二師が揃ったのだから願ったり叶ったりである。

兼好曰く、代演はもとの演者と同格以上が原則だし、もとの雰囲気も考慮しなくてはならず難しいと。
たまたま二師とも橘家ではあるが別門、それでもちょっと雰囲気は似ているかも知れない。

圓太郎の熱演がとても印象的だった。 やはり代演を勤めると云うのは普段より難しいのだろう。
それでも会場の沸き具合からその熱演は十分に客を満足させたことが伺えるし、
図らずも連荘になった自分も飽きるどころか更に圓太郎への贔屓度を上げることになった。
これで 『 圓太郎商店 』 の客入りが増すと席取りが難しくなるなと、狭量なことも考えたりして。

「 大山詣り 」 が先日の圓太郎の根多おろしに続いたが、
主催されている方のブログを拝見したところ圓太郎から兼好へのリクエストだったらしい。
自分がおろした根多をすぐに聴いてみたかったのだろう。 芸人魂だな。
そのブログによれば圓太郎の 「 祇園祭り 」 を兼好が珍しく楽屋のモニターで聴き入っていたらしい。
二師にとっても刺激のある会であったのだろうと思うと、客としても充実感が増すと云うものだ。

番狂わせはあったものの、結果的には大いに満足出来る会となって良かったなと。
最終回ではあったが特に〆の挨拶などはなく追い出し。 まぁ大団円でもないからそれでいいか。
この二人会、出来れば恒例にしてくれれば通うのだが。 『 谷中・兼録圓 』 とか命名して。

当初は追い出しで友人から教えて貰った千駄木のバーへ行くつもりでいたのだが、
珍しく湯島の女将から思わせぶりなメールが入っていたのでそちらへ河岸を変更。
どうせ色気のある話ではなかろうと思いつつも、美人の声かけを袖にする理由はない。
のこのこと店へ向かえば、落語についてのちょっとした情報を教えてくれたのであった。
なんだ、どっかにいいコでもいて紹介してくれるのかと思いきや・・・いやそんな事は思ってなかったけど。
それやこれやで常連さんや女将との会話も楽しみつつ、相変わらず気の利いた肴でほろ酔い気分に。
時分も頃合で、共通の友人から飲み会の誘いが来ないと拗ねる女将に仲介を約束して、家路についたのであった。
 
 
  1. 2012/07/01(日) 17:39:00|
  2. 演芸など
  3. | コメント:1

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東奔西走  南船北馬
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歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

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