七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

プロメテウス 2D - PROMETHEUS -  於 ユナイテッドシネマとしまえん 5スクリーン

リドリー・スコットがこの作品でやりたかったことは何なのか、観終わってからもずっと考えていた。

独立した作品ではあるのだが、やはり 「 エイリアン 」 の前日譚的要素も多分に含まれている。
そしてこの 「 プロメテウス 」 には 「(仮)パラダイス 」 なる続編が用意されているらしいことを後日知った。

人類の起源に関するひとつのヴァリエーションとしてこの物語は作られている。
テーマは壮大であり、プロットもなかなかユニークで魅力的だ。
しかし本作の映画としての出来は今ひとつと云うのが正直な感想であった。
人物のつくり込みが浅く、個々の心の動きや機微が伝わって来ない。
地球外生命とのファーストコンタクトや人類起源への探求に立ち会っている興奮が今ひとつ希薄。
見たことも会ったこともない “ 未知との遭遇 ” に対して、それぞれの反応が情緒不足で臨場感がない。
ひとことで言うと色々な場面で “ あっけない ” 感じが多いのだ。

色々な疑問が散りばめられながら物語は進んで行く。 そして謎は謎のまま終わってしまう。
恐らく続編へ向けての種蒔きなのだろう。 そこに思いを馳せれば壮大な世界に期待は高まる。
後になってネットで読んでみて、あぁそう云うことだったのかと知識を補完して納得してみたり。
確かにそう云う部分もあって良いのだが、単独の作品としての完結性や面白味をもう少し用意しておいて欲しかった。

中盤くらいまではなかなかキレイなSFである。 しかしやがて雲行きは怪しくなりドロドロのベトベトになって行く。
やはりそこに見え隠れするのは 「 エイリアン 」 であり、そこにスコットの原点を見るようにも思える。
造形的にもその記憶が散りばめられている。 ギーガーの名もエンドロールで早め大きめでクレジットされていた。
特にスペース・ジョッキーに関するオマージュは自分も含めた古くからのファンには感慨に近い思いが生まれるだろう。
いっそのこと、「 エイリアン 」 の系譜に組み入れてしまっても良かったのではなかろうか・・・

何はともあれ、これが単体の作品ではなく続編があることを知って多少なり気持ちの置き所も見つかった思いであった。
いろいろと消化不良な部分や、物足りない部分の補完は数年後の楽しみとして取って置こう。


prometheus
(C) 2012 TWENTIETH CENTURY FOX


特に拘りもなく2D版で観たが、途中で登場する立体的な光学宇宙航海図のようなものはなかなか美しく、
あぁこれは3Dで観たらさぞかしキレイだったろうなと、少しばかり後悔した。
せっかく宇宙が舞台のSFだったのだから、重力に縛られず3Dで思い切り空想の世界に羽を伸ばせば良かった。
自分が3Dで再見することはないと思うが、これから観てみようと思われるなら3Dで、
尚且つ選択出来るのであればIMAXでご覧になることをお勧めしたい。

当初はこんな映像手法はと懐疑的だった3Dだが、こうした作品の登場で価値も上がって来たかなと思うこの頃である。
 
 
  1. 2012/09/10(月) 23:59:00|
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