七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

『 小三治 一門会 』 小三治・三三・そのじ 於 めぐろパーシモンホール / 平成二四年一〇月二八日

初天神 / ろべえ
錦の袈裟 / 三三

(仲入り)

端唄 / そのじ
都都逸 / 小三治・そのじ
 
禁酒番屋 / 小三治


日曜の昼下がりに落語を聴きに行く。 いつもと違ってゆったりとした気分である。
東横線の都立大学駅界隈は落ち着いた雰囲気で地元とはちょっと違う空気感、
小洒落た喫茶店に煮込みハンバーグランチが1500円とある。 ・・・高いな、だいたい目黒は秋刀魚だろ。

小三治は一門会のかたちが目立つようになった。 年齢や役づきからいろいろと負担減なのかも知れない。
そろそろ弟子達との時間を多く持ちたいと思うようになったのかもと、勘繰ってみたり。

そのじが下がろうとした時に周囲の拍手の調子がちょっと変った。
斜め前の男性客の大きな頭で見えなかったが、小三治が登場したのがその理由だった。
高座から座布団をおろし小三治、そのじが並んで毛氈へ直に座る。
“ この子はですね・・・ ” そのじについて由無言をポツポツと話す。 如何にも昼下がりのお喋りである。
とは云え、恐らく夜の一門会でも最近はこんな趣向でやっているのだろう。
隣に座る弟子についてあれこれと話して、最後に都都逸を一節唸る。

遠く離れて 切れたとみせて 手繰りゃまた来る 凧の糸

ひとしきり拍手を浴びて “ では後ほど。 ” と満足そうに下座へ消えた。 なかなかいい感じであった。 

少し間をおいて再登場。 今度は三三の入門について思い出話。 そして自分の若い頃の話。
師匠・小さんにひと言 “ お前の噺はつまらねぇ。 ” と言われたことが忘れられないと。
どこがどう悪いのか、何をどうすればいいのか、それは教えてもらえない。 そこを自分で考える。
暗中模索であったが、いつか師匠に言われた演じてる人の料簡になれのひと言を手繰って励んだと。
実際の稽古は圓生によくつけて貰った。 折れ釘にぶら下がるカタチまで細かく教えて貰った。
しかしそのカタチばかりを覚えて出来た気になってしまうと、
折れ釘にぶら下がっている人の気持ちが入らないからダメだと云うのが小さんの教えであったと。

“ もう誰も教えてくれる人がいなくなりました。 ” “ それでもお客様から学ぶことは多い。 ”

年長者になるとはそう云うことなのだろう。
それでも自分の方を向いてくれる人が居るうちは、そこに学ぶべき何かが埋まっていると云う事か。
少し、自分の仕事や生き様について顧みさせられる、そんな小三治翁のひと言であった。
 
 
  1. 2012/10/29(月) 23:59:00|
  2. 演芸など
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