七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

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ル・コルビュジエの家 - EL HOMBRE DE AL LADO -  於 K's cinema

九月中旬を最後に映画の記事を書いていないがそれ以降10本以上観ており、
書かずじまいで師走も半ばまで来てしまった。
その全部とはいかないが印象に残った作品の幾つかを、今年のうちに振り返っておこうか。

まずは十月初旬に観た一本から。

南米に唯一存在する、コルビュジエ設計の邸宅・クルチェット邸に住むデザイナー一家と、
少々困った隣人とのトラブルを描いたシニカルでブラックな一本。

設定は名高い受賞暦も持つ成功したデザイナーが主人公で困った隣人が敵役。
デザイナーは自分をセレブと思っている。知的で財もあり、住んでいる家は世界中から見学者が訪れるコルの家。
ステータスは十分、妻もハイセンスを自覚するヨガのトレーナー・・・対する隣人は粗野を絵に描いたような男。
隣人は自邸の一室に窓がなく居住性が悪いと、突然壁に穴を空け窓を作り始める。
穴の開いた壁からはデザイナーの住まいのリビングが目と鼻の先に丸見え。
プライバシーの侵害と事前の断りもない横暴なやり方にデザイナーは怒り心頭。
色々と手を尽くして隣人に改装を思い止まらせようとする。


EL HOMBRE DE AL LADO


こんな隣人が自分の住まいに居たら厄介だなと思いながらも、
観続けているうちにやがて隣人の方へ感情移入している自分に気づく。
デザイナーの立ち居振る舞いが鼻持ちならなくなって来る。 こいつ何様だよと。

確かに隣人は迷惑な男ではあるが、彼に悪意はない。
そこが厄介だと云えなくもないのだが、兎に角悪気はないのだ。
それに比してデザイナーの態度はご近所トラブルの範囲を超えてやり過ぎの感が否めない。
彼の日々の安息は認めてやりたいのだが、
解決に向けての筋道が時を追うごとに妙な方向へ逸脱して行くことに疑問は増すばかり。
そして迎えるラストでの彼の信じ難い行動・・・
そこで受ける驚きと失望は決定的に彼を否定せざるを得ないものなのであった。

彼はトラブルの処理方法を誤った。 セレブを自負しながら真にそうであるべき心と器がなかった。
金持ち喧嘩せず。 とはよく言ったものだ。 ここで云う金持ちとは成り金のことではないのだ。

それとは別にこの作品をみて思うこと。 日本人ならではの視点も生まれる訳で。
困った隣人と聞けば、いま日本人として身に覚えのある言葉であろう。
あの島々や過去の戦時の出来事への遺恨、或いは国土を横切るミサイルなどなど・・・本当に困った話ではある。
しかし困った隣人側から見れば、我が身も隣人である。
視点の欠落や思い及ばぬところが無いか、今一度我が身を省みることも必要なのかも知れない。
ま、外交と云うのはそんなに甘くはなく狡猾さも必要だとは思うのだが・・・
このまま続けると話がポリティックになりそうなので、この辺にしておこう。

ここはわたしの趣味・娯楽の場所ですから。 
 
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  1. 2012/12/16(日) 23:59:45|
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