七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

『 入船亭小辰の会 その壱 ~冬のコタツ~ 』 小辰独演会 於 日本橋ピッコロ / 平成二五年二月一〇日

反対俥 / 小辰
火事息子 / 小辰

(仲入り)

野晒し / 小辰


昼下がりの日本橋、小諸そばに寄る。 ここは日曜もやっている。
きつね蕎麦を啜っていると隣に座った若者二人連が付いてきた蕎麦湯を怪訝そうに見て、
これは何に使うものだろうとヒソヒソ・・・蕎麦湯を知らんとは仰天。
横からお節介をして教えたが、世の中 色々あるものだ。

小辰が二ツ目になって、恐らくこれが初めての独演会の筈であった。
当日の朝まで行くかどうしようか決めかねていたが、
陽気が穏やかだったのも手伝って直前に空きを確認し足を運んだ。

会場はイタリアンの小さな食堂。 店前に小卓を出して即席の受付。
木戸銭を払う際に、落語を聴き始めて以来 初めてポチ袋を託けた。
わけあって機会があれば些少だが小辰に包みたかったのだ。

店は中もこぢんまりとした空間。 定員25名の会だったようだが数えると28名入っていた。
当日予約無しで来た人がいなければ自分が最後の飛び入りであろう。
席亭は窮屈を詫びていたが、窮屈にした張本人としては耳が痛い。

店側からひと言挨拶の後、出囃子なし店内に流れるJAZZで小辰が登場。
本人がCDを忘れたらしいが、店も落語会を催すなら汎用に一枚備えておけばよかろうに。
いずれこんな事も懐かしい思い出になるのだろう。

まくらの冒頭でやはりこれが初の独演だと言っていた。
一席目 「 反対俥 」 を熱演、景気付で汗だくの一席。
上がった息を整えながら場を繋ぎ続けてもう一席、「 火事息子 」。
これは昇進披露で扇辰と開いた小辰の地元大塚の会にて根多おろししたとのこと。
披露会でトリ根多にこのチョイス。 扇辰には呆れられたと、師匠の真似を交えて裏話。
この 「 火事息子 」、火事が治まってから息子が現れる運び。 初めて聴く。
聴き慣れたものと違うので新鮮だが、違和感も伴う。
仲入りを挟んで 「 野晒し 」。
ほぐれて来たのか、あと一席まで辿り着いた安堵も手伝ってか、前半に比べてノリノリの様子。
八のはしゃぎ様は相当で、小辰がこんなに弾けているところを見るのは初めてかも知れない。
何はともあれ、三席堂々のお務めであった。

この先彼がどうなって行くのか追いかけてみよう。
上下関係、ご贔屓筋との付き合い、女性ファンも放っておかぬだろう。 好事魔多しだ。
一見大人しそうだが、纏っている空気にはそう単純ではない気配も感じる。

託けは通じたようで帰り際に店先で小辰に声を掛けられた。 彼もこちらを憶えていた様だ。 
改めてポチ袋の趣旨を直接伝えて、手前勝手に気分をスッキリさせて家路についた。
気は心、あとで中身を見てガッカリしてなきゃいいけど。
 
 

  1. 2013/02/12(火) 23:59:33|
  2. 演芸など
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