七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 雲助蔵出しふたたび 』 雲助独演会 於 浅草見番 / 平成二五年三月三〇日

手紙無筆 / つる子
真田小僧 / 市楽
品川心中 / 雲助

(仲入り)

山崎屋 / 雲助


ひと仕事してから浅草へ。 昼食は仲見世界隈でと考えていたが甘かった。
日本屈指の観光地 浅草、どこも人で溢れかえっており店前は行列であった。
屋台もありか、コンビニで中華まんかとキョロキョロしているうちに見番に着いてしまった。
見れば斜向かい弁天なる蕎麦屋が。一旦会場に入ってお座布団を確保してから暖簾を潜った。
一見の店だし、品書きも見ずに掛け蕎麦を頼むと出汁のきいた美味い蕎麦だった。
値段も確かめず頼んだが500円であった。満足まんぞく。

この会は二度目、前回初見参して会の雰囲気の良いことに惚れ、
仲入りで今回の券を買っておいたのだった。(今回も次回分を購入)
それにしても盛況である。 立ち見が出てお膝送りをしたのは初めての体験であった。

色々なものに首を突っ込んで広く浅く・・・ひとつ事を究める事が出来ない浅学者であり、
当初は夢中になる割に知識が深まらない悪い性分である。
落語も例に漏れず後になって御通家のブログなどを拝見して成る程と感心することもしばしばだ。
雲助蔵出し に関しては特に信頼を置いて拝読しているお二方のブログで取り上げられている。
このご両人がお運びなら、自分の選択眼もなかなかだと自賛したくなる一方、
そこに書かれた内容に知らぬことが色々と盛り込まれており浅学を恥じ入る結果となるのである。

まず 「 品川心中 」 については今回の高座で演ったのは後半部分であり通しではないこと。
今まで聴いた 「 品川心中 」 はいつもこれであった。
つまり通しであることに気づかずにこの噺を聴いて来たことになる。
逆に 「 山崎屋 」 の冒頭に組み込まれた 「 よかちょろ 」 が
単独で演られる噺であることに知識が追いついていない。
二題の噺をとおしで聴いて楽しむと云う頭がないから面白味も半減であったことを後で知る始末。

まぁ、総じてそんな風に残念な感じなのである。
それでもこうした機会があればこそ新たな知識を蓄えられるのも確かで、
自分が行った落語会について他人様がどう書いているのか、
落語系ブログで読むのも楽しみであり、勉強であったりもするのである。

仕事の忙中、少し睡魔と鬩ぎあったが満足のひととき。
はねてからはまっつぐ帰って仕事を再開、夜中まで作業。
ひと山越すまで、あと一息である。


  1. 2013/03/31(日) 23:59:44|
  2. 演芸など
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『 圓太郎商店 その16 』 圓太郎独演会 於 池袋演芸場 / 平成二五年三月ニ七日

牛褒め / 一力
小言幸兵衛 / 圓太郎

(仲入り)

お若伊之助 / 圓太郎


ラジオから山手線が人身事故で全線止まっているとの情報が流れていた。
何となく聞き流していたが、まさにこれから山手線に乗ることを思い出した。
復旧見込み時刻と新宿経由の埼京線で池袋へ向かう迂回路を比較して、
高田馬場で山手線が動き出すのを待っても到着に大差がないと判断して地下鉄を選んだ。

演芸場に着いたのはほぼ計算どおりの時刻であった。
山手線の影響で客の出だしは鈍かろうと思っていたのだがさにあらず。
既にほぼ埋まっている盛況ぶりであった。
いずれにしろ固定席に座るつもりはなかったので端の折畳み椅子を確保した。
相変わらず斥候が仲間の席を多数確保している。 仲間が居る人は余裕がある。
それはいいとしても、客入りが良く立ち見が出る勢いなのに、
平然と隣席に外套を置いている人が見受けられるのが頂けない。
後から来た客に促されて渋々どかすのに至っては言わずもがな・・・である。

圓太郎は年相応の雰囲気に見えるが、
演じるに当たっては懐が深く年寄りにも若者にも娘にも化ける。 巧いなと思う。
大家幸兵衛にもお若にもなりきり演技は観る価値がある。
ただ 「 お若伊之助 」 は大狸が若い娘をもてあそんで孕ませると云う、
なんとも後味の悪い筋立てで、どちらかと云えば好きではない噺である。
根岸の長尾邸に咲く満開の桜は季節もので情景が眼に浮かび、
伊之助を想って切なげにそれを眺めるお若の乙女心には耽美なものを感じるが、
聴き終わって心晴れやかと云う類の噺でないことは確かだ。

四月の頭に〆切の仕事のスケジュールがかなりタイトであったにも拘らず、
何とか三月の落語会をキャンセルせずにここまで来ることが出来た。
30日(土)にも雲助があるが、それも行かれそうである。
この日も焦って帰って仕事の続きをする程のこともなかったので、
少し遠回りして新橋まで足を伸ばした。
ダイバー仲間が集まる店でメニューのうち洋食系を担当していたコックが
今月いっぱいで店を辞するとの噂を聞いていたので寄ることにしたのだ。
まずは和食系の鴨ネギ焼きで飲んだあと、これが最後とナポリタンを注文した。
別に遠くへ行ってしまう訳でもないらしく、ちょくちょく店にも顔を出すらしいが、
区切りとして彼のナポリタンをレギュラーで食べる最後の機会を楽しく味わった。
店のママからは突然の訃報について知らされたり、
後から来た顔見知りの女性からは取り止めもない愚痴を聞かされたりと、
話題は冴えなかったものの、ナポリタンは美味く、満足して店を後にした。


  1. 2013/03/28(木) 23:59:23|
  2. 演芸など
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『人形町噺し問屋 その38 』 兼好独演会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二五年三月一八日

味噌豆~酒の粕~から抜け / 楽しい
権助芝居 / 兼好

(仲入り)

スタンダップ コメディ / 寒空はだか 
藪入り / 兼好


茅場町駅から会場への途中にカウンターだけの小さな蕎麦屋があることは以前から気づいていた。
そう云えば入ったことがないなと、ふと思ったのは前回店前を通った時が初めてのことで、
その時は既に小諸そばに寄った後だったので、次はと決めて今回初めて入ってみたのだった。

もり、かけ共に450円。小諸は230円だが450円でも十分にお手頃。
もりを注文。さっと茹で上げ、冷水で〆て手際良い。
締め上がっていて冷たい蕎麦は堅く、喉越しが心地好い。 なかなか強い蕎麦だ。
これならかけで食べても美味いだろう。次回はかけにしようと決めて店を出る。

恒例の挨拶から開演。
WBCで日本代表が敗退した日だったので話題になるかと思ったがそれはなく。
前回配った兼好米の事でひとしきりお喋り。
所属の話になって落協でも芸協でもなく農協と、巧い落し噺で会場を温めた。
春めいておかしな輩が世間を騒がすが、露出狂だけは何が楽しいのか分からない。
どうか被害者加害者にならぬよう気をつけてと一旦下がった。

一席目はまくらから芝居の役回りについて。
さっきのお喋りがあったから 「 蛙茶番 」 かなと思ったが 「 権助芝居 」 であった。
ずぅずぅと訛りのキツい人物の出てくる噺は好まぬが、何故か権助だけは聴いていて楽しい。
惚けてどこか人を喰ったような、主従に拘らぬ歯に衣着せぬ物言いが心地好い。
そんな権助が兼好独特の言い回しや所作と相まって尚更に可笑しい。

はだかを聴くのは久々。 この人は好きな色物さんだ。
いずれは浅草でその芸を見てみたいものだ。
上野と池袋は通っているが、どうしたものか新宿と浅草は足が向かない。
彼の出る浅草東洋館は元フランス座。 建物と踊り子さんの老朽化で姿を消したそうだ。

トリは「薮入り」。 演りようによっては、少しほろりとさせる噺なのだが・・・
亀の父親のそわそわしたコミカルな部分が兼好に填まって、ほろりとは別の印象に。
例によって演者変われば噺も変わるのお手本のような一席であった。
頭の中で対極に居た人は小三治であった。 小三治の「薮入り」はいい。

一席目で携帯が二度鳴った以外は満足。
ただ、この会は常連さんが多いと思われる割に、若干いつもと違う雰囲気を感じた。
いつものレスポンスが見られなかった、そんな印象。
会場を出ると外は雨。 夜半に向けて荒れるとの予報にさっさと家路についた。


  1. 2013/03/19(火) 23:59:18|
  2. 演芸など
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『 日本の民家 一九五五年 』 二川幸夫・建築写真の原点 於 パナソニック汐留ミュージアム

アウトドアライフスタイルの師匠・イソGのセカンドハウスは信州の山間の集落にある。
古民家と云うほど古くはないが、養蚕から煙草農家への変遷の面影を残す味わい深い家屋だ。
そこに無造作に置いてある岩波写真文庫の新風土記がなかなか面白く、
訪れる度に暫し読み耽ってしまうのだった。
古き好き日本、と云っても四季の表情が豊かな分、暮らすには厳しいこの国の自然環境を顧みれば、
書籍の中の知識だからこそ面白いなどと言っていられるのだなと自分を戒めたりして。

その時代の不便をを想像すればするほど、回帰などとは軽々しく言えなくなる。
それでも、丸々先祖帰りせずとも今の生活に取り入れられる何かしらの智恵や知識、ヒント、
新風土記の中にはそうしたものが隠れているような気にはなって来るのである。
我々が都会で営んでいる生活は、その本の中にあるそれとは随分とかけ離れてしまった。
その是非は単純に下せないにしても、残しておいた方が良かったものを今一度掬い上げるには、
今の気風は丁度良いタイミングなのではと思うのである。


futagawap
(C)Photo:Yukio Futagawa


建築に携わっている者で二川幸夫の名を知らぬ人は稀有であろう。
日本の建築写真の第一人者であり、写真建築誌GAの生みの親だ。
その二川氏が二十歳の時から全国を訪ね歩き撮影した民家の写真は、
1957年から三年を費やし十篇の写真集「日本の民家」に纏められ広く世間に知られることとなった。

そこには今から約六十年前の日本の姿が建築を通して写し出されており、
今回の写真展はその一部を最新のデジタルプリントでネガから起こした七十余点を披露している。
会場構成は京都山城から始まり、山陽・四国・九州へ南下、
一旦北上して東北・関東・甲信越・北陸と巡り高山・白川で終わると云う巡回。
それぞれの地方の特色を分かり易く観ることが出来、
建物の造りに気候風土を感じられる楽しい内容となっている。

個人的にはやはり身近に感じられる関東甲信越から友人の郷里である北陸や、
嘗て訪れたことのある白川の原風景などに多くの時間、足が止まった。
何となく自分の記憶の隅に眠っている風土の記憶が呼び覚まされるような、
そんな不思議な心持ちにさせてくれる良質な写真展であり、
前述した岩波の新風土記を思い出させるものであった。

建築写真に特化しているので基本、人物の写り込みは少ない。 航空写真に散見されるくらい。
それでも時代の空気感とでも云おうか、当時の人々の営みを感じ取ることの出来る力には目を見張る。
もともと二川氏にどれ程の写真に関する造詣があったのかは寡聞にして知らないが、
二十歳そこそこから半ばまでの短期間に現代に比べて情報網や交通手段も限られた中で、
これだけのものを残した努力と才能には只々感服する。

開催前にNHKで見た告示で知っていながら会期末になって漸く足を運んだ。今月24日(日)まで。
二川幸夫氏は今月五日に逝去された。 会期中の事であり、感慨深いものがある。
 
 
  1. 2013/03/17(日) 23:59:23|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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フライト - FLIGHT - 於 ユナイテッド・シネマ としまえん 5スクリーン

克己と云う言葉があるが、
強い意志を持って自分を律することには得手不得手がある。
主人公は不得手な人間であった。
自らの不安や恐怖を酒で抑え込む。
“酒の力を借りる”と云うが、酒は力など貸してくれない。
それは幻想であり、それ自体が酔って見る錯覚なのだ。

絶体絶命のアクシデントを切り抜けて乗客乗員102人中96人の命を救った不時着。
その時、機長である主人公は酒を飲んでいた。 パイロットにあってはならないことだ。
その不時着はまさに神業であった。 彼の判断と技量は人並みはずれたものであった。
しかし乗客4人と乗員2人の命が失われた。 もし彼が飲酒をしていなかったとしたら・・・
その事実は隠蔽され、彼は英雄として一躍 時の人となる。

葛藤は続く、自衛と悔恨の狭間で大きく揺れる。
しかしこの場合、彼の気持ちを健全に晴らすのに為すべきことは明々白々。
果たして彼はその結論に辿り着くことが出来るのか・・・。

プロットに真新しさはない。 過去の作品にも見受けられるものだ。
それでも観終わってから、主人公の葛藤や周囲の人々の行動がジワジワと沁みこんで来た。
判断基準が明白で単純なだけ、それでも複雑に綾なす人間の心理がリアルであった。
是々非々な判断は、彼の周りの酌量や同情或いは社会的体裁によって阻まれる。
それは彼本人の擁護だけでなく、彼に関わる多くの人々にも向けられたものだから。


FLIGHT
(C) 2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.


克己とは別に矜持と云う言葉がある。
誇りとも己惚れとも取られる言葉だが、ひとつ他国語の力を借りればプライドであろう。
これもまた様々な判断を度外視してしまう厄介な言葉ではある。
しかし究極の判断を下す時に必要な図抜けたもの、ブレイクスルーとは、
そう云う力を必要とする場合が儘あると云う事であろう。

他人の尊厳を傷つけて守られる自らの尊厳などない。

派手な不時着シーンがトピックになりがちな作品だが、
そこに描かれていたものは当初の心構えより随分深いものであったと、しみじみ思うのである。
 
 
  1. 2013/03/10(日) 23:59:26|
  2. フォト・キネマ・アートとか
  3. | コメント:1

『人形町 通ごのみ 』 扇辰・白酒 二人会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二五年三月五日

手紙無筆 / 小辰
匙加減 / 扇辰
天災 / 白酒 

(仲入り)

犬の災難 / 白酒 
百川 / 扇辰


開口一番は小辰。 二ツ目になってもこの会の開口一番。
噺を始める前にお知らせが一つと、栞と出演の順番が違う旨。
また携帯電話の口上をやるのかと思った。
あれももう聞けないのかと思うとちと寂しい。多分本人はやりたくなかろうが。

扇辰と白酒の組み合わせはなかなか面白い、ユニークだ。
“野球狂の詩”と“アパッチ野球軍”の二本立てみたいなものだ。
このコントランスあるチョイスは興行主のセンスを感じる。

「 犬の災難 」 まではいい流れだった。
トリ根多が 「 百川 」 だったのが少々残念。 苦手な噺なのだ。
特に扇辰の百兵衛さんはなかなか個性的で、その特徴がよく出ている。
だからこそ、却って自分の苦手な感じが増徴されてしまい輪をかけて辛かった。

出演の順番は楽屋のジャンケンで決まったと小辰が実しやかに言っていたが、
だとすればこの順番になったそのジャンケンを悔やむしかあるまい。
尤も、順番が変われば変わったで、演る噺も変わっていたかも知れないけれど。
何れにしろ、トリが好まざる噺の時は会全体の印象も一段落ちてしまうのは残念なことである。

久々にはねるのが遅かった。茅場町の駅に着いた頃には既に22時近かった。
翌日は仕事で大切な検査が控えていたのでさっさと帰宅。
家で軽く飲んで早々に就寝。


  1. 2013/03/06(水) 23:59:50|
  2. 演芸など
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ジャンゴ 繋がれざる者 - DJANGO UNCHAINED - 於 ユナイテッド・シネマ としまえん 9スクリーン

西部劇と時代劇には似て非なるところが多々あるが、御伽噺と云う点では通ずるものがあるだろう。

奴隷として北米に連れて来られた黒人が馬に乗ったガンマンになるなど、正に御伽噺だ。
ブラックライダー(馬に乗った黒人)を見たのは「シルバラード」のダニー・グローバー以来だ。
その男が白人と組んで賞金稼ぎとなり白人の悪党を殺しまくり、
やがて奴隷として囚われの身である妻を救いに乗り込んで行く。
単純明快、痛快娯楽作品だ。
映像はかなり刺激的。 撃たれた者は血飛沫を上げ肉片を撒き散らして倒れる。
時代劇で云えばリメイク版の「十三人の刺客」を思い出す。 ある意味スプラッターである。
演出としては好みの分かれるところだが、まぁ目を背けるほどではなかったかな。


Django


そしてキャスティングがなかなか良かった。
特にサミュエル・L・ジャクソンの怪演が際立ち、主役のジェイミー・フォックスが霞むほどだった。
ディカプリオはあまり好きな役者ではないが、今回はなかなか良かった。
ディカプリオは一作目の「ランボー」で底意地の悪い保安官を演じた
ブライアン・デネヒーに似ていると常々思っていたのだが、今回は特にその印象がダブって見えて面白かった。
個人的にはクリストフ・ヴァルツ扮するドクター・キング・シュルツの見せた最後の矜持みたいな部分が、
結構ツボでカッコイイなと思ったのだが、今回はお一人様だったのでそれを語らう相手がいないのが残念。

それにしても奴隷制度と云うのはひどいものだと改めて思った。人種差別は極めて醜い行為であるなと。
まぁそう云った堅い感想も抱きつつ、基本的には派手なドンパチを堪能して劇場を後にした。

昔に比べて西部劇が作られることも少ない昨今であるが、
個人的には好きなジャンルなので数年に一度はこう云った作品が出て来るのを望まずにはいられない。
いっそのこと「荒野の少年イサム」とか、ハリウッドで作ってくれないかしら。


  1. 2013/03/03(日) 23:59:31|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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『 喜多八膝栗毛 冬之瞬 』 喜多八独演会 於 博品館劇場 / 平成二五年二月二八日

代脈 / 小辰
替わり目 / 喜多八
夢金 / 喜多八 

(仲入り)

太神楽曲芸 / 翁家 和助 
小言幸兵衛 / 喜多八


銀座三河屋へ寄って楽京を買って来るよう言われていたのを失念していた。
気忙しく出かける。 間に合わぬことはないがかなりギリギリの線だ。
小諸に寄らねば余裕だが、腹も減っていたので寄ってかけを啜ってから三河屋へ。
博品館から指呼の間だから焦りはなかったが、結局会場入りは滑り込みであった。
小諸そばから三河屋への途中、路上の警備員に博品館を尋ねているご婦人に出くわした。
自分も行くからと案内を買って出た。喜多八さんを聴きに行くのかと訊ねたが、
“キタハッサンって何ですか?”と聞き返されてしまった。
劇場下階のレストラン街へ行く人であった。

小辰が出た。寄席の高座を見ていないので大きな会場の二ツ目小辰は初めてである。
膝栗毛の返しめくりは勤めたが、高座は初で口をきくのも勿論初だと言って拍手を貰っていた。

「 替わり目 」。何故か頭に 「 お直し 」 がこびり付いて聴いている間中題目が出て来なかった。
“ 元帳見られた ” でサゲ。 調べて 「 替わり目 」、そうだよスッキリ 。

「 夢金 」 を久々に聴いた。 ほぼ三年ぶり、前回は一之輔。
CDで聴き慣れた志ん朝の運びと少し違う。
熊の独白が喜多八の調子と合っていて楽しい一席であった。

「 小言幸兵衛 」 は師匠・小三治で昨春に一度だけ聴いている。
こう云う小うるさい爺さんは小三治がずば抜けている。 喜多八だと若い気がする。
同じ口うるさい人物でも師には 「 かんしゃく 」 の主人がピッタリだ。
喜多八の持ち根多の中でも 「 かんしゃく 」 が一番好きと言っても過言ではない。
三年半前に一度聴いたきり。 またどこかで聴きたいものだ。

久々の新橋だったので美人マスターの所へ寄りたかったのだが、
昼間かかって来た電話で明朝までに作らねばならない資料が出来てしまった。
泣く泣く直帰、酒も飲まずに夜中の一時過ぎまで事務所で過ごした。
帰途、らくだ亭の時と同じくコンビニで買った焼き鳥と厚焼き玉子で二時過ぎに軽く飲む。
就寝前に不健康とは分かっていても、この位は楽しまなくては一日が終わらないと云うものだ。
三月に入れば益々気忙しい日々となる。 外飲みも暫くは回数が減りそうである。
一献入魂、てか。


  1. 2013/03/01(金) 23:59:44|
  2. 演芸など
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 良速

Author: 良速
  
 
- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

.......................

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