七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 春 』 三三独演会 於 なかのZERO 小ホール / 平成二五年四月二八日

チハヤフル / ろべえ
高砂や / 三三
五貫裁き / 三三

(仲入り)

質屋庫 / 三三


天気の良い昼下がりに何の因果か薄暗いホールへもくずり込む。

ろべえはいつもの自己紹介。 彼にしては長めのまくら。
三三の入りでも遅れているのだろうか。
何でも大学で応用物理を学んだそうだ。
親にお金を出して貰って学んだことは生かしなさいと、大師匠・小三治に言われたそうだ。
で、ニュートリノやらカミオカンデが登場する 「 チハヤフル 」。
発想はなかなか面白い。 もう少し作り込んでみて欲しい。
三三には破門決定と揶揄されていたけれど。

仲入りまでは途中スゥと意識が薄れた。
ホールに居ても外の長閑な空気は感じる。転寝したくなるような休日の午後なのである。
仲入りに缶コーヒーを飲んで眠気覚まし。

三三の出囃子は京鹿子娘道成寺だが、
三席目に流れたのものが自分にはどうも かんかんのう に聞こえたのだが、
あれは何だったのか・・・それがあって 「 らくだ 」 を演るのかなと思ったが、
トリ根多は 「 質屋庫 」、そしてこれがとても良かったのだ。
特に熊五郎の言うことがいちいちツボにはまって笑わせてくれる。
寝ずの番を言い付かった時に出された酒を飲んで、
以前くすねた酒と比べて うちのと一緒だ は傑作である。
この 「 質屋庫 」 は今年暫定ベスト1の一席だった。

かなりいいものを聴いた満足感で外へ出る。
携帯をみると前日も一緒に飲んだ友人H氏からメールが。
今晩キレイどころふたりと飲むので連荘だが出て来ないかとのお誘い。 断る理由は一つもない。
美女たちはタイミングが合わず入れ替わりで登場。 それぞれ一軒ずつ付き合って貰った。
H氏のグッジョブには涙が出る。 あー、つくづく良い休日であった。

がしかし、次回の三三独演・夏のチケット発売日を間違えて覚えていて、
逃したことが後ほど判明・・・こっちはつくづく残念である。


  1. 2013/04/29(月) 23:59:31|
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アイアンマン3 - IRON MAN 3 - 於 ユナイテッド・シネマとしまえん 8スクリーン

中年オヤジが主人公と云うだけでシンパシーを感じるシリーズも3作目。

回を増すごとにエスカレートして行くのはシリーズものの常で、
なんかウルトラ兄弟勢揃いみたいな様相を呈していた。

133分と2時間超えの大作だが、
その尺のために話がややこしく作り込まれている感じがなくもない。
もっとシンプルに90分くらいの引き締まった内容でも良かったように思う。


ironman3.jpg
© 2012 MVLFFLLC. & © 2012 Marvel. All Rights Reserved.


もはやこれと云って書くこともないのだが、
一応観に行ったことをここに残しておこう。

書くことがないのは詰まらなかったと云うことではなく、
面白かったけれどその面白味は言葉にして表す類のものではなかったと云うことで。

残念だったのはスカヨハが出て来なかったこと。
今回は前作のミッキー・ロークを超える悪者が登場しなかったこと。

ちょっと気になったのは次回作を匂わす振りが最後にあったこと。
まだ続くのかぃ。


  1. 2013/04/28(日) 23:59:22|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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定席寄席 四月下席 六日目 夜の部 於 上野鈴本演芸場 / 平成二五年四月二六日

浮世床 / 左龍
坂本龍馬伝 / 歌之介
漫才 / ホームラン
芝居の喧嘩 / 一朝
安兵衛狐 / 馬石

仲入り

粋曲 / 小菊 
怪談話ベタ / 百栄
紙切り / 二楽
青菜 / 一之輔

ダビングワックスを買いに行かねば。
新宿の釣具屋サンスイが近いが、サンスイは上野にもあったことを思い出した。
確か鈴本の四月下席の夜は一之輔が主任だったはず。
最近、師はご無沙汰だし顔付を調べるとなかなか良い番組。
そうだ、上野に行こう。

六時、序盤の左龍から入る。
お目当ては一朝、そして暫く振りの一之輔。二楽の紙切りも久々である。

一朝は「芝居の喧嘩」。
もう少し言い立てのある噺が聴きたかったが、それも巡り合わせだ。

時間が押し気味だった二楽は、桃太郎・鯉幟・卒業写真の三題。
いずれお題を出して見たいものだ。ポチ袋は財布に忍ばせてある。

一之輔のトリ根多は「青菜」。もう夏の噺を聴く時候なのだな。
人気のある一之輔だが、好みで云えば少し押し出しが強くて苦手だ。
それでも久々にと足を運んで見れば、今回はなかなか良かったのだ。
昇進から一年、角が取れた印象。 また小さなハコを選んで行ってみようか。

印象的と云えば百栄。 なかなか面白かった。
新作がどうも苦手で聴く耳が備わっていない気がしていたが、
数少ない新作体験の中でも百栄の高座の印象は今回も然り、悪くないのだった。
機会があればまた落語会にも運んでみようか。

鈴本の緞帳は以前から故障中で、
今回もばつが悪そうに一之輔が下がって行くのを見届ける。
はねる時刻も少し押したが、蛍の光が流れる閉店間際のサンスイへ滑り込んだ。
目当てはすぐに見つかった。連休前半は少しでも毛鉤を巻かねば。

このところ通い詰めだが買い物を済ませて湯島へ。
いずれもお連れあり、一人客の自分を気遣って女将が話し相手に。
黙って大人しく飲める性分だから大丈夫と思いつつも、
初めて来た頃のことなどを持ち出して来るものだから、
僅か一年少々の浅い思い出話などして。
そこで当時はちょっと怖い印象があったと言われてしまった。
何でも知り合って間も無くあったダイバー仲間の飲み会の帰りに、
発車間際の電車に悪戯した少年達を叱りつけたことがあった。
それが突然のことで随分驚かせてしまったらしい。(すっかり忘れていたよ)
やれやれ、人間どこを観察されているか分かったものではないな。

  1. 2013/04/27(土) 11:27:56|
  2. 演芸など
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シュガーマン 奇跡に愛された男 -Searching for Sugarman - 於 シネマカリテ スクリーン2

1968年、デトロイトの場末のバーで歌っていたロドリゲス。
プロデューサーの目に留まりデビューを果たすも商業的には失敗に終わり姿を消すことになる。

南アフリカ。 経緯は不明だがロドリゲスの音源が海を渡っていた。
折りしも反アパルトヘイトの機運に彼の歌が共感を呼び、シンボルソングとなって行く。
アルバムはテープにダビングされ、やがてプロモートも曖昧なままレコードまでリリース。
若者を中心に支持された彼の歌はやがて20年に亘って幅広い世代に愛され、
ストーンズやディランと並ぶロングセラーとなって行った。

しかしロドリゲスの事は誰も知らない。
アメリカでは埋もれてしまったミュージシャンであることさえ後になって分かった事実。
消息も分からず、失意のうちにステージで拳銃自殺したと云う都市伝説さえ残っていた。
南アでひとりの男がロドリゲスの消息を追いはじめた。
そしてその先には思いがけない結果が待ち受けていた。


s-man
(C)Canfield Pictures / The Documentary Company 2012


ドキュメンタリーである。 ネタバレで先を進めよう。
ロドリゲスの消息を追う男はネット上に捜索サイトを立ち上げ、情報収集を続けた。
そこに一通のメッセージが書き込まれる。 ロドリゲスの娘を名乗る女性からだった。

ロドリゲスはデトロイトで生きていた。
建築現場で解体や改修工事に携わり、既に音楽からは遠のいた生活を送っていた。
自分が遠く南アフリカで20年以上に亘って愛されていたことも知らずに。
その事を報せるために男は渡米、ロドリゲスと会い南アへの招聘を試みた。
やがて遠い国を訪れたロドリゲスは伝説のミュージシャンとして熱狂的に迎えられた。
マスコミに取り上げられ、長いときを経て幻の男は現実の世界に姿を現したのだ。
約30年ぶりのライブ、しかも初めて訪れた国で。 公演は全て SOLD OUT。
祖国では誰も見向きもしなかった男が、異国で一躍スターの座へ上り詰めた瞬間だった。

しかしロドリゲスは何も変わらなかった。
帰国後は今までどおり建築現場で働き、穏やかな生活を送り続けた。
版権の曖昧な伝説的ロングヒットは所謂海賊盤、彼のもとには一銭の印税も入って来ない。
南アフリカでのライブ活動の収益は家族や友人のために使い、金銭への執着はいっさいなかった。
彼の人生は変わることがなかった。 プール付の豪邸も、高級車も、贅肉もつかず。
南アフリカを訪れて変化したことと云えば、
娘がその時についたガードマンと結婚し南アフリカに移住して孫を産んだこと。
遠いその地に浅からぬ縁が広がったことくらいだった。

結局ロドリゲスはスターにはならなかった。 ただひとりの歌唄いであり続けた。
彼は現在もデトロイトで今までどおりの生活を送っている。
何も変わらないその姿こそ、純粋な唄い手として彼を今も尚、輝かせている。
 
 
  1. 2013/04/25(木) 23:59:53|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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天使の分け前 - THE ANGELS' SHARE - 於 銀座テアトルシネマ

主人公は前科者の青年。冒頭は彼の傷害事件の裁判の場面から始まる。
裁判の10日後には恋人が出産予定、
弁護士は父親になる彼に更正のチャンスをと、酌量を訴える。

実刑は免れ、保護司の下で社会奉仕活動に従事する日々。
恋人は無事男の子を出産。
彼は嘗ての被害者を我が息子に置き換えて過ちを悔い、更正を誓う。

ある日のこと、同じく奉仕活動に従事するクセのある仲間たちと共に、
彼はウィスキー好きの保護司に連れられて蒸留所を訪れる。
そこでこの琥珀色の酒の魅力を知った彼は、
偶然にもテイスティング(利き酒)の類稀な才能を発揮するのだった。

やがてテイスティングの会に参加した彼はそこでも人々の注目を集める。
そしてその会で、既に廃業してなくなったメーカーの古い樽が偶然にも発見され、
高額なオークションにかけられるとの情報を手に入れる。
彼と仲間はそのヴィンテージカスクを何とか手に入れて、一儲けしようと一計を案じる。


angel's share
(C) Sixteen Films, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,
Urania Pictures, France 2 Cinema, British Film Institute MMXII


恵まれない家庭環境に育ち粗野な日々を送っていた青年が、
父親となり何とかまともな生活を掴み取ろうともがき苦しむ。
しかし悪い腐れ縁は断つことが出来ず、なかなか光明が見えない。
そんな彼の目に、1万ポンドの単位でウィスキーを競り合う人々はどう映ったのだろう。

ストーリーはシンプルだが社会風刺も盛り込まれて良い脚本だった。
世間的な見栄や値踏みでしか価値を判断出来ない金持ちと、
日常の親しみとして嗜む普通の酒飲みと、どちらが幸せであり豊かであろうか。
主人公のやり方はなかなか巧妙で、金満社会に一矢報いるところは観ていて痛快だ。

終盤に向けて思いがけない事が起きて、観ていて思わず息を飲んだ。
ちょっと下品で目を覆いたくなる場面もある。
派手ではないが思いの外、盛りだくさんである。

出来ればウィスキーづくりと云う魅力的な仕事と、
豊かな自然との関わりについてももう少し深く触れて欲しかった。
まぁ物語上、そこは拘るべき部分ではなかったので無理もないが。

酒を飲む幸せが人にあるように、
酒の方にもどんな人に飲まれるかで決まる幸せがあるのかも知れない。
凡庸な感想だが、そんなことを思ったりして。


  1. 2013/04/23(火) 23:59:36|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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『 入船亭小辰の会 その弐 ~春のコタツ~ 』 小辰独演会 於 日本橋ピッコロ / 平成二五年四月二一日

蝦蟇の油 / 小辰 (途中から)
鈴ヶ森 / 小辰

(仲入り)

ねずみ / 小辰


いつもなら小諸そばでかけ蕎麦でも啜ってから会場入りと目論むところだが、
前日に湯島の女将が持たせてくれた鶏と根菜の煮物やポテトサラダで遅い朝食を済ませて満腹。
今回は寄り道せずまっつぐ行くことにして午前中をゆっくりと過ごしていた。
会場までドアtoドアで30分、自由席なので開場に合わせて開演1時間前に出れば良かろうと算段。
正午過ぎにシャワーを浴びて面白くもないTVを観ながら13時を待つ。
そう云えば前回行かれなかった道楽亭の小辰の会は次回いつやるのだろうと気になり、
落協のHPから小辰のページへ飛び、ふと今回の会の案内に目を留めると、開場12時半・開演13時・・・!
当初開演予定は14時だった筈。 前回も14時だったし誤記であってくれろと焦りながら店へ電話。
確認するとああ無情、開演は紛うことなく13時なのであった。 時刻は開演10分前。
取り敢えず予約してある旨、今から向かうと告げるとどの位で着くかと訊ねられた。
30分後にはと言うと店前で待っていて裏から入れてあげると言われ、礼もそこそこに家を飛び出した。

地下鉄車中、進行によっては仲入り後の一席だけかも知れないと落胆しつつ、日本橋駅から急ぎ足。
自分の粗相がなければ席亭も小辰の噺が楽しめたろうに、小走りに辿り着いた店前で自分を迎えてくれた。
会場の設えで高座は店の出入口を背にしているから口演中は正面から入れない。
裏の厨房側から末席へ、コソコソと中へ入ると小辰が顔を真っ赤にして 「 蝦蟇の油 」 を熱演中だった。
既に噺は終盤、酔っ払ってヘロヘロの口上を言っている件だった。
残念、冒頭の口上の言い立てが聴きたかったなと思いつつも、
この時刻でこの件を演っているならまだ一席目だろうと分かってその点ではホッとした。

やがてサゲ。 小辰曰く根多おろしだったとのこと。
聴いている最中は以前聴いたか確かめようもなかったが、根多おろしと分かると更に残念が極まった。
況してや二席目が幾度か聴いている 「 鈴ケ森 」 だっただけに、順番が入れ替わっていたらと。
尤も、「 鈴ヶ森 」 から 「 蝦蟇の油 」 では番組的にちょっと流れが違うとも思ったのだが。

二席で仲入り。 ワンドリンク付の木戸銭を漸く払って冷えた生ビールを貰う。
慌てて転げるように参じたのでこのビールは美味かった。

三席目は予想通り 「 ねずみ 」 。 先日道楽亭で根多おろししたばかりだからこちらでも演るだろうと。
遅刻に際しても、今日はこの 「 ねずみ 」 が聴かれたら由としよう心がけていた。
なかなか丁寧な運びだった。 個人的にはもう少し甚五郎に特色を持たせた方がと思う。
鯉昇の甚五郎がちょっと惚けた感じで好みであり、自分のイメージともマッチする。
小辰にも小辰ならではの甚五郎像を作り上げて欲しいものだ。

終演。小辰の控え場所は自分の席のすぐ後ろの暗幕の中。
一旦下がってからお見送りに出て来た所で目が合う。
一応このオヤジの顔は憶えてくれたようで、間違えて遅刻したとこちらが照れる始末。

次回が7月6日と決まり、夕方から入っている雲助の前に来られそうなので予約して会場を後にした。
因みに昼間に調べかけた次回の道楽亭の方は、同じく雲助とダブって行かれない事が判明。 残念至極。


  1. 2013/04/22(月) 23:59:02|
  2. 演芸など
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らくごえいが 於 シネマート新宿 2スクリーン

落語と結びついた映画にも色々な手法がある。
本作は「ねずみ」「死神」「猿後家」を原作に、現代劇三本の構成。

古典落語について自分が常々思っていることは、
きちんと演れば面白いように出来ていると云うこと。
噺の好みは聴き手の好き嫌いで分かれるが、
それとは別の次元で長い歴史の中で修練されることで確立した完成度がある。
その核は外すべきではないだろうし、そうでなければ落語と絡める意味もなかろう。

確かに原作をただ現代に置き換えるだけでは捻りも無く芸も無い。
現代社会の世情にあった何かが持ち込まれてこその作り甲斐だろう。
原作をいかに脚色するか、そこが腕の見せ所であり、こちらの見所だろう。

その点において本作にはピンと来るものが無かった。
確かに原作を匂わすものはあったけれど関係性が希薄、
別にそれぞれの落語と結びつけなくても成り立ってしまう物語だった。
先に書いた落語の核の部分と通じておらず、
原作と切り離せない何か(サゲみたいなもの)まで達していないのがもどかしい。

“もろ落語”な感じにはしたくなかったのか。
ドラマ「タイガー&ドラゴン」の二番煎じと言われたくなかったのか。
何か新機軸の捻りを以って実験的な作品としたかったのか。
様々な模索の末に、拠り所のはっきりしない仕上がりになってしまった感が否めない。


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(C)らくごえいが制作委員会


観る側が落語聴きかそうでないかで捉え方も違って来るだろう。
良し悪しは別に落語聴きには「ねずみ」「死神」「猿後家」への心構えがある。
では落語を聴かない人、原作を知らない人はどんな感想を持つのだろう。

映画の冒頭と末尾で噺家へのインタビューが流れる。
冒頭は作品への期待について。 そして末尾には感想。
その中で志らくが、これをきっかけに原作となった落語を初めて聴いた人に、
映画の方が面白かったと言われれば本作は成功だと述べていたが、
その言葉には落語の方が当然面白いと云う確信がありありと出ていた。
そう云うことのなのだ。 あのひと言が落語聴きの溜飲を下げたように思う。
しかも悲しいかな、作品の締め括りとして・・・。

終演後、監督とプロデューサーの挨拶があるとは知らなかった。
ちょっと居た堪らず、入れ違いに出て来てしまった。
 
 
  1. 2013/04/21(日) 23:59:31|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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The first catch - フライフィッシング 福島釣行 '13・春 -

解禁はしたものの多忙で渓流どころではなかった三月。
四月には少し落ち着くと釣友に伝えてあったところ良いタイミングで連絡が来た。
お互いのスケジュールを擦り合わせて14日の日曜が我が解禁日となった。

エリアは友人に一任。 常磐道を福島方面へひた走る。
立入り禁止区域からは離れているが、風評もあって釣り人の少ないエリアである。
ただ、友人のリサーチでこの時期ならば、
まだフライで釣った事の無い自分にも十分勝機はあるとの心優しきチョイスであった。

遊漁券を入手し、里を抜けた所で車を止める。 程よい川幅の穏やかな川。
久々に渓装を纏い、少し下流へ戻るように歩いて、0800時入渓。
数ヶ月ぶりに川へ足を一歩踏み入れる。 この音、色、匂い、そして足から伝わるこの感触・・・
まるで身体の中を何かが通り抜けたかのようだ。 久々の感覚が記憶と共に甦って来た。


250414-1
(左)川に立つ釣友 ・ 渓相(右)


感慨に浸る間もなくキャスティング。 何しろ練習する場所もない都会暮らし、ぶっつけ本番である。
去年はスクールでコーチを受けたが、もう記憶の彼方のこと。一から思い出しながらロッドを振る。

友人と場所を前後しながら遡行を続ける。
一応自分でも巻いて来たフライだが、どれも叩き殺されたみたいに無様である。
ロケーションに合わせて友人が幾つか見繕って与えてくれたものをまずは使う。
アドバイスを受け、微かな記憶も動員してフライの感覚を取り戻して行く。
そうやっていつの間にか谿と渓魚で頭の中がいっぱいになって行く・・・まさに没頭。

1100時を回って少しずつライズが始まった。
一箇所、小振りだが数尾が活況を呈しているポイントに辿り着く。
そこでまずは彼が一尾目をキャッチ。 早速胃の中をチェックするとスピナーを偏食していた。
当初、ダンを想定してフライを選んでいたが、これを見て彼が別のフライを与えてくれた。
そこからライズするポイントへプレゼンを繰り返す事数回・・・遂に我がロッドが撓った。
その時友人は先行しており、我独り。 静かな興奮の中、ネットにヤマメがおさまった。
体長13cm、ごくごく小振りなヤマメであったが、これがフライ人生でのファーストキャッチ。
三年目、感慨も一入である。 暫しその小さくも美しい姿を眺めて後、リリース。


250414-2
(左)釣友と山桜 ・ フライ初キャッチ(右)


結局、この後はウグイが一尾かかっただけでイブニングに納竿となった。
何度か反応はあったものの、合わせるタイミングが不細工過ぎて、まだまだである。
それでも一尾釣り上げた事で 「 (ロッドに)魂入ったね。 」 とは友人の寸評。
今回は至れり尽くせりで世話になった。 素晴らしい解禁、彼と川に感謝である。

 

今回のツーリング <期間:1日>

  走行距離:491㎞     走行時間:6時間29分
  平均時速:75.73㎞/h  平均燃費:12.6㎞/L
 
 
  1. 2013/04/15(月) 23:59:42|
  2. 旅や野遊び
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『 人形町噺し問屋 その39 』 兼好独演会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二五年四月一二日

饅頭こわい / 笑二
締め込み / 兼好

(仲入り)

スタンダップ コメディ / ナオユキ 
五人廻し / 兼好


図面と睨めっこしているうちに出遅れてしまった。
会場手前の小さな蕎麦屋へ寄る時間がない。あすこの掛け蕎麦を試すのは次の機会にしよう。
腹は減っていたのでコンビニでジェルドリンクを買ってチュウチュウ吸いながら会場入り。

ギリギリで席に着く。
オジさんの風体などよく見ちゃいないが、どうも毎回隣の男性が同じではないかと思う。
この会はお願いすると毎回同じ席を確保しておいてくれる。どうやらお隣もその手のお客らしい。
どうせならキレイなお姉さんかスゲェ落語通な爺さんだったら良かったのに。 ・・・お互い様か。

恒例のご挨拶。 兼好の娘さんが免許を取った話。 兼好自身が四国で久々に運転した話。
ご実家のお母様がMT乗りでなかなかのレスポンスだが、車に纏わる嘘みたいな逸話を幾つか。

笑二、沖縄出身とのこと。 珍しいと思われるが、噺家に何人くらい琉球の人がいるのだろう。

ナオユキ、初めて観る芸人さん。 スタンダップでぼやき漫談を演る。
これがなかなか面白い。 そのネタの数の豊富さも大したものだ。
素人でも酒の席などで使えそうな話芸。 これやればウケると思いつつ、ずーっと笑っていた。
ではやれるかと云えば、はねてその場を離れると殆ど憶えていない。笑い飛ばすとは言ったものだ。

兼好の二席はいつもどおり楽しめた。
「 締め込み 」 の入れ事に不意をつかれる。
美味い酒をふるまわれた泥棒、角の酒屋で売っていると聞いて、今度入ろう。 と云った具合。
「 五人廻し 」 には喜瀬川が出て来なかった。 五人を手玉に取る喜瀬川とはどんな女なのか。
今で云えばスナックのアケミちゃんだろう。(これ以前にも書いた記憶が)

当初はまっつぐ帰るつもりでいたが、掛け蕎麦を食べそこねて小腹が空いていた。
四路線三駅ある地元駅の中で最も低い川沿いにある駅へ降り立ち、川縁の居酒屋へ。
その店の刺身ちょっと盛りで一杯やりたくなったのだ。
680円で何種類もの刺身が盛られ、一人では食いでのあるボリューム。
鮪にキンキ、鯵、赤貝、甘海老、雲丹巻きにイクラ巻き等がこぢんまりと盛られて満足まんぞく。
ここにも山菜の天ぷら盛り合わせがあったので頼んだが、盛るほど残りが無いと。
野菜天に山菜つけて出せると言うのでそれを頼んだ。 大瓶ラガーを飲んで二千円で釣りが来た。
この店は頼みたいものがありすぎて、一人で来ると若干ストレスが溜まる。笑


  1. 2013/04/13(土) 23:59:58|
  2. 演芸など
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定席寄席 四月中席 初日 夜の部 於 上野鈴本演芸場 / 平成二五年四月一一日

金明竹 / 扇
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
饅頭こわい / 志ん公
太神楽曲芸 / 仙三郎社中 
子褒め / 龍玉
雛鍔 / 圓太郎
奇術 / ダーク広和
権助魚 / 雲助
芝居の喧嘩(講談) / 琴調


仲入り

紙切り / 正楽 
出来心 / 燕路
粋曲 / 小菊 
付き馬 / 白酒


兄の仕事や交友関係が縁の飲み仲間が何人かいて、
その中に落語を一度聴いてみたいと云う人がいた。
彼女はこの春まで高校受験の娘さんが生活の中心だったので、
晴れて高校進学となった四月以降でお誘いしようと思っていた。
折り良く鈴本四月中席夜の部の主任が白酒だったのでお運び頂いた。
五街道一門に圓太郎と自分好みのチョイスであったが、果たしてどうなることやら。

自分は日暮里での打合せが頃合良く済んだので開演前に会場入り、
招待客(と云っても木戸銭は奢っていない)は仙三郎社中が太神楽を演っている最中に到着。
彼女はいきなりの曲芸を目の当たりに息を呑んでいた。

そして龍玉。 この18時の龍玉に間に合って貰えればと思っていたので、まずはホッとした。
若手正統派から入って圓太郎の客捌きでほぐれて貰って雲助を堪能して貰う。
そんなストーリーをイメージしていたが、概ね思惑通りに行ったと思う。
ダークさんはちょっと真面目地味めなので、
ここにもう少し砕けた奇術か漫才が入れば良かったかなと思ったが、
ダークさんのレトロ感も彼女の受けは悪くなかった。
食いつきは正楽の紙切り。 誰もが知っているが生で観る機会はそうそうない紙切り。
そして綺麗な小菊さんのお三味線が膝がわりに入って、トリは白酒。

自分としては上出来な芝居であった。
ご当人はどうだったかと感想を訊ねれば、とても面白かったと。
・・・まぁ、そう言うよな。
それでも落胆させるような接待ではなかったであろうとの手応えはあった。
鑑賞ごとに人様を誘うのはセンスが問われる。 緊張するものだ。
とにかく自分が楽しめる芝居だったことに於いて、チョイスに間違いはなかっと納得しよう。

はねてから少し飲もうと、湯島の女将に電話をして空席を確認してから暖簾を潜った。
自分が女性と二人連れで訪れたのは初めてである。
パッと見、年齢的なバランスは取れた男女だし、しかもお連れは美人である。
女将もオヤッとした表情。 そんなんじゃないよと思いつつ、取り敢えずはお疲れ様の乾杯を。
ひとしきり寄席の話をして、その後いろいろと兄がらみの話など。
顔見知り程度だし、二人で会うのは初めてなのでそれほどディープな話題もなく。
それでもお互いもういいオジさんとオバさんだからそつなく色々と会話を楽しんだ。
彼女は翌朝に娘さんのお弁当づくりもあるし、程よい時間でお勘定。
店を出る際に女将と彼女が名刺交換、店を出て上野広小路の交差点で解散と相成った。
お連れすると約束してから数ヶ月が経っていた懸案事項。 これで漸く肩の荷が下りた感じである。
さて、女将の店にはまた土曜に行く。 彼女はボクのいいヒトではないよと、言い訳しなくては。


  1. 2013/04/12(金) 23:59:33|
  2. 演芸など
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『 人形町らくだ亭 第47回 』 志ん輔・小満ん・小柳枝・談修 於 日本橋公会堂・日本橋劇場 / 平成二五年四月八日

出来心 / 半輔 (途中から)
身投げ屋 / 談修
蒟蒻問答 / 小柳枝

(仲入り)

鶴満寺 / 小満ん
お若伊之助 / 志ん輔


らくだ亭は根多出し興行、HPで確認すると志ん輔のトリ根多が 「 お若伊之助 」 であった。
先月末の圓太郎商店の時にも書いたが、この噺が嫌いである。
らくだ亭は行くと次回のチケットを手売りしている。今回のチケットもそれで入手した。
その時点でトリ根多は出ていた筈だが見落としたか。気づけば今回は見送ったかも知れない。
志ん輔は好きだがあまり聴く機会のない人だから らくだ亭の出演は嬉しい。
しかし噺が 「 お若伊之助 」 となると話は別だ。

今週は急遽木曜に知人と鈴本の夜の部へも行くことにしたので、金曜の兼好と合わせて三つ。
その詰め込みもあって、今回のらくだ亭への興味がぐんと薄れてしまった。
出る直前まで、いや地下鉄の駅へ向かいながらも止めてしまおうかと迷い続けた。
そして乗った地下鉄はその心情を見透かすように途中駅で何度も時間調整をして、
ぐずぐずと茅場町へ牛歩を進めるのであった。

結局、間に合う筈の半輔にも、始まったばかりであったが途中入場。
ひとまず最後列に腰掛けて終わるのを待つ。
小満んが仲入り前であったらそこで引き上げてしまおうかと栞を見たが、
レギュラーの二人は仲入り後に続いていた。 色々と歯車が噛みあわない。
こんな気分で落語に臨んだのは久々、いや初めてかも知れない。

お目当てを小満んに絞り込んで、食いつきの一席を待つ。
果たして、小満んの 「 鶴満寺 」 は楽しむことが出来た。
幾つも春の句を詠むまくら、少し記憶が曖昧でつかえたり諦めたりもあったが、春爛漫であった。
花見の噺の中で、こうなごの釘煮で酒を美味そうに飲む場面があった。
釘煮は自分も好物である。 毎年春先になると神戸の伯母が手作りを送ってくれる。
その味を思い出し、甘い煮物を肴に酒をやるのも悪くないな、明日の晩酌は釘煮で酒にしようか、
しかし家には自分の日本酒がなかったな、などと考えを巡らしていた。

小満んが下がって、トリの前に抜け出せそうなタイミングもあった。
「 鶴満寺 」 が良かったからその気分のまま帰ってしまおうかとも思ったが、
やはり志ん輔を聴きたい気持ちが勝って踏み止まった。
しかし相変わらず 「 お若伊之助 」 は嫌な噺で楽しくは聴けず・・・
それでも志ん輔の少しドライな語り口もあってか、今までより嫌な印象が薄かった感じではあった。

はねてからどうしようかと考え、高円寺へ向かうことに。
暫く忙しくマスターの所がご無沙汰であった。 この辺で顔を出しておきたかった。
久々の店はほかに客も無く、誰かが帰ったばかりの気配であった。
ビールの気分ではなかったので最初から日本酒を常温で貰うことに。
“ 渓流 ” と云う、今時候にいかにもな銘柄を勧められてそれを貰う。
すると程なく出て来たお通しが、偶然にも釘煮だったものだから驚いた。
終わりよければすべて良し、頭の上に鶴満寺の桜を浮かべつつ、嬉々と箸を伸ばしたのであった。


  1. 2013/04/09(火) 12:21:36|
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小三治独演会 於 サンパール荒川 / 平成二五年四月四日

たらちね / ろべえ
二人旅 / 小三治

(仲入り)

茶の湯 / 小三治


信号待ちをしていて、チケットを忘れたことに気づく。地下鉄に乗る前で良かった。
しかし当初の目論見より遅れての出発に追い討ちをかけてしまった。
考えていたルートでは間に合わない。
町屋の立ち食い蕎麦に寄ってみる企みもキャンセルである。
ググると定刻運行なら最短到着ルート、西日暮里でJRを下りて都バスの停留所へ。
しかし運行状況を iPhone でチェックすると6分遅れ。
世の中便利になったが情報が細か過ぎるのもどうかと思いつつ、
では調べなければ良いのだと結論に辿り着いてしまった。
計算上は開演時刻ちょうどの頃合で停留所へ到着する。
停留所から会場までは指呼の間だ。何とかなるか・・・
果たしてろべえが出る直前に席まで辿り着いた。 気を揉んでも結局はこんなものなのである。

最近のネット情報を総じると小三治の体調不良が窺えたが、
高座に上がった師の様子はそんなに不調とも思えなかった。
花粉症に罹ってしまい、薬のせいで多少冴えないようなことはこぼしていたが。

そんな花粉症のことやら何やら、いつもの長まくらが続いたが、
取り立てて印象に残る話題ではなかった。

「 二人旅 」 はこれで三度目。
盛り上がりの無い噺ではあるが、旅の道中の会話が長閑な春の一場面のようで悪くは無かった。
「 茶の湯 」でもご隠居と定吉の他愛のない会話が楽しい。
顧みれば今回は他愛のない会話で終始長閑な空気感であったことに気づく。
そんな中、「 茶の湯 」 で定吉が旦那 (ご隠居の倅) は茶の湯の嗜みがあると言う場面がある。
ご隠居は仕事一筋、身を粉にし真っ黒になって働いて身代を築いたのだろう。
そして自分の息子には大店の跡継ぎとして不自由のない生活をさせたのだろう。
そんな息子は風流を楽しむことを覚えたが、
自分は隠居してみればする事がないほど仕事の虫であったと云うこと。
ちょっと見栄を張って茶の湯の心得があるように振舞っている老人の可笑し味と切なさが、
ご隠居の一言一句に滲み出て、人生の機微とでも云おうか、何となく琴線に触れるのだった。
そして目に浮かぶ隠居の姿はやはり五代目小さんのような顔の丸い穏やかそうな老人なのである・・・

はねて帰りはチンチン電車で町屋へ向かう。 走り出す時に本当にチンチンとベルが鳴る。
乗り換えて湯島へ。 女将の店に今週は山菜が入っているのを聞きつけていたのだ。
春野菜と山菜の天ぷらで飲む。 小三治をたっぷり聴いて、美味い肴で酒を飲んだ。
火曜日に仕事が一山越えて、心も落ち着き満ち足りた夜だった。
客足の引きが早く、閉店前に自分ひとりになってしまった。
女将との他愛の無い会話を楽しんで、こちらも後を引かずに気分良く店を出た。
今にして思えば、女将を口説いて一軒誘ってみれば良かった。 後の祭りである。


  1. 2013/04/05(金) 17:36:27|
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東奔西走  南船北馬
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歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

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