七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 人形町噺し問屋 その42 』 兼好独演会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二五年八月一三日

大安売り / 竹のこ
だくだく / 兼好

仲入り

尺八 / 坂田梁山
三方一両損 / 兼好


この会場は噺家連中にも人気で、なかなか押さえ辛くなったと兼好。
来月は何とか確保出来たが、年内はそれでお仕舞いと残念な告知。
かと云って落語会を開かないのも何なので、
場所を深川に移して十一月に噺し問屋は開くと今度は嬉しい告知。
そんな中、今回初めて立ち見が出た。後ろを見て兼好が詫びている。
自分が通い出したのが「その28」であった。
ほぼ毎月だからそれほど前のことではなく、昨年二月のこと。
確かにその頃よりもお客は増えている。
それこそ最初からのご贔屓筋からすれば感慨深い立ち見騒動だろう。

「三方一両損」を聴いたのは初めて。
もっと堪能したかったが、ここ数日仕事が頭から離れず。
兼好ならば良い気晴らしになろうと期待しての今回であった。
もちろん、沢山笑って大いに楽しんだのだが、
ふと頭を過ぎる懸案事項がその笑いの風船をしぼませる。
そんなこんなで腹八分目でお開きを迎えることに。
まぁ、この会がなかったら更に悶々としていたことであろう。
落語に足を運べるうちは、まだ精神的に余裕がある証左と思っている。

仲入りに湯島へメールして空き具合を確かめた。
十時で店仕舞いですが是非にとの返信。
月遅れの盆の候、今週は早仕舞い営業のようだ。
九時半を回るようならば行かない積りでいたが九時過ぎに跳ねた。
移動もスムースで、ひと息ついて軽く呑める時分には暖簾を潜った。

雲助の惨劇を聴いた後で黙々と飲んだのが十日ほど前。
今回は仕事で少しクサっているが、美味い酒肴でこの日を締め括らねば。
蛤や がんもどきなどを突きながら女将と共通の友人たちの噂話をする。
早い人は既にお盆休み、あちこちへダイバー仲間が旅に出ている。
そこでちょっと面白い話を聞いていい気晴らしになった。
小一時間の寄り道だったが悪くない〆であった。

翌日、十一月の深川の席を確保すべく兼好へ電話。
人形町では定位置を取り置いて貰っているので予約電話は久々。
深川の件だと告げて、人形町でいつも座る位置相当の席番を指定した。
すると既に埋まっているとのこと・・・残念と思いきやそこで誰何され、
名を告げるとその席は人形町の見当で自分の為に確保してあったとのこと。
恐れ入ったお気遣い。オレ様もご贔屓筋の仲間入りか・・・?!


  1. 2013/08/14(水) 23:59:55|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

SHORT PEACE 於 新宿ピカデリー 1スクリーン

5月に『図書館戦争』の記事を書いて以来の映画レビュー。
あれから5本の映画を観たのだが、どれも書くことが思いつかず。
6本ぶりになかなか印象深い映画を観た。
短編4作品のオムニバス。それぞれに関連性はなく独立している。

「九十九」
江戸の頃、嵐の夜、深い山中で道に迷った男が見つけた小さな祠。
中に入りひと息ついた時、そこは突然別世界の部屋に変化する。
次々と現れる捨てられた傘や、着られなくなった着物などのモノノケ達。
男はその怨念を秘めた古い道具たちを丁寧に修理し、慰めてやる。

独特の絵柄と魅力的な男のキャラクターがいい。
男を演じるのは山寺宏一。 彼のいちばん良い声がシアターに響く。
心地好い。 美しい映像と相俟って観る側も幻想の世界に誘われる。

「火要鎮」
江戸の町。商家の娘お若と幼馴染の松吉。
惹かれあう二人であったが、松吉は火事好きが高じ火消しとなり家を勘当。
縁談が進むお若は松吉への思いを忘れ難く、ふとした火の不始末を放置。
火事になれば火消しの松吉っぁんに会える・・・女心の凄まじさ。
その火事が江戸の町を焼き尽くす大火となる中、再びめぐり合う二人。


hinoyoujin.jpg
(C)SHORT PEACE COMMITTEE
(C)KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE


「八百長お七」や「火事息子」を想わせる江戸の風と粋と情。
定火消し(臥煙)の姿形や半鐘の鳴らし方などディテールが細かい。
映画の男主役・松吉は「火事息子」の主役・藤三郎がモデルと思われ。
女主役・お初の方は、「八百屋お七」であろう。
とにかく美しい映像と、落語を通して慣れ親しんで来た江戸の風情が堪らない。
12分43秒と短い作品だがその世界観は圧巻で、大友克洋の圧倒的存在感。

残り2編は個人的には今ひとつ。
「GAMBO」はファンタジーに少しだけSFの要素もあり異色の昔話。
「武器よさらば」は転じて近未来の設定が他3編とかけ離れていた。

オムニバスの難儀なところは、それぞれの余韻に浸る暇がないと云うこと。
特に「火要鎮」は、観終わってもう少しその世界に居残りたかった。
いずれ出るであろうBDを手に入れて、改めてじっくりと観てみたい。

劇場が明るくなって、若い観客からは戸惑いに似た感想が聞かれた。
多少、年齢のハードルがあるかも知れない。
なかなか大人なアニメーション。お勧めの一本であった。


  1. 2013/08/12(月) 23:59:52|
  2. フォト・キネマ・アートとか
  3. | コメント:0

『 らくご街道 雲助五拾三次 -惨劇- 緑林門松竹  』 於 日本橋劇場 / 平成二五年八月二日

新助市 / 雲助

仲入り

おすわ殺し / 雲助


前回は当日キャンセルを覚悟した後、何とか仲入り後に間に合った会。
今回は前売りを買わずに当日まで様子見をしてから足を運んだ。

百目蝋燭が高座に二本、灯りはそれだけ。
目が慣れても少々暗過ぎる。
演目に合わせての演出だが、少々やり過ぎか・・・。
色々と凝った演出は興行主の いたちや らしい。
確かに昔の寄席なら照明はやはり蝋燭だけだっただろう。

今回は芝居仕立ても はめものもなく、語りのみで聴かせた。
そのことによる求心力と緊張感が物語の凄みを増していた。

二時間で六人が殺された。
まだ六つの子供の首が転がった。
落語と云うのは幅が広く懐が深い芸だなとつくづく思った。

はねてからいつも通り湯島へ。
女将に話すつもりだったあれやこれやをすっかり忘れて黙々と飲んだ。
何も喋らず無愛想に飲み続けた。
さぞ変なオジサンに見えたことだろう。

ふと気づけば閉店時間。
ひたすら飲んでいたせいか、何か物足りない。
もう一軒、少し付き合ってと女将を誘ったが振られたので帰ることに。
帰宅すると結構酒がまわっていた。
惨劇の余韻からか、寝つきが悪く夜中まで寝返りを繰り返した。
時たまに、殺しの場面が脳裏に浮かんで嫌な気分であった。
雲助、恐るべし。


  1. 2013/08/03(土) 23:59:24|
  2. 演芸など
  3. | コメント:2

『 DOURAKUTEI出張寄席 百栄・兼好「爆笑噺対決」~まっぴらごめんねぇ~』 於 新宿文化センター / 平成二五年七月三一日

蝦蟇の油 / わん丈
風呂敷 / 兼好
たがや / 百栄

仲入り

寿司屋水滸伝 / 百栄
お化け長屋 / 兼好


一昨日付けた時計の革ベルトにひとつホールを増やしに行く。
手首が細く市販の革ベルトは大抵ホールが欲しくなる。
伊勢丹を再訪してから、月曜に寄られなかったカレー屋へ。
実は件のカレー屋、月曜は定休だったようだ。
結果的には無駄足を踏まずに済んだ訳だ。
なすチキンカレーを注文、辛さは十段階のうち下から四番目。
満腹は睡魔の基なのでご飯は少なめ。
独特な風味のカレーであった。少しヨード臭に似た風味がする。
ウィスキーのラフロイグを連想する癖のある風味だ。
それがなかなか美味い。 ただ好き嫌いは分かれそうだ。
チキンは程よく柔らかく、さらさらのインド風カレー。
備え付けの福神漬がまた自分好みで美味かった。
次回は発酵バターをトッピングしてみよう。

道楽亭、相変わらず長いタイトルの会。 席は最前列ほぼ中央。
兼好と百栄を聴くにはちょっと濃いポジションだなと思いつつ。

百栄の古典を聴いたのは初めてだ。
季節ものを取り上げて 「 たがや 」。ちょっと意外な感じ。
二席目はきちんと(?)新作、喬太郎の 「 寿司屋水滸伝 」。
もともと新作アレルギーなところがあったのを百栄が払拭した。
まだ他の噺家の新作ものには抵抗はあるのだが。

兼好は相変わらずの兼好節であった。
ただ 「 風呂敷 」 の印象が薄い。
やはり百栄の毒の方が強いと云うことか。
「 お化け長屋 」 の掛け合いはなかなか楽しませて貰った。

はねてから一昨日の約束どおり、ゴールデン街再訪。
以前、瀬戸物の金魚が泳ぐ鉢の下敷きがパイル地のタオルだった。
それを手ぬぐいに差し替えて貰おうと紫陽花・朝顔の二本を贈った。
それがお気に召したか、各々同柄を買い足し浴衣を誂えておられた。
月曜に訪れた時には先週末に足を怪我したとかでお召しでなかった。
それを着付けて見せて貰うべくの、今回の再訪であった。
今回は朝顔の方を着ておられた。
紫陽花柄のも見たかったが一度には無理と云うもの。またの機会に。
浴衣のママと囲炉裏の角を挟んで語らう。夏野菜の煮物を肴に酒は冷。
ゴールデン街とは云えいちばん端の通り、往来の人も少なく静かだ。
店先に提げた南部風鈴が涼しげに鳴っていた。
浴衣・夏野菜・冷や酒・風鈴に夜風・・・日本の夏。


  1. 2013/08/01(木) 12:15:48|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

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- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

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