七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

定席寄席 一二月中席 楽日 夜の部 於 鈴本演芸場 / 平成二五年一二月二〇日

たらちね / ございます(途中から)
................................

悋気の独楽 / 小辰
ジャグリング / ストレート松浦
時そば / 菊太楼
豊竹屋 / 志ん輔
漫才 / ロケット団
太閤記 / 圓太郎
露出さん / 百栄

仲入り

粋曲 / 小菊
宗論 / 一朝
奇術 / アサダ二世
徂徠豆腐 / 扇辰


鈴本の中席で扇辰が主任を務めていた。
14日も考えたが当日は映画に行ったので後日改めようと。
いよいよ金曜が楽日だったので足を運んだ。
交代出演の小辰が出番であったし、文左衛門の代演が圓太郎。
菊太楼には悪いが他の六師は好きな噺家がズラリと並んだ。
この顔づけなら申し分なく、聴けば菊太楼も良かったし。

久々に志ん輔を聴いた。「豊竹屋」は義太夫を唸る噺。
喉が強くない師の熱演に、聴いているこちらが力んでしまった。
明けて今日、師のブログを読むと昨日の高座の事が書いてある。
千秋楽でもあり今年最後の寄席の高座でもあるので精一杯・・・
と云うことであった。読んでいて嬉しくなる心意気だ。

トリの扇辰が出色であった。
扇辰を初めて聴いたのが「徂徠豆腐」であった。
冷奴をやけに美味そうに食べるのが印象的であった。
今回もそれは変わらず。 寒い冬に冷奴だけの飢え凌ぎ。
季節感たっぷりで、大いに楽しませて貰った。
楽日ならではの充実感とでも云おうか。
この日を選んで良かったと思わせるものであった。

以前、小辰が師匠の話として言っていた。
扇辰の贔屓は“扇辰も好き”程度の距離感であると。
確かに自分もその一人かも知れない。
ただこの人だけと云うよりは、欠かせぬ噺家達の中のひとり。
知っている客だけの楽しみ。そんなに広まらなくてもいい。
我先と席を確保せずとも、心安くゆっくりじっくり聴ける。
扇辰の魅力には、そんなところも含まれている気がする。

かなり満足して湯島へ。店はひと段落したところらしく。
先客は二人連れだけで、女将もひと息ついている感じであった。
お通しでビールを干していると、つぶ貝の煮貝が二つ出て来た。
ひとつは先っぽまで上手く引き出せず切れてしまった。悔しい。
出汁巻き玉子は自分で頼んだが、あとは何かとお任せで出て来た。
やがて常連さんが二人来ていつものペースで四方山話。
閉店まで飲んで解散。
一旦駅まで行ったが気が変わり女将にメール。
一軒行くかと誘ったら行くと言うので地上に戻る。
リクエストで店近くのビストロでお疲れ様。
気づけば地下鉄終了、TAXIで帰宅も信号が通って足代は安かった。


  1. 2013/12/21(土) 11:31:57|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

ゼロ・グラビティ- Gravity - 於 ユナイテッドシネマとしまえん 8スクリーン 3DIMAX

VFXを用いて何を見せるか。
想像を絶する容姿の巨大な怪獣か、或いは人類を超越したスーパーマンか。
実世界には無いものを創出する事だけがその技術の真骨頂ではない。
その事をまざまざと見せつける秀作であった。

銀幕に広がる世界はリアルで、行った事もない衛星軌道に我々を誘う。
今まで色々な映画でバーチャルな世界をアトラクションと呼んで来た。
しかし真にアトラクションと云えるのはこの作品の事ではないだろうか。

そこに広がる沈黙の世界と宇宙服の中だけに響く息遣い、鼓動、交信音。
演出される緊張感はまさにバーチャルリアリティであった。
映画館のシートに身を沈めながら、確かに自分は“あの場所”に居たのだ。


ZG
(C)2013 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.


複雑な脚本はない。ちょっとしたトラブルが徐々に重大な結果へと進んで行く。
冷静な判断と正しい行動だけが生き残る術。
あの天の高みに行くことが許されるのは、そうした術を体得した者だけ。
そう云うことを強烈に思い知らしめる作品でもあった。

映画を観ながら体躯が強張るこの感じ、本当に久々であった。
「アイガー北壁」以来の緊張感。
これは映画館で観る価値のある一本。


  1. 2013/12/19(木) 18:00:40|
  2. フォト・キネマ・アートとか
  3. | コメント:0

小三治独演会 於 銀座ブロッサム / 平成二五年一二月一二日

蔵前駕籠 / 喬太夫
青菜 / 小三治

仲入り

初天神 / 小三治


もうひと区切り、もうひと区切りとやっているうちに出遅れてしまった。
ホワイエに辿り着いたところで喬太夫が語り始めた。
ホールに入ったのは30秒後くらいか。
席は後ろから二列目、通路からも近いので入れて貰った。
座ってみると目の前に後頭部、頚を傾げても視界が晴れない。
右目を瞑ると喬太夫が見え、左目を瞑ると後頭部しか見えない。
両目を開けると喬太夫と後頭部がダブって見える・・・これは見辛い。
ブロッサムの後方中寄りの席はとにかく高座が見辛い。
せめてもうひとつ右の席ならばと思うが、満員御礼で空席などない。
いっそのこと目と瞑って聴こうかと思うほどだ。
小三治が上がる。やはり見えないので左に頚を傾げる。
隣の男性がそれを気にする気配が分かる。困ったなぁ・・・。

今年の暑さは・・・と少しだけ夏を振り返って「青菜」。
冬に聴く「青菜」と云うのも珍しい。
聴いていると自分の口中まで熱を帯びてくるから不思議である。
旦那と奥さんの所作がおっとりしていて上品だ。
植木屋は羨望をもってそれを真似てみる。
落語だからそれが可笑しいのだが、植木屋は成り切ろうと真剣そのもの。
その滑稽さが楽しくもちょっと切なかったりする。
そう思わせる小三治の話芸と云うことかも知れない。

「初天神」。この噺は小三治がいちばん好きである。
小三治のきん坊はどうしてこんなに可愛いのだろう。
席が遠い上に見づらいからその仕草を堪能出来ないのが残念でならない。
そのきん坊の駄々に手を焼くおとっつぁんが繰り返す。
おっかぁがもっと早く羽織を出していればこんなことには・・・と。
自分も、席があとひとつ右にずれていればと繰り返したい気分であった。
しかしおとっつぁんはぶつくさと怒りながらもきん坊の言う事を聞いてやる。
この小生意気な倅がその実可愛くてしかたがないのだろう。

殆どまくらなしで二時間かからずにはねた。
暮に小三治を聴きたいと取った席であったが気疲れしたし頚も疲れた。
大きな会場へは行かなくなったが、ブロッサムもこれを最後にしようか。
なんとなく消化不良で、やはり三月の行徳の独演会には行こうと決めた。
そう決めたのだが、本日十時の発売を直前で失念して取りそびれてしまった。
暫く小三治はお預けだ。

どこかで一門会を取ることにしよう。
最近は独演会よりも一門会の方が小三治も楽しそうに見える気もするし。
 
 
  1. 2013/12/13(金) 12:15:45|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

酒肴と火あれば冬の宴 -河原乞食の忘年会- 2013 (※12/10 末尾に追記)

このところ多忙にかまけて野外活動が皆無な日々であった。
息抜きは仕事終わりの落語や映画、町暮らしの中での娯楽ばかり。
そんな中、漸く外の空気を吸いに行くことが出来た。

仕事上、気持ちの上でも一区切りついた週末のこと。
折りも良く昨年末も参加した「河原野宿で忘年会」に今年も参上。
参加者は浅ましくむくつけき野郎共総勢九人。
氏素性は様々、仲間もいれば初顔合わせも。
自分に至っては初参加以外のメンバーも全員前回以来の再会であった。

夜八時頃に全員集合。場所は山梨のとある川辺の橋の下。
夜露朝霜を凌げるマンストラクチャーの下、宴は正に河原乞食の異名どおり。
口開けの馬刺しから始まり、ちょっとそこらでは食べられない天然自然薯。
今年はおでんが登場して随分と料理の幅も広がった。
しかしそこはオヤジな宴、お洒落度はゼロ、皆無である。
それでも卓上は酒池肉林の様相、趣味性溢れる男料理がずらりと並んだ。
ひとり一品がお約束ながら複数持ち込むのからほぼ手ぶらのまで。
その辺は良くしたものでバランスは不思議と取れるのであった。

今回、自分は鯛の湯豆腐を作った。
デパ地下調達の熊本産天然チダイ、パックを剥がすと鱗も腸もそのまま・・・。
店で処理して貰えば良かったとぶつくさ云いながら愛用の出刃で下拵え。
整ったところで尾かしらもそのまま串を通して塩焼きに。
概ね火が通ったところでだし昆布の入った土鍋へそのままダイブ。
塩・だし醤油・煎り酒で調味して、焼いた長ネギと絹ごし豆腐を浮かべる。
これでおしまい。 あとは鯛の出汁が勝手に美味くしてくれる簡単料理。
豆腐が売り切れたら鯛そうめんにして〆る。
味の濃い野外料理が並ぶのを想定してオヤジな胃袋にやさしい献立とした。


kk-2013
写真は片手間なのでこんな感じ


腹が落ち着いてからはホットワイン。昨年好評だったので今回も用意した。
それを飲みながら焚火と対峙。
このところ気も滅入るような仕事の運びであった。
それも前日金曜に多少は肩の荷が下りていた。
そのこともあって、心穏やかに火を見つめることが出来た。
石のように硬いナラの薪は手強く、焚火番も し甲斐があった。
人と語らいながら、或いはひとりネットラジオのJAZZを小さくかけながら。
酒をホットウィスキーに替えて空が白む頃まで火遊びを満喫した。

朝食に自分が用意したのはバウルーのホットサンド。
材料はミートソース・コンビーフ・舞茸入ソーセージ・オイルサーディン他。
トマトソース味・醤油味・ピリ辛マヨネーズ味の三種。
意外なことにバウルーを知らない人が多く、注目の的であった。
中身は何が美味いかで皆がアイディアを出し合い盛り上がっていた。
ここ数日のうちにバウラーが数名増えるかも知れない。
今にして思えば、前夜饗された絶品の自然薯を取って置けば良かった。
あれで和風ホットサンドを作ったら仰け反るほどに美味かったに違いない。
次回は是非、である。

少しは一年の野外活動を振り返りつつ、酒肴に終始した寒空の夜宴であった。
心底息抜きになった。 主催のTさんと仲間たちに感謝である。

※ 今回の料理たち
  馬刺し・自然薯・白飯・烏賊のワタ焼き・シロコロ・虹鱒の燻製
  おでん・鯛の湯豆腐(鯛そうめん)・鮎の焼きがらし・野菜スープ
  ホットサンド ほか(書き漏らしがあったらゴメンネ)



今回のツーリング <期間:2日>

  走行距離:160㎞     走行時間:2時間51分
  平均時速:56.1㎞/h  平均燃費:12.5㎞/L
  1. 2013/12/09(月) 12:30:29|
  2. 旅や野遊び
  3. | コメント:4

『 第36回 白酒ひとり 』 白酒独演会 於 国立演芸場 / 平成二五年一二月三日

道灌 / はまぐり
牛褒め / さん坊
時そば / 白酒
花瓶(尿瓶) / 白酒

仲入り

木乃伊取り / 白酒


席に着くと隣は名の知れた御通家であった。
連れの人と今日ははまぐりが出ると話すのが漏れ聞こえた。
白酒が弟子を取ったのは知っていたが名は初めて聞いた。
開口一番でそのはまぐりが上がる。 初高座らしい。
初高座は後にも先にも一回きり、貴重なものを見た。
物怖じしない、きちんとした高座であった。
まだ前座でもない見習いだが、今後が楽しみだ。

すぐに白酒が上がるかと思いきや、さん坊であった。
いつもの調子。前座の割に色々話す。この会だけのことだろう。
白酒の配慮なのか、独演会を使って後輩に機会を与えているようだ。
「牛褒め」は独自のイレゴトがあり、かなりのオリジナル。
その挑戦と前に格下が演ったせいもあってか、少々緊張気味の高座。
年々、後ろから追いかけて来る後輩からのプレッシャーもあろう。
そうやって香盤の中で揉まれて行くのだろう。

漸く白酒。「時そば」は初めて。 どうやら師匠譲りの運びらしい。
前回の白酒ひとりを仕事で不意にしたのでまくら有りの高座は久々。
先日、池袋の主任を聴きに行ったがやはり独演会の方が堪能出来る。
「尿瓶」ははねてからお題目に「花瓶」とあった。
確かにキレイな噺ではない。 ごくたまに聴けば十分。
調べたら去年の暮にも白酒で聴いていたが他の噺家では一度も無かった。
「木乃伊取り」で清蔵が徐々に酔って行くのを見て酒が恋しくなる。
どうも落語を聴きに行くと、酒の噺でまんまと飲む気にさせられる。

国立演芸場の時は新橋へ寄るか高円寺へ戻るのがいつものコース。
今回は用事もあって大手町乗換えで湯島まで遠回り。
ご新規の大勢さんと最近通い始めたと云う常連さんでほぼ満席。
その常連さんの隣にお邪魔する。
一緒に飲んでいた仕事仲間が関西へ転勤してしまい独り飲みが増えたと。
身に憶えのある話だ。御仁は話しながら日本酒をくいくいと干して行く。
お強いですねと感心すると、今ので四合目だと女将が口を挟んだ。
聞けばご自宅は遠方、湯島はお勤め先からの通り道。 看板前にお帰り。
入りが遅かった自分は看板まで飲んで、更に女将に一軒付き合って貰う。
日付がかわったところで店の衆も交えて、故あって乾杯。
酒が変わったせいか、暫くすると急に酔いが回って真っ赤になった。
眠気も誘って疲れがどっと出た感じ。帰りのTAXIでは到着まで眠りこけた。

次回の白酒ひとりはチケ発売日を失念して取れなかった。
代わりといっては何だが、一月の百栄との二人会にでも行こうか検討中。


  1. 2013/12/04(水) 12:15:17|
  2. 演芸など
  3. | コメント:0

profile

 良速

Author: 良速
  
 
- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

.......................

category

旅や野遊び (60)
演芸など (306)
フォト・キネマ・アートとか (152)
道具のたぐい (37)
飲んだり食べたり (4)
徒然なるままに (12)
序 (4)
未分類 (1)

comment

calendar

11 | 2013/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

archive

counter

search form