七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

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『 圓太郎商店 独演その十九 』 圓太郎独演会 於 池袋演芸場 / 平成二六年一月三〇日

おみくじ屋 / ございます
初天神 / 圓太郎
時そば / 圓太郎

仲入り

夢金 / 圓太郎


木戸口に行くと“只今 お立見”。
予約名を告げ木戸銭を払って中へ。既にあらかた席は埋まっていた。
まだ開場して10分、今日は早く来られたと思ったが世の中 暇人が多いのか。
その十一から通っているが、回を重ねるごとの盛況を実感する。

「初天神」。悪くはないが、先日雲助で聴いたばかりだ。やはり出来が違う。
圓太郎には合っていると思ったが、意外にも真打になって初めてだったようだ。
普段演りつけていないのもあってか、それなりであった。
本人もそれを自覚してか、今回は三席とも何かしら言い訳があった。
真面目と云うのか、気が小さいと云うのか・・・要らぬことを言っているなと。

「時そば」も「夢金」も同じことが引っ掛かった。
圓太郎は地声が大きい。それもあって会話の声が凄ぶるでかい。
夜鳴きそばが出る時分である。往来であんなに大きな声を出すだろうか。
今と違って夜になれば人気もないような江戸市中であったろう。
ヒソヒソとまでは行かぬまでも小声で遣り取りしたのではなかろうか。
身振り手振りと大きな声で皆が笑う。 本当に面白い。
面白いのだが、どこか嘘っぽいと思ってしまう。
「夢金」でもそうだ。これから娘を殺して所持金を山分けと云う物騒な談合。
娘が眠っているとは云え、あんなに大きな声で悪巧みもないものだ。
今回はいちいちその辺が気になってしまった。

正月興行で漫談をやったら小三治に褒められたとのこと。
自分の言葉で喋っているからお客も喜んで笑ってくれたのだと。
そこがお前の良いところではあるが、だから落語が詰まらないのだとお説教。
落語の筋台詞は自分の言葉になっておらず、巧く演れてないと云うことらしい。
何となく、小三治会長の言っている事が分かるような気がした。
圓太郎は面白いのだが、圓太郎の落語が面白いと云うより圓太郎本人が面白い。
そう云うことなのだろう・・・。

はねてから副都心線で新宿三丁目。ゴールデン街今年初、ママの所へ顔を出す。
ご年配の先客がお一人。その後、別々にお二人が加わり男四人で囲炉裏を囲む。
古い作家や映画の話を色々聞かせて頂く。これが面白い。ママの店ならではだ。
やがてお三方とほぼ入れ違いで、新内のお師匠さんがお三味を抱えてお見えに。
ママに都都逸を教えて貰いたいとのこと。 これはいい所に立ち会った。
お二人でお三味を爪弾いて都都逸。傍らで熱燗のやりながらそれを聴いた。
そこまではいい感じだったが、気づけばいつの間にか若輩者の人生相談に。
なかなか辛口なアドバイスがお二人の口から告げられる。
少々ショボーンとなりつつそろそろ帰ろうかと云うタイミングでメール入電。
知人の訃報であった。帰り際に色々残念で、酔いざましに家まで歩いた。


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  1. 2014/01/31(金) 15:23:33|
  2. 演芸など
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『 冬 』 三三独演会 於 なかのZERO 小ホール / 平成二六年一月ニ七日

看板のピン / 三三
笠碁 / 三三

仲入り

鼠小僧 雪の小仏峠 / 三三


良し悪しは別として絶妙のタイミングで電話が来る時があるものだ。
結果的に我が方から先方へ資料は渡り、自分は開口一番を聴き損ねた。
仕事が無ければ落語どころではない。三三に間に合って御の字としよう。

そんな火急の作業が飛び込み事務所を出たのは開演10分前であった。
先般の雲助の時と云い、続くときは続くものだ。
事務所の目の前にバス停がある。窓から丁度バスが来たのが見えた。
2階から見えた時点で諦めて、きちんと戸締りを確認してから外へ。
すると信号待ちでまだバス停に留まっていたバスが動き出した。
嗚呼、先ほど急いでいればバスに乗れたのに・・・タイミングが悉く悪い。
仕方なくTAXIへ乗り込む。信号はまだ青、大きな交差点は通過出来る。
と、思いきや何故か2台前の車がピクリとも動かず赤になってしまった。
みんなが自分を三三の所へ行くのを邪魔しているかのようだ。
たかが落語だが、気が急くのは抑えられない。
予定外の作業も日曜返上で片付けて備えたが、ここに来て事の運びが悪い。
ピリピリしている気配が伝わったのだろう。運転手は心なしか飛ばしてくれた。
結果、逃したバスに追いついて、バス停からの徒歩の行程もTAXIで駆け抜ける。
バス代210円のところTAXIはワンメーター710円で辿り着いた。
会場に入るとわさびが「強情灸」を熱演中であった。

久々の三三。いずれも楽しかったが、どうもしっくりと来なかった。
「看板のピン」は何度か聴いているが、親分の貫禄がもうちょっと欲しい。
親分を真似る三下も、おとぼけが少々入り過ぎてやしまいか。
「笠碁」のご老体二人の性分の描き方が微妙に違うようにも思う。
こちらが古今亭の運びを聴き慣れてしまっているせいもあるかも知れないが。
仲入り後の「鼠小僧」、講談もの。 落語でないからサゲが弱い気がする。
まだ少年だった次郎吉を演じる三三はなかなか填まってはいたのだが。
出来れば落語らしい落語を聴きたかった。

はねて久々、落語あとに高円寺のマスターの処へ。
このところ人形町・日本橋・上野ばかりが続いたので足が遠のいていた。
一月も下旬になると渓流解禁の話になる。
二月に行くの行かないのと話しながら今季の展望を語る。
出来ることなら今季はマスターに同道して数も行きたいものだ。
出掛けのバタバタで何も腹に入れていなかったのですき焼き小鍋を頼む。
値段からしてボリュゥムがありそうだが、腹は減っていた。
それでも一人前は大した量で、〆のうどんは辞退するほど満腹になった。
22時近くに少々重かったか・・・ずっと忙しくて運動不足も気になるところ。
一月いっぱいで仕事量も落ち着くので心の余裕も持てそうである。
正月は仕事漬けだったから、節分を節目として心機一転生活を改めよう。
 
 
  1. 2014/01/28(火) 17:28:13|
  2. 演芸など
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『 雲助蔵出し ぞろぞろ 』 雲助独演会 於 浅草見番 / 平成二六年一月ニ五日

松山鏡/ 市楽
初天神 / 雲助
初霜 / 雲助

仲入り

三枚起請 / 雲助


一旦会場入りして席を確保、見番の斜向いにある蕎麦屋・弁天へ。
ちょうど満席になったばかりだったのか、随分と待たされることに。
タイミング悪くタッチの差で席待ち二番目になってしまったのも運が悪い。
サッと自分の前に店の戸に手をかけた女性は程なく中へ入れたのだが・・・。
外で待っているうちに注文を取りに来たので開演が迫っても戻るに戻れず。
中へ通されてやっと蕎麦が運ばれて来た時には開演まで10分を切っていた。
冷たい蕎麦なら2分で食えるが頼んだ牡蠣南そばは温かい上に餡かけである。
兎に角急いで啜り上げる。 熱い熱い、味わう余裕など無い。でも美味い。笑
お冷をあおって会計を頼むと店のお姉さんがお待たせしてしまってと詫びる。
店のせいではない。出掛けから積もり積もったタイムロスの結果で自分が悪い。
お勘定を済ませて店を出ると既に開演して3分ほど経っていた。
店に到着してから何と30分である。 やれやれ、これ程とは・・・。
結局、前座のなな子の「やかん」は障子の外で立ち聞きすることになった。

噺は蔵から出し切ったようで、看板が“ふたたび”から“ぞろぞろ”に。
この会は今回で通って五回目、新参者なので昔話にはついて行かれない。
看板はどうあれ、とても好きな会なので長く続いて欲しいものだ。
雲助の「初天神」は小三治と共にこの噺はこの噺家で、の組み合わせだ。
一月二十五日は初天神の当日、今日演らずにいつだとの前置き。
続いて演った「初霜」は初めて聴く。
劇作家・宇野信夫が雲助の師匠・先代馬生のために書き下ろしたらしい。
初めて聴く噺だったので思いつくキーワードで検索してみたが出て来なかった。
「初霜」で検索しても昨年末に雲助が落語研究会で演った事しか出て来ない。
かなり貴重なものを聴けたのだけは分かった。
人情もの、特にサゲらしいものもなく芝居風。 確かに馬生で聴きたい噺だ。
「三枚起請」は演り方で随分雰囲気が変わる噺だと思う。
雲助のは騙される三人がお人好しで馬鹿な男のサガを楽しんでいるようだ。
喜瀬川花魁も憎めないところがあり、全体の空気感が大らかで宜しい。
「三枚起請」で楽しく笑わせるあたり、雲助の品の良さが出ているように思う。

途中ふじ屋で手ぬぐいを買って浅草駅。上野広小路まで戻って湯島へ寄り道。
土曜ながら予約の札がずらりと並び席はほぼ埋まっているようだ。
まだ五時少し前。 久々に早い時刻から飲み始める。
件の牡蠣南そばで喉が渇いていた。立て続けにビールを2杯干して人心地つく。
蕎麦とは云え腹に入れたのが三時間ほど前なのであまり腹は減っていなかった。
お通しの後、二品頼んで満ち足りてしまった。もっとゆっくり頼めば良かった。
お隣は最近通い始めた新顔さんとのこと。少し落語が分かる人であった。
お勤め先が近所らしく、界隈の話なども聞かせて貰って会話も途切れず。
それでも一時間半ほどで早々に酔いが回り、かったるくなってお勘定。
早い時分から腰を据えて飲むつもりが、結局客の中で一番先に暖簾をはねた。


  1. 2014/01/26(日) 22:06:09|
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『 第2回 要町落語会 』 小辰独演会 於 要町一丁目会館 / 平成二六年一月一八日

真田小僧 / 小辰
鈴ヶ森 / 小辰

仲入り

ねずみ / 小辰


朝ドラの「ごちそうさん」を観て無性にカレーが食べたくなる。
“要町・カレー”で検索すると“かえる食堂”なる店がヒット。
会場からも程近い。 昼飯はそこを目当てに家を出た。
要町、車なら15分程だが公共の足を使うと30分以上かかる。
風も強くて寒い。不精してTAXIで向かうことに。

かえる食堂はすぐに見つかった。カップルが店先で待っている。
あまり時間もかかるまいと後ろに並んだ。
カップルはすぐに入ったが次がなかなか出て来ない。
多少待たされ入店、鶏手羽元と野菜の入ったミックスカレー辛めを発注。
なかなか美味かった。新宿の草枕を思わせるヨード臭のあるカレー。
ライスは鶏ガラ出汁の炊き込みらしいがそれ程の主張はなかった。
野蛮なオジサンは早食いである。最後に入って最初に出て来た。
他のカレーも美味そうであった。また機会があれば寄ってみよう。

歩いて会場へ。要町一丁目会館。会館と云っても寄合所であった。
広間奥に神輿が置かれ、古い長押には歴代の町会長さんの写真が並ぶ。
恐らく中高年で構成されているであろう青年会の提灯も。

いかにも手作りである。
紅白の垂れ幕、石油ファンヒーター、椅子は有り合わせでばらばら。
所謂、地域落語だから地元の人とよそ者が半々位だったのでは。
特にお年寄りが目立つ。 木戸銭も年齢が上がるほど安くなる。

お見かけする顔もあったが、場の空気は地元感満点。
お年寄りは呼ばれて来た人が多かったのではなかろうか。
小辰を知っているとは思えない反応であった。
眠っている人、ぶつくさと呟いている人、便所に中座する人・・・。
後ろに控えていたスタッフらしき人も途中で出入り。
その度に襖がガタゴトと音を立てて噺に割り込む。
人気者の二つ目、落語会には恵まれているひとりの筈である。
小辰にはちょっと気の毒な環境であったかも知れない。

考えようではこうした会は会で美味しいとも云えよう。
名こそ伏せて、こんな会もやりましたと笑い話にも出来そうだ。
こうして色々な経験を積んで懐の深い芸人になって行くのだろう。

こちらはこちらで面白い体験が出来た。
たまには馴染みのない場所へ聴きに行くのも良いものだなと。
小作りな会は印象深いものが多い。


  1. 2014/01/20(月) 23:59:16|
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冬、北信へ -信州ツーリング 2014 1/11~1/13 その3-

(前回のつづき)

富倉でこの旅の大きな目的は達成してしまった。
あとは知り合いを頼って気侭な旅である。
出発前から目をつけていた小布施へ下る。
蔵元、桝一市村酒造へ立ち寄るためだ。
冬の小布施はシーズンオフなのか、人影は疎らだった。
ただ外国人の観光客は目立ち、蔵元の客も殆どが白人であった。
自分は日本酒に詳しくはない。純米系の辛口、これが選択肢。
二種四本調達して早々に小布施を後に。

今回の逗留先はアウトドアの師匠イソGのセカンドハウスである。
信州新町の山間の集落に到着、何度目かの訪問だが真冬は初めて。
挨拶も早々に車で15分程山道を走った大岡温泉なる日帰り施設へ。
こぢんまりした露天風呂から眼下に棚田が一望出来るいい湯だ。
こちらで雪景色を日没まで楽しみ、戻って夜は鍋を突いた。
鍋は真鱈。山中で魚かと思われるが、高速を使えば直江津まで90分。
同じ集落に住む釣り好きの知り合いが用意してくれたものであった。
一見何もなさそうな小さな集落だが、イソGの食は案外豊かである。
このご友人はしょっちゅう釣果を差し入れてくれるらしい。
また害獣駆除の名目で鹿や猪の肉も手に入る。
イソGは嘗て狩猟免許を持っていた経験から、自ら獣を捌く。
今回は鹿のスモークを頂いたが、これもなかなか美味かった。


hokushin2014


連休中日、まだだった初詣を集落の鎮守の社で済ませる。
その後、四人峠を越えて池田から大町を散策。
ストーブハウス山風舎でファイヤフックとファイヤトングを。
大雪渓酒造で特別純米酒を購入。
その後、大町経由で魚を専門に彫る彫刻家・吉川さんのアトリエへ。
東京から大町へ移り住んだお仲間も交えてオヤジ談義に興じた。

一頻り語り合ってアトリエを辞し、信州新町へ戻る。
夕食はご当地もののジンギスカン、“むさしや”で腹を満たした。

この日は夜になって集落でどんど焼きが行なわれた。
正月の松飾りや書き初め、去年の御守りやダルマなどを焼く行事だ。
イソGは顔を出すと出て行ったが、よそ者の自分は遠慮して留守番に。
ところがいざ火の手が上がるとその勇ましさに矢も楯もたまらず。
結局末席に加えて貰い、ご利益満点の煙を浴び、焼餅を頂いたのだった。

やがて夜も更け就寝。連休最終日は早朝に出発、十時過ぎには帰投。
短くも充実の旅路を終えたのであった。
次回は渓流が解禁になった頃、お邪魔しようか。

(おしまい)

今回のツーリング <期間:3日>

  走行距離:725㎞     走行時間:12時間02分
  平均時速:60.2㎞/h  平均燃費:12.8㎞/L
 
 
  1. 2014/01/19(日) 23:59:07|
  2. 旅や野遊び
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冬、北信へ -信州ツーリング 2014 1/11~1/13 その2-

(前回のつづき)

腰を屈めると背丈が自分の半分位しかない様なおばちゃんが前を歩く。
「(雪の)足跡でも辿って来たか。これじゃ盗みも出来んね。」
偶然だが上手いこと所在を突き止めた自分に冗談を投げかける。
足元に気をつけろと言いながら容姿に見合わぬ速度で歩いて行く。
玄関を入って他に客の履物がないのを見て少し落胆したようにも見えた。
対面した際に自分は代表で探しに来た一人と思ったのだろう。
「わたし一人なんですよ。わざわざ戻って貰ってすみません。」
そう言うと、「なんのなんの、構わんよ。」
店に入ると早速石油ストーブに火を入れてくれた。
「ちょっと離れた隙だよ。さっきまでおったんだよ。」
そう言って外套を脱ぐとテキパキと動き回る。
セルフのお茶も自ら出してくれて、お通しがわりのおかずを卓へ。
そこまで済ませると、「雪ん中よく来なすったな。降らんで良かった。」
そう言って初めてこちらの顔をまじまじと見た。


hashiba2


やがて注文。取り敢えず初来店なので並をと考えていたのだが。
一人の客にわざわざ呼び戻したようなものだ。どうしようか。
「おらほの蕎麦はつるっと入るで。大盛でちょうどいいさ。」
大盛確定である。 朝食も摂らずに走って来たのだ。食えるだろう。
おかずと称される小皿は五つ。黒豆や沢庵、野沢菜、コゴミなどが並ぶ。
蕎麦が茹で上がるのをそれを摘みに暫し待つ・・・あぁ、ビールが欲しい。

いよいよ蕎麦が目の前に饗された。おっ、と思わせる大盛。
「正月だで、サービスしといた。」・・・う~む、手強い量である。
しかし独特の艶と色味、普段見慣れぬ蕎麦だがいかにも美味そうである。
(写真撮ってません、ご想像なりググるなり。)
つゆは黒々としている割に味は薄めであった。
田舎らしからぬ細い蕎麦を手繰り、そのつゆを絡めてひと息に啜る。
他に客が居るでもなし、おばちゃんは卓の反対側に座って様子を見ている。
「美味いっす。」 「だろ!」  顔を見合わせて二人で笑った。

おばちゃんは蕎麦のこと、富倉のことなど問わず語りに話してくれた。
こちらは祖父を発端にした我がルーツと富倉の縁について話した。
おばちゃんはえらく感心して、こちらが祖父の旧姓を告げると、
「この辺に多い名前さ。確かにここの出だな。」と得心の様子。
それで親しみが湧いたのか、更に話は込み入って行く。

店に居たのは40分位だったろうか。
「また来ます。」 「またおいで。」 の挨拶を何度も交わして店を出た。
腹の中は大盛蕎麦、胸の奥はおばちゃんの言葉で満たされていた。
良い土地に辿り着いたものだ。
先鞭をつけて道を開いて下さった高崎さんには大感謝である。

さて、旅は南へ下る。

(あとちょっと、つづく)
  1. 2014/01/18(土) 12:15:22|
  2. 旅や野遊び
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冬、北信へ -信州ツーリング 2014 1/11~1/13 その1-

長野県は飯山の富倉そばを知ったのは三年程前か。
アウトドアの先輩、高崎さんのブログにその画像はupされた。
独特な艶をもつ蕎麦がひと口ごとに丸められ笊に並んでいた。
その姿形が、見るからに美味そうなのであった。
その瞬間からいつかは富倉の“はしば食堂”へ。そう思い続けていた。

ひょんなことから縁が繋がる。
祖父は婿養子であった。長野は飯山の出身とは聞いていた。
それが昨夏頃か、夕餉の食卓で富倉そばの事を話した時だった。
父が「祖父さんは富倉の出だよ。」と言うではないか。
何と云うことか、自分のルーツがその富倉にあったとは・・・。

昨夏以来の仕事の目処も漸くついた成人の日連休。
ついに富倉へ向けて車を走らせるに至った。
東京から260㎞、途中軽井沢へ寄り道しながら五時間の道程。
細道を辿って集落へ入るとすぐに“はしば食堂”の看板が現れた。
時刻は十二時半、昼時なのに駐車場には一台の車も無い。
路地敷きの坂を下りれば一軒家の店も見えるが人の気配がない。
ひょっとしてこれはと、不安を抱きつつ玄関へ回ると営業中の札。
おお、良かったと中へ入るが、三和土には靴もない。
廊下への障子に「中へお入り下さい」の貼り紙。
入ると畳敷きの広い続き間に炬燵と座卓がずらりと並んでいた。
しかし無人である・・・厨房らしき部屋の障子ガラスを覗き込む。
ここにも誰もいない。 休みではない気配は感じられるのだが。
「すみませ~ん、こんにちは!」
廊下途中の階段下あたりで、家中に響く大声を出してみる。
しかし返事はない・・・表へ出て家周りをぐるりと探るが誰も居ない。


hashiba


確かおばちゃんがひとりでやっている店だ。
この雪深い時季の事、営業中の札を下げたまま遠出はなかろう。
取り敢えずは集落の奥へと歩いて行くことに。
誰かに会えれば所在は分かりそうなものだ。
そう気楽に思わせるほどこぢんまりとした集落なのであった。
五分も歩かずに遠くで車庫の雪下ろしをしている男性が見えた。
先方も突然道の陰から現れた見慣れぬ男に気づいたようだった。
近くまで寄って帽子を取り男性を見上げた。
「すみません。そこのお蕎麦屋へ来たんですが誰もいなくて。」
ご近所さんだ、知らぬ存ぜぬと云うこともなかろう・・・すると、
「おい、はしばのばぁちゃんまだいるか?! お客さんだよ!!」
ご自宅らしき方へそう言うと、今度はこちらに向かって、
「どこから来なすった?」 「東京からです。」
再び家内に向かって、「ほら、東京からわざわざ来なすったとよ!」
すると中から、「ここに居るのがよく分かったのぅ!」と声がするではないか。

(つづく)
  1. 2014/01/17(金) 12:15:05|
  2. 旅や野遊び
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定席寄席 正月二之席 五日目 夜の部 於 鈴本演芸場 / 平成二六年一月一五日

初天神 / 喬之助
マジック / 花島世津子
道灌 / 文左衛門
粗忽の釘 / 圓太郎
漫談 煙管模写 / ひびきわたる
弟子の強飯 / 百栄
夜もすがら検校 / 琴調(講談)

仲入り

漫才 / ホームラン
雪とん / 扇辰
ギター漫談 / ペペ桜井
二番煎じ / 白酒


今年の初笑いは十日の兼好であったが候補が前日にもあった。
九日の白酒・百栄二人会にも行きたかったのだが仕事で断念。
その事があり昨日の顔付けを見て鈴本へ足を運ぶに至った。
主任の喬太郎の代演が白酒、元々白酒が入るところに百栄。
更に交替出演のところが圓太郎に扇辰の順番と申し分なし。
しかも膝代わりがペペさんと来れば行かずばなるまい。

この噺家でこの噺、と云う組み合わせが幾つかある。
百栄本人作の「弟子の強飯」は正にその中のひとつ。
一昨年の春に一度聴いたきり、その後再び聴く日を待ち望んでいた。
圓生そっくりな話し方をする高2男子を師匠がスカウトする噺。
百栄の微妙な圓生の物真似が可笑しく、今回も大いに笑った。

扇辰の「雪とん」は初めて聴く噺。
にも関わらず始まってすぐ靴の紐が変なことに気づいてしまった。
連休に買ってそのまま履いていたが見れば紐がきちんと通っていない。
気づいてしまうともうそれが気になって噺に集中出来ない。
結局両足ともに編み直しを始めてしまった。
聴く方は疎かになるし、扇辰にも失礼なことをした。
ペペさんの途中までかかって靴紐直し・・・何をやっているのやら。

トリの白酒は昼の三日目の菊之丞と同じく「二番煎じ」。
好き嫌いの感想に留めるが、やはり白酒に軍配を上げたい。
まず人物の演じ分けが巧い。六人六様キャラが立っている。
噺の運びも同じ古今亭でありながら随分と違う。
夜回りを二組に分けるところがない。
これは時間の都合もあって割愛しているのかも知れない。
そして猪鍋を股座に隠す件がないのが大きな違いだ。
ここをただ後ろに隠すだけで演るのは雲助譲りか。
あの褌が鍋の汁を吸ってしまう件は汚らしくていけない。
そこをスマートに変えているところが好ましい。
酒の飲みっぷりも白酒の方が雰囲気がある。
正直なところ先日は消化不良だった「二番煎じ」。
白酒で聴き直すことで腑に落ちるものがあるのだった。

随分と白酒贔屓なことを書いてしまった。
まぁ贔屓をするにはするなりの理由があるの云うものだが。
それにしてもこの中席、なかなか良い芝居だ。
本来の主任である喬太郎も聴いてみたい。
土曜日にでも今一度足を運んでみようか・・・。

  1. 2014/01/16(木) 12:59:54|
  2. 演芸など
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定席寄席 正月二之席 三日目 昼の部 於 鈴本演芸場 / 平成二六年一月一三日

不精床 / 志ん吉(途中から)
奇術 / ダーク広和
鮑のし / 一之輔
強情灸 / 菊太楼
粋曲 / 小菊
下町せんべい / 小ゑん
相撲漫談 / 歌武蔵
漫才 / 大空遊平 かおり
鯛 / はん治

仲入り

紙切り / 二楽
初天神 / 扇遊
誘拐家族 / 百栄
ジャグリング / ストレート松浦
二番煎じ / 菊之丞


成人の日の三連休は信州へひとり旅。 (その事は後日記載)
連休最終日は早朝に起きて旅の逗留先から東京へ戻る。
ランチの約束があり上野へ。
軽く摘んで少し飲むつもりが、コースが予約済みであった。
しっかり食べて満腹、コロナ1本とグラスワイン2杯。
大した酒量ではないが寝不足とお日様燦燦のテラス席。
顔を炙られて結構イイ気分になってしまった。

正午過ぎに解散となったので鈴本へ寄ってみた。
中へ入ると思いの外埋まっていて通路際の席は既に全滅。
下手側前寄りの端が目に留まったのでそこへ落ち着く。
着席は志ん吉の高座が終わるまで待てば良かった。
酒が入って行動が雑になっていたと今思えば反省。

ダークさんの奇術の頃までは歩いて来た息で冴えていた。
ところが一之輔が上がった頃には息も落ち着いて睡魔が・・・。
菊太楼が下がる頃までの記憶が断片的。
小菊さんのお三味で会場の空気も華やぎ頭の靄も晴れて来た。
しかし小ゑんで再び少し舟を漕ぎ、歌武蔵のダミ声で再び覚醒。
かおり姐さんのハイトーンで酔い覚めかと思いきや、はん治で寝る。
仲入りまではそんな攻防が繰り返された。
はねてから顧みれば全体の三分の一は記憶がない・・・。

そもそもタイミングよく昼食が済んだので思いついた寄り道。
良い気分のところ後列で足を放り出してまどろむのが目的であった。
しかしそこは人気者菊之丞が主任の芝居。
会場を見渡せばいつの間にか満員御礼なのであった。
昼席だから休日でないと勤め人などは寄れないこともあったろう。
思い通りにダラダラとは出来なかったが、居心地は悪くなかった。

結局いちばん印象に残ったのは伏兵の百栄であった。
こんな時は百栄の新作がスパイシーで心に刻まれたりするものだ。
百栄が一番には菊之丞が酒の噺だったこともある。
もともと師の酒の飲み方、と云うか喉の鳴らし方がどうも馴染めない。
酒好きと聞いたが、高座での飲みっぷりは少々芝居が過ぎる気がする。
まぁ、酔客の文句に説得力も何もあったものではない訳だが・・・。

夜の部の喬太郎まで通そうかとも思ったが、さすがに帰ることにした。
寒風の広小路、晴れ着姿の新成人もちらほら。年頭の祭事もここ迄か。


  1. 2014/01/14(火) 23:59:32|
  2. 演芸など
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『 人形町噺し問屋 その44 』 兼好独演会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二六年一月一〇日

垂乳根 / 音助
千早振る / 兼好

仲入り

箏 / 稲葉美和
徂徠豆腐 / 兼好


今年の初笑いは兼好。
茅場町駅から会場へ向かう途中でコンビニコーヒーを買う。
ロビーでゆっくり飲もうと公会堂のエレベータを上がる。
扉が開くと真っ暗である・・・おかしいな。
開場前に着いたのでそのせいだろうと一旦一階へ下りる。
一応日付を間違えていないかネットで確認。合っている。
それにしても開場五分前でこれは静か過ぎる。
会場を間違えていることに気づいたのはそれから一分後・・・。

公会堂ではなく社会教育会館だ。
もう何度も通っている落語会なのにすっかり勘違いをしていた。
幸い二つの会場は五分と離れていない。
移動も問題なく、きちんと賑わっている8階ホールに辿り着いた。

受付で会場を間違えたと白状する。
上手側の通路から入ろうと奥へ進むと女性客と兼好の姿。
立ち話を済ませて袖への扉を開けかけた兼好がこちらに気づく。
自分が誰彼と云うことではなく客と目があったからだろう。
あぁこれはどうも、ご来場ありがとうございます。本年も・・・
と挨拶を交わすことに。
毎回二列目の同じ席に座るが顔までは覚えられてはいないだろう。
今年の初笑いですと言って別れた。

音助を聴く。なかなか手馴れている。落研出身だろうか。
芸協なので寄席で聴く機会はまずないが、最近縁がある。
ゲストは箏の演奏。珍しいだろうと演者の稲葉さん。
自分は実家の裏がお箏の先生の家だったので箏の音に親しい。
それでもこうして舞台演奏を聴いたのは人生で多分二度目であった。

兼好の「徂徠豆腐」とは意外であった。こう云う噺も演るのかと。
運びはやはり滑稽噺の色づけ。人情噺の体とは少々趣向が違う。
この噺は扇辰が好きである。さすがに違い過ぎる。
ほぼ違う噺と割り切って聴いた。 落語が演者で変わる面白味。

正月二日から仕事をしていて私用の外出はこの時が今年初。
はねてから寄った湯島の常連さんと女将が今年初対面の知り合いに。
今年もよろしくとビールを掲げてご挨拶。
閉店まで飲んで、常連さんの一人と女将とで鍋に行く。
後から誘われて着いて行ったが、おじゃま虫だったかな・・・。
Kさん、野暮でごめんね。


  1. 2014/01/13(月) 23:59:59|
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『 暮れのコタツ 』 小辰独演会 於 食堂ピッコロ / 平成二五年一二月二八日

金明竹 / 小辰
火事息子 / 小辰

仲入り

宿屋の仇討ち / 小辰


二年ほど続けて三十日に白酒がやっていたのだが、先の暮れはなく。
昨年最後の落語は二つ目小辰の独演会であった。
ピッコロでの会は皆勤であったが一度大遅刻をして一席逃している。
「蝦蟇の油」がそれで、前回リクエスト投票の際、選んでおいた。
しかし残念ながら今回の選からは漏れてしまい、上記の三席であった。

「金明竹」を年明けから封印すると宣言していた。
この噺は小辰がピカイチであるとここでも書いたことがある。
個人的には封印などせず、その掛ける回数が多かろうと演って欲しい。
いっそのこと「金明竹」においては当代小辰の右に出る者はいない。
そう云うところまで突き詰めて欲しいと思うくらいである。

「火事息子」は前回聴いた時は堅さが見受けられた。
今回は随分と雰囲気が良くなっていた。
「火事息子」には本人も思い入れと云うか忸怩たるものがあったようだ。
仲入り後のまくらでそんなことを話していた。
その言葉は遠まわしな表現でズバリ胸襟を開いた感じではなかった。
しかし彼なりに気が晴れたように見受けられた。年末清算と云うことか。

「宿屋の仇討ち」も良い一席。二つ目の高座としては申し分なかった。
好きな噺でもあり、年の瀬に聴く最後の一席としても満足であった。

ピッコロのマスター、いやこの場では席亭から打ち上げに誘われていた。
普段は滅多に参加しない打ち上げだが、席亭ご夫婦ともお近づきになった。
今年最後の落語でもあり、参加することに。
いつも落語を聴くばかりでピッコロの料理を頂くのは初めてであった。
なかなか美味い。特に料理に入るチーズが皆、好みであった。
人形町の会場二箇所からも近い店であるし、いずれ落語の後に寄ろうか。
ちょっと閉店が早いが、入ってしまえば落ち着けそうであるし。

しかしやはり打ち上げは苦手で、これと云って誰と話す訳でもなく。
小辰はご贔屓さんに囲まれている。 こうして見ると普通の青年である。
高座を下りた噺家の姿をあまり見たくないと云うのもある。
そんなこんなで料理と席亭ご夫婦とのちょっとした会話でお開きに。

その後、会いたい人には会えず、河岸を変えて一杯飲んで帰宅。
平成ニ十五年の落語が幕を閉じたのであった。

年明け、初笑いは十日の兼好の予定である。


  1. 2014/01/09(木) 23:59:03|
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