七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 圓太郎商店 独演その二十二 』 圓太郎独演会 於 池袋演芸場 / 平成二六年一〇月三〇日

饅頭こわい / 花どん
替り目 / 圓太郎

仲入り

付馬 / 圓太郎


切の良いところで早めに事務所を出る。
しかし相変わらずお客の出足が良く随分と埋まっていた。
いつも選ぶ最後列の補助席まで先客が居た。
上手になる奥へまわって前寄りの端を確保。
毎回愚痴るがどんどん席が取り辛くなっていく。
通路際限定で席を選んでいるせいもあるのだが。

一席目「替り目」。とにかく酒が美味そうだ。
これを聴いて今宵は熱燗決定と相成る。
普通なら酔って俥屋に絡んで困らせるのが導入部。
それがなくて女房をおでん屋に遣らせた後、うどん屋登場。
つまり女房に替り目を見られたところでサゲなかった。
燗をつけさせたり海苔を炙らせたり。
挙句うどんは頼まない。落語のうどん屋はいつも不遇である。
最後はうどん屋のひと言、銚子の変わり目でサゲ。
後ろを切らずに前を切ったかたち。

二席目「付き馬」。
この会は根多出しなのだが始まるまで「妾馬」と勘違いしていた。
心用意と違ったので「付き馬」に入り込むのに少し時間を要した。
根多出しも勘違いすると始末が悪いと思った。

結構駆け足ではねるのが早かった。何か事情でもあったのか。
次回はその23、日程が未定とのことで案内葉書を待とう。

はねてから副都心線でゴールデン街へ。
先客なしで静かに始めた。ビールから囲炉裏の鉄瓶でつけた燗酒。
ママが嘗てのご常連に居ただらしない男達の思い出話を問わず語り。
何だか自分もダメ男になった気分。いやこれは暗にダメ出しだな。
やがて出張研修の男性二人組。ネットで検索して辿り着いたとのこと。
広島は福山の人で鞆の浦の話題などで交流。
自分も母方の祖父母が広島なので多少は話に乗れる。
瀬戸内ではねぶとの唐揚げが美味いと教えて貰う。
ねぶととは天竺鯛のことらしい。
やがてお二人が帰ると、入れ違いで男女二人連れ。
こちらも初来店とのこと。帰るタイミングを逸して熱燗追加。
話せば男性の方はお住まいがご近所さん。世間は狭い。
あれこれ話が盛り上がったが内容は随分酔っていて覚えてない。
程々で帰るつもりが結局三時間半。てっぺんを回ってお開き。
酔い醒ましに歩いて帰宅。 3.6㎞ 移動、151kcal 消費。
 
 
  1. 2014/10/31(金) 17:22:50|
  2. 演芸など
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『秋のコタツ』 小辰独演会 於 食堂ピッコロ / 平成二六年一〇月二六日

紋三郎稲荷 / 小辰
代脈 / 小辰

仲入り

転宅 / 小辰


日曜朝、友人から昼食の声かけで上野界隈に十一時集合。
開演は十四時、余裕どころか解散後の時間潰しも考えつつ。
ところがあれやこれやで店に入ったのが十二時。
お酒は焼酎炭酸割でちゃんぽんを避けて天ぷらなどを食す。
手違いで入った初めての店だったが、なかなか美味い。
案の定、時間が経つのはあっという間で開場の十三時半。
そろそろ移動しなければと、店先で友人と別れて はや歩き。
最寄りの日本橋駅に着いたのは開演五分前。 走る走る!
多少は遅刻しても待ってくれるが甘える訳には行かない。
何とかギリギリで間に合ったが、やはり最後の客だったようだ。
文字通り小さな店ピッコロの一番奥の席へもぐり込んだ。

天ぷら屋を出た時は酒の気配は顔にも出ていなかった。
ところが日本橋駅から全力疾走して様子が変って来た。
手から顔からみるみる赤くなって、酒がまわり始めてしまった。
自分の座っているすぐ脇から小辰が登場、前方の高座へ進む。
挨拶からまくらへ進むうちに首から上がぼぅっとして来た。

こうなると噺が頭に入って来ない。
早く醒めよと気がそちらばかりに行ってしまう。
すぅと意識も薄らぐ中、寝落ちでイビキでもかいたら大変である。
必死と噺に耳を傾けるが空しい努力。遠くに小辰の声が聞こえる。

仲入りでワンドリンクのジンジャーエールを貰うが焼け石に水。
結局最後まで酔いが醒めることなくお開きとなった。

ピークは仲入りあたりだったようで、マスターに真っ赤でしたよと。
いやぁ、しくじりましたと頭を掻いて照れ笑い。
途中、寝落ちしなかったかが気がかりでならないが訊くに訊けず。
小辰へ声は掛けずに遠目に黙礼だけしてピッコロを後にした。

翌日、次回の予約メール。
文末でイビキなど粗相がなかったか詫びを入れる。
後刻、予約確認と共にそんなことはなかったと返信が来た。
実際はどうだったか怪しいものである。
落語前の飲酒は程々に・・・ほろ酔いくらいは、勘弁してね。
 
 
  1. 2014/10/27(月) 23:59:00|
  2. 演芸など
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イコライザー - THE EQUALIZER - 於 新宿ピカデリー スクリーン2

土曜の夜は潜水仲間が集まって松茸宴会だった。
開宴まで映画でもと宴席をご一緒するH画伯と行かれそうな映画を探す。
そこで目についたのがこの作品。
デンゼル・ワシントン出演作に関しては画伯も自分も高評価で意見が合う。
本作は以前一度どこかで予告編を観たがそれきり失念していた一本。
今回観る作品を探していたらたまたま目についた拾い物であった。

主人公はホームセンターの正社員。どこにでも居そうなごく普通の男。
かなり几帳面で生活は規則正しく、夜のダイナーで読書を楽しむのが日課。
ダイナーで時たまに言葉を交わす若いロシア系少女は歌手になるのが夢。
夢を抱いて渡米したが、同じくロシア系の悪い連中に騙され客を取らされている。
ある日客とのトラブルが原因で少女は酷い暴力を受けて入院してしまう。
そんな生活から彼女を救い出そうと男が行動を起こした事から事態は思わぬ展開に。
少女達を配下に置いていた連中のバックは予想以上に大きな組織。
売春だけでなく闇の仕事はひと通り、米国議会にも手を回す正真正銘の悪党。
しかし男も一筋縄では行かない過去を持っていた。



261026
(c) SONY Pictures Digital Productions.All Right reserved.


もう還暦を迎えるデンゼル・ワシントン。 派手なアクションは少ない。
カーチェイスは殆どなく、銃撃戦も程々。 それが作品の渋味にもなっている。
何らかの理由で国の特殊な組織をリタイアした凄腕エージェント。
経歴上は死んだ事になっており、偽りの戸籍の中で生きている。
そんな彼が自らの知識と技術で悪に立ち向かう。
事が氷山の一角から始まり少しずつスケールアップして行く。
しかし破天荒な事にはならずその辺の匙加減は良かったと思う。

主人公は一人だが、どこか有川浩の 「三匹のおっさん」 的テイストが漂う。
しかし町のトラブルを解決しているようで実際はもっと事が大きい。
そのちぐはぐさが少々滑稽であり面白味でもある。
主人公は自分がしていることが正義かどうかに疑問を持たない訳でもない。
しかし彼は結果的に懲悪の快感に目覚めてしまったようだ。
ちょっと危ない雰囲気でラストを迎えた。

時間潰しに選んだがなかなか面白い一本であった。
 
 
  1. 2014/10/26(日) 23:59:34|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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まほろ駅前狂騒曲 於 ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1

最初の映画、その後のTVドラマに続いての映画第二作。
基本的な設定以外は結構忘れてしまった。
おさらいしてから観に行けば良かったか・・・それ程のものでもないか。

瑛太と松田龍平のコンビはなかなかいい雰囲気だ。
瑛太扮する多田は便利屋稼業を結構真面目にやっている。
松田扮する行天はとぼけていながら複雑な心模様が見え隠れしている。
一作目はこのブログをはじめて最初に取り上げた邦画だった。
震災前に作られて震災後に公開になった。そんなタイミングの作品だった。


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(C) 2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会


社会人でありながらモラトリアムな存在に見えた便利屋稼業。
その後TVになり本作が出来、時間と共に見えてくるものが変化して来た。
原作の小説があり、世界観は一貫している。
彼らが歳を取って “ まほろ ” と云う架空の町に歴史が刻まれ、深みが増す。
壮大なスケールの展開はないが、時間と共に作品に風合いが増すと云うか。

小さな存在のひとりひとりの物語が “ まほろ ” を作っている。
観る側にもその町が寄り添ってくる感じはなかなかいいものだ。

もうこれでおしまいかな。もうちょっと観てみたい気はする。
 
 
  1. 2014/10/25(土) 23:59:08|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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『 通ごのみ 』 扇辰・白酒二人会 於 日本橋劇場 / 平成二六年一〇月二三日

のめる / つる子
茗荷宿 / 白酒
五人廻し / 扇辰

仲入り

一眼国 / 扇辰
死神 / 白酒


社会教育会館の座席表を確認すると席番の表記が違う。
改めてチケットを見ると会場は日本橋劇場だった。
歩いて5分と離れていないが危うく間違えるところだった。
今までこの二人会は社会教育会館でやっていた。
この日、白酒も間違えて会館の前まで行ってから転進したらしい。
次回はどちらなのか気をつけておかねば。

「茗荷宿」は九月末の白酒ひとりでも聴いた。
白酒の中で今旬な噺なのだろう。まくらからの導入はほぼ同じ。
しかし噺の運びには微妙な違いもあり、まだ作り込み途中と云うことか。

扇辰の「五人廻し」。五人の客の演じ分けがいい。
かなりのデフォルメであるが、思い切りが良い。
当たり前だが躊躇いや照れがなく徹底していて気持ちが良い。
付かぬことだが隣席のおじさんは扇辰の時は結構眠そうであった。

白酒の「死神」は初めてのはず。
喬太郎と喜多八で聴く事が多いが、どちらとも随分違う。
死神は紅顔でふくよか。まさに白酒本人。
サゲ方が独特で、通常の運びと思って聴いていると肩透かしを食う。
それでも全般のまとまりは自然ですんなり楽しめた。
隣席のおじさん、白酒の時は熱心にメモを取っていた。

はねてから日本橋の食堂ピッコロへ。今度の日曜に小辰の会がある。
オーナー夫妻が扇辰贔屓なので、今回の演目など報告がてら顔を出した。
いつものように馬刺し盛合せとグリルしたチーズを頼む。
先客は二組。早々にひと組帰って、もうひと組は大勢さんで談義中。

給仕の合間にママさんと落語の話。
年末にピッコロで天どんが「文七元結」を演る件でTwitterの話題に。
店のアカウントを見て知ったと言うとママさんからその場でフォロー返し。
飲み物はビールから赤ワインへ。ラストオーダーでオムレツを追加。
そのうち閉店時刻。大勢さんが先に出て、マスターとちょっと話す。

話に夢中になって電話がかかって来たのに気づかなかった。
相手からLINEで “ 電話出ないし ” とお咎め。
落語の際にフライトモードと消音にして、出てから消音解除をし忘れていた。
慌ててかけ直しながらお会計を済ませ、それではまた日曜にと店を出た。
電話の会話で落語の余韻はスゥと薄れ、あれこれと雑事が頭を埋めて行った。
店で喋っている時は感じなかったが、家路につくと酔いがまわり出した。
 
 
  1. 2014/10/24(金) 12:53:39|
  2. 演芸など
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『 人形町噺し問屋 その52 』 兼好独演会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二六年一〇月二一日

弥次郎 / 緑太
幇間腹 / 兼好

仲入り

太神楽 / 味千代
派手彦 / 兼好

鈴本へ行く気満々になってから翌日に兼好が入っていることに気づく。
それでも強行した結果、20日~31日の間に六つ落語会へ行くことに。
鈴本が三週間ぶりの落語だったのに極端な話である。

幇間の噺はどれも多少なりとも悲哀を感じる。ペーソスが漂っている。
確かに面白いが心底笑えないのは自分だけではなかろう。
実際の幇間と云う仕事は差配気配りが必要な難しい仕事であろう。
本来そうした仕事を不器用にしか出来ないところが可笑しみとなる。
それが「幇間腹」や「鰻の幇間」の聴きどころなのだろう。
それにしてもだ。やはり聴いていてその駄目っぷりが切ないのである。

「派手彦」。こちらは初聴き。
四十二になる番頭が二十二の踊りのお師匠さんに惚れる噺。
いわゆる、歳の差婚の話だ。
お師匠さんは巷で評判の美人。
その立ち居振る舞いからついたあだ名が派手彦。
おかしなことに生来番頭は女嫌い、お師匠さんは大の男嫌い。
ところがそんな二人がどうしたものか相思相愛で結婚に至る。
二十も下なら可愛くてしようがないだろう。
自分で云えば相手が三十路前の見当だ・・・ちょっと無理だなと思ったり。
あまり若いと扱いが分からない。そのうち分かるようになるのか・・・?
まぁ三十路ともなれば女性も立派な大人で、いや男より余程大人で。
それに世間で云う歳の差婚を実践した男達は持っているものが諸々違う。
仲間由紀恵とか大江アナとかじゃなく、もっと現実に目を向けねば。
・・・俺はいったい何を書いているのだ?

番頭は派手彦に惚れぬいているから大事にする。
そして無理もないが心配事も絶えない。
それはそうだろう。輝き増す妻に老いていく自分。
他人も羨む自慢の妻も、持ってみれば己の自信の無さの裏返しとなる。
当人にしてみれば他人には分からぬ苦労が多々あろう。
その位は気の毒がらないとこっちもやってられないと云うものだ。

ふと、吾妻光良の歌を思い出したりして・・・





  1. 2014/10/22(水) 12:13:57|
  2. 演芸など
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定席寄席 十月中席 楽日 夜の部 於 鈴本演芸場 / 平成二六年一〇月二〇日

漫才 / ホンキートンク(途中から)

鈴ヶ森 / 喜多八
ロシアンブルー / 百栄


仲入り

紙切り / 正楽
時そば / 白酒
太神楽曲芸 / 和楽社中 
友引寄席 / 天どん


天どん初の主任興行。
顔付けも悪くなかったが、行かれそうな日に限って代演がいまいち。
週末には肝心な天どんが休演だったりで行きそびれていた。
千秋楽は月曜、迷ったが扇遊の代演に喜多八が入って弾みがついた。

18時に事務所を出て丁度喜多八の前に入ることが出来た。
もう少し早ければホンキートンクも最初から観られたようだ。
今回は天どん割引で木戸銭は2,500円。
平日週はじめ、自分が到着した時点で入りは多く見積もって三割方。
喜多八の前で席移動、上手の二列目端に落ち着いた。

何の偶然か喜多八は「鈴ヶ森」。
朝、この噺を思い出し痛々しくて好きじゃぁないと丁度思っていた矢先。

続けて百栄。「ロシアンブルー」は初聴き。
しかし喜多八から天どんまでの流れが面白い。
トリに向けて他の噺家が天どんを弄り倒す。
中席はずっとこんな感じだったのだろう。

正楽へのリクエストがあまり積極的ではなかった。
思い切ってお題を出してみようかと思ったが踏み切れなかった。残念。

白酒の「時そば」。過去にも一度聴いたくらいだ。
少し独自の運びもあってなかなか良かった。

和楽社中。和楽が亡くなって初めて観た。
小楽と和助の二人で演った。やはり寂しい。

天どんのトリ根多は新作であった。
初聴きの「友引寄席」。友引に休館の斎場が素人寄席をやると云う筋。
百栄の噺と呼応するものも感じたが意識しての事だったのか。
天どんらしい噺だったが、もっと面白く出来そうな設定に思えた。
千秋楽にこれを持ってきた心境は如何なるものだったのか。
何にせよ、ここで古典でなく新作を掛けたところが天どんの矜持だろう。

ちょっと食い足りなさが残った芝居であった。
その食い足りなさで今一度客が足を運ぶくらいが丁度いい。
そう言ったのは喜多八だったか白酒だったか・・・。
言い得て妙だと思いつつ追い出しを背に鈴本を後にした。
さて濃い兄さんに囲まれて、天どん主催の打ち上げはどうなっただろう。


  1. 2014/10/21(火) 12:18:37|
  2. 演芸など
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リトル・フォレスト 夏・秋 於 東劇

上映が一日一回なので厳しかった。上映最終日の前日に何とか滑り込む。

漫画が原作らしいが漫画を読まなくなって随分経つ。
今度またドラマがやるので 「深夜食堂」 を読破しようかと思ったりしているのだが。

ある村の山奥にある集落でほぼ自給自足な生活を送っている女の子の話。
物語は夏秋冬春の四部構成。季節毎に出来ていて今回は夏と秋が上映された。
冬と春は来年2月に上映予定。

女の子は20代前半くらいだろう。
幼少から母親と二人暮らし。料理や農作業は母から教わったり見て覚えた。
その母がふらりと家を出て行って五年経つ。今は一人で暮らしている。

季節の移ろいを綺麗な映像で見せる。そしてそこに立つキレイな女の子。
あまちゃんでもお馴染みの橋本愛ちゃんが主人公。

大抵の事は一人でやってしまう。特に料理は地産地消で何でも作る。
パンやジャム、甘酒などは朝飯前。岩魚も捌くし合鴨の解体までやってしまう。

淡々と描かれる山村の日常。所謂田舎暮らし。イメージでは憧れられる場所。
しかし実際の水田作業は大変。汗みどろになってアブにもやられる。
女の子はその生活を見事にこなして行く。それが簡単そうに見えるのが曲者。


261017
(C) 「リトル・フォレスト」製作委員会


しかしそんな彼女も実はそこに身を沈めるのを躊躇っている。
結局集落に戻って来たけれど、一度は都会で彼氏と同棲した事もある。
トマトを露地栽培しているのは拘りだけが理由ではない。
ビニルハウスを建ててしまうと自分も完全に集落に根付いてしまう気がしている。
そこまでの覚悟はない。心は中途半端。土着になり切れない。
だから他の村人たちとの繋がりにも見えない距離感が漂っている。

作品は彼女の行動を映し続け、彼女のナレーションで農作業や料理の説明が延々続く。
その少しドライな感じが変にポエティックな演出より好感が持てる仕上がりに。
音楽もそれっぽく牧歌的とかではなく、スタイリッシュ。
全般にいかにもな感じがせず、なかなかシャープな作品だ。

現実社会との繋がりもきちんと描かれている。プロパンガスと電気と固定電話はある。
現金収入は近くのキャンプ場でたまにやるアルバイトで得ているようだ。
完全自給自足なんて生意気な設定ではない。この国でそれはリアリティないし。

冬・春編も楽しみだ。
いずれは全編通して観てみたい。BDが出たら買うと思う。
 
 
  1. 2014/10/17(金) 23:59:56|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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365日のシンプルライフ -TAVARATAIVAS- 於 UPLINK

物にも色々あって、必需品に嗜好品、趣味の道具や或いは蒐集品。
自分もそうだが現代人は物に埋もれて生きている。
最近流行りの断捨離などは、溢れる物達に囲まれた人々の戒めであろう。
生きて行く上で本当に必要な物ってなんだろうか・・・。

主人公は彼女に振られ、それまでの自分の生活を振り返る。
それをリセットするためアパートに溢れた物をすべて貸倉庫に預けてしまう。
そこから実験の一年が始まる。ルールは単純明快。
一日一個、必要な物を倉庫から持ち帰る。向こう一年、新しい物は買わない。

初日はなんとスッポンポンで貸倉庫へ向かう。
ヘルシンキ、季節は冬。身を切る寒さの中、前と後ろを新聞で隠して走る。
まず持ち帰ったのはウールのロングコート。勿論、中は丸裸。
二日目は毛布、三日目はシャツかセーターで迷う。暖を取る“衣”が優先。
そして“食”は例外。これは摂取するもので物ではないから。
食料調達は変な格好で行けないので弟にお遣いを頼む。それも許容範囲。
しかし冷蔵庫がないから腐る物は極力避ける。
どうしても必要な冷蔵品は二重サッシュの間に置いて腐らないようにする。

そんな貸倉庫通いも十日ほどで一旦中断してしまう。
暖が取れて食が満たされた事で、それ以上の物が不要に思えたからだ。
ルール上、三日行かなければアイテムは三つ貯まる。
すると三日後にテーブルと椅子二脚と云った具合にまとめて持ち帰る。

やがて三十個も物が揃うと基本的な生活が出来るようになった。
あとはその生活を便利にする為に欲しいものが徐々に増えて行く。
そして新しい彼女が出来て、生活に彩りを添える物が少しずつ増えて行く。


261012
[c]Unikino 2013


それでも過ごした一年で365個の物は必要にならなかった。
人間らしい生活をする為に必要なものはせいぜい100個。
加えて人生を楽しむために必要なものが100個。
それ以上は要らなかった。貸倉庫にはまだまだ沢山の物が溢れていた。

単純なストーリー。いや物語ですらない。
しかし観ていて凄く面白かったし、随分と考えさせられた。
シンプルに暮らす。刹那的な感情で物を増やさない。
人生に本当に必要な物を吟味して身の回りに置く。
実際はそこまでストイックにはなれない。失敗な買物だってある。
それでも転居や結婚や離婚・・・気持ちと共に物を整理する機会は巡ってくる。
相変わらず物が増え行く日々に、何かしらきっかけを探している自分がいた。
 
 
  1. 2014/10/12(日) 23:59:28|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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フユノホノオ -RSR Stove 2nd model-

また道具を買っているわぃと諸先輩の失笑を買いそうだが・・・。


261009
五徳・風防・消火蓋は別売り




秋が深まると暮れの川原乞食の忘年会が頭を過る。
そして思い出すのが早朝に冷たくなって着火しないCB・OD類の体たらく。
白ガスやCB・ODのストーブ遍歴はあるのだがアルコールは持っていなかった。
どうせならあまり人が使っていないもの、日本製で。 を選択肢に探してみた。

RiverSideRambler に行きつくのにそれ程時間はかからなかった。
と云うことはそれなりに名が知れていると云う矛盾も孕んでいた訳であるが。

発見当時、RSR Stove 2nd model なるストーブはまだ開発途中であった。
製品化の暁には先行販売を受け付けるとある予約フォームで送信。
しかし受注メールが来る訳でもなく、いつしか頼んだのが何時だったかも曖昧に。
そして突然の販売開始メールが届き、早速の発注。速やかに納品と相成った。

かなりコンパクトな構成。デザインがシンプルで格好良い。
火力はあり、燃費はアルコール45mlで9分30秒程。
(説明書再読;使用燃料量はmax30mlとする事。でした)
試したところ水道水500mlを20mlの燃料で5分30秒かけて沸かした。
なかなかの性能ではなかろうか。
別売オプションの消火蓋は火力調整用ではない。
湯沸と調理には問題ないが炊飯をする為の火加減はし辛そうだ。
GSI のミニエスプレッソメーカーは五徳の隙間が大きく載らないだろう。
排水口の金属目皿、90φ程度のものを介せば良いのではと考えている。


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しばらく野営の予定はないので実践レポートには及ばず。
それでも久々のアウトドアアイテム入手が嬉しくて、ここにUPしてしまおう。

春も悪くないが、キャンプは秋から冬がいい。焚き火やりたいよー。
  1. 2014/10/09(木) 12:36:51|
  2. 道具のたぐい
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アンナプルナ南壁 7,400mの男たち - PURA VIDA - 於 ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター1

2008年、アンナプルナで実際にあった遭難救出を描いたドキュメンタリー。
木曽御嶽山の災害の最中に山の映画もどうしたものかと思いつつ。
当日、観たい映画リストでスケジュールが合致したのが偶然この作品だった。

南壁から頂上へアタックするべく7400m地点に居た三人の登山家。
その中のひとりスペイン人のイナキが高山病に罹ってしまう。
緊急事態は無線とネットを通して世界中の登山家へ伝わって行く。
救助へ向かえるエリアに居合わせた数人がイナキ救出の為に現地へ急いだ。

14座ある八千m超峰で第10位のアンナプルナ峰、死亡率は40%と抜群に高い。
高難度の山での遭難事故に登山家たちは自らの命を賭して救出へ向かう。
賞金も名誉も与えられない登山と云うスポーツを愛する彼らの矜持。
そこにある思想、哲学、精神を探るドキュメント。

死力を尽くして事にあたる。(これでは語弊があるだろうか・・・)
最良の結果に向けて行動はするがそれが叶うかは別の話。
皆で協力し合いひとつの目的の達成を願って努力を惜しまない。
その先に待っているのが喜びか悲しみか。 そのどちらでも現実を受け入れる。
結果に対しては歓喜もあれば納得して折り合いをつけなければならない時もある。
殊に自然相手では無力感を思い知る事も珍しくはないのだから。


261004
[c]2012 Arena Comunicacion SL.



やっと時間を作って観たのだが、次の予定が気がかりで集中力が今ひとつ。
当時を回顧する登山家たちへのインタビューがメインなのに字幕が入って来ない。
登山を語る言葉はその範疇を越えて色々と含蓄があるのだが言葉がこぼれる。
それが山であれ海であれ谿であれ荒野であれ・・・人と競うのではないアウトドア。
そうしたフィールドに親しむ者にはなかなか心に迫るものがあったのだが。
こちらの都合でそれが十分に堪能出来なかったが残念であった。
出来ればもう少し作品に没頭出来る心用意があったらと思いつつ観終えた。

フィールドが何であれ、アウトドアを愛しその価値観を共有出来る仲間がいる。
そう云う人には見応えのある一本ではないだろうか。


  1. 2014/10/04(土) 23:59:08|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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 良速

Author: 良速
  
 
- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

.......................

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