七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

ストックホルムでワルツを -MONICA Z- 於 ヒューマントラストシネマ有楽町 シアター2

スウェーデンのジャズヴォーカリスト、モニカ・ゼタールンドを描いた実話。
(脚色も入っているだろう)

田舎町で電話交換手をしながら歌手としての成功を夢見るシングルマザー。
夢を追いかけ子育ても疎かで、両親、特に父親との折り合いが悪い。
チャンスに恵まれても幾つもの障害で成功は遠い。
ジャズの本場からは遠く、母国語が英語ではなく、白人女性であること。

女性が夢を追って自由に生きる。
それは現代でも相当のエネルギーの要ることの筈。
男の自分には分からない色々なハンディがあると思う。
モニカがスターダムに駆け上る '60年代では尚更のこと。

それでも女性はこうと決めると男より強い。
犠牲を躊躇わず目標に向かって盲目的に突き進んで行く。
それを受け入れて見守る寛容な人々に助けられて。
時には傷つけ、傷つけられ。
彼女の浮き沈みに離合集散する取り巻き。
それでも前へ前へ、ひた向きに、前のめりに。


270130
Carlo Bosco (C) StellaNova Filmproduktion AB, AB Svensk Filmindustri, Film i Vast,
Sveriges Television AB, Eyeworks Fine & Mellow ApS. All rights reserved.


この物語を男女入れ替えて作ったら、ただのダメ男の話だ。
モニカが女性である事でその生き様が光り輝いて見える。
のだが・・・そう云う視点で良いのだろうか。
その賞賛が女性の評価として正しいのかどうか・・・。
それはそれで引っかかるのである。

それでもそんなわだかまりを払拭してしまう魅力が彼女にはある。
どんなに自由奔放であれ、そこに輝きがあれば良いのかも知れない。

そして彼女の生き様と共に描かれる二人の男。
モニカの父親と、ひとりのバンドマン。 それぞれの立場。
愛するひとの為、いつどんな時でも味方になれる男の器。
それを問われているようで、ちょっと考えてしまった。
そこにステータスは要らない。 何よりも理解して寄り添うことだ。
 
 
  1. 2015/01/30(金) 12:30:48|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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『 人形町噺し問屋 その55 』 兼好独演会 於 日本橋社会教育会館 / 平成二七年一月二七日

たらちね / けん玉
町内の若い衆 / 兼好

仲入り

琵琶 / 坂田美子
陸奥間違い / 兼好


小腹が空いて駅からの道すがらファミマで小さなパウンドケーキを買う。
次にあるセブンでも良かったが、物がある所で買っておいて良かった。
件のセブンは改装中でやっていなかったのだ。
旅の鉄則、食べられる時に食べておけ。日常でもそれは当てはまるようだ。
今回も開演ギリギリの時分、会場でパクつく時間はなさそうだ。
行儀が悪いが表通りから一本折れたところで開封、口に入れた。
山歩きや渓流釣行の行動食ならいざ知らず、行儀の悪い事だ。
日本男児、歩きながら物を食うなど以ての外だが致し方ない。

開口一番はけん玉。 兼好の弟子だから貴重な高座経験だろう。
正直、まだまだで聴いていて辛い。 頑張っておくれ。

兼好はと云えばこの会も回を重ねて根多が尽きたと。
そろそろ二周目ですのでよろしくどうぞ。
自分はこの会の歴史の半分くらいしか知らない。
二周目でも暫くは聴いたことのない根多が楽しめそうだ。
今回は「町内の若い衆」に「陸奥間違い」。
特にトリの「陸奥間違い」が良かった。

この日の会はここ最近では久々に楽しく過ごせた。
少しずつ平常心に戻りつつある兆しかも知れない。
抜けないトンネルも、明けない夜もないのだ。
流れる時間に身を任せて、上り調子になるのを待つしかなかろう。

会津若松出身の兼好。落語会と絡めて田植え稲刈りや蕎麦打ち会を催す。
ロビーでは会津から人が来て収穫した米を手売りしてる。 師の人柄だな。
今回は餅と林檎が土産に配られた。  これも復興支援、地域振興。

この界隈での落語の後は四通り。
人形町で飲むか日本橋まで歩くか、地下鉄で新橋か上野方面へ出るか。
今回は上野方面で湯島へ出たが、だいたい着くのが21時40分前後。
今まで女将の店は22時半ラストで23時看板であった。
年明けからそれを30分早めたようで、22時にはもうおしまいな雰囲気。
着いて30分足らずでこの空気はちょっと気忙しいことだ。
前日までに連絡くれればその積りで待つが当日だと意向に沿えない事もと。
店にもその日の流れがあろう。 こちらもその日の気分で店を選んでいる。
客の我が儘も野暮だし、少し様子を見て選択肢から外さざるを得ないか。
今日のゲスト坂田さんの琵琶の一曲目は平家物語の祇園精舎だった。
まさに諸行無常、飲み屋事情も少しずつ変って行くのだなと、しみじみ。
 
 
  1. 2015/01/28(水) 12:39:29|
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APPLESEED α 於 新宿バルト9 シアター4

コミックの「アップルシード」が出版されて今年で30年。
1985年当時はまだ漫画をたくさん読んでいた。
青年・少年・少女・インディーズ、何でも読んでいた頃だ。
最近は漫画を読まなくなった。 読書の習慣すらも遠ざかっていた。

本当につい最近になってまた本を読み始めた。
先日の手術のあと、二週間後の抜糸まで自分に禁酒を課している。
色々あって気持ちが不安定な時に酒に逃げられないのはなかなか辛い。
勿論、酒に逃げるのが良い事でないのは承知の上で。
そこで活字を逃げ道にした。 文章を読んで解釈して考察する。
別に難解な本ではなく小説だが、これで随分気が紛れる。
心の負担が多少は軽くなった気がする。これを機に今年は本を読もう。

・・・映画の話だった。で、本作は既存のアップルシードとは少し違う。
※前に劇場版が二作あるが続編ではない。
 原作第一巻をベースにしたリブート作で洋画的なアレンジが施されている。
 画風も過去2作がセルルック調だったのに対し、本作はフォトリアル調。
(※ 以上、一部Wikipediaより引用)


270126.png
Motion picture (C) 2014 Lucent Pictures Entertainment Inc./Sony Pictures Worldwide Acquisitions Inc.,
All Rights Reserved. Comic book (C) 2014 Shirow Masamune/Crossroad


この画風に関しては賛否が分かれるだろう。
セルルックの時は女性主人公・デュナンは原作に近い風貌であった。
本作でその面影はなく、原作・士郎正宗の女性キャラファンには不満だろう。
もう一人の男性主人公ブリアレオスに関しては、ほぼ同じデザイン。
(デザインと書いたのは彼が人間ではなくサイボーグでロボ顔だから)
本作のブリアレオスはシステムの不調で弱っている。
強く逞しい筈の彼が苦悶する様は、生身でないのに随分と男の色気があった。

ストーリーに特段凝ったところはなく、極めてオーソドクス。
独特なキャラとマニアックなメカでひたすら戦闘シーンが続く。
女性キャラにオタク臭こそしないがメカフェチには堪らない映像の連続だ。
最後はお約束で超巨大兵器、多脚砲台が動き出し、善玉がそれをぶっ壊す。
その砲台の中にはインテリでスマートな悪玉とキーパーソンである少女の二人。
まるでムスカとシータのようないざこざが繰り広げられ・・・何だかなぁである。

映像としてはフォトリアルなのは良いが若干動きにぎこちないところも。
質感が上がっている分、そこが気になった。
個人的には第2作「エクスマキナ」の画風と動きが一番好みだ。
人物、特に女性がロリっぽくなくファッショナブルで、アクションも滑らかだった。
あれはジョン・ウー(プロデュース)プラダ(衣裳デザイン)細野晴臣(音楽)。
作りも凝っていた。 さて、あるとすればαの二作目はどうなるのだろう。
 
 
  1. 2015/01/26(月) 23:59:00|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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96時間 レクイエム -TAKEN 3- 於 ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン8 IMAX

今年初めて映画に行った。暫く忙しくそんな気分でもなかった。
ちょっと落ち着いて来たので足を運んだ。
落語と違って生身の人間相手でない分、かなり気楽だと改めて思った。
今更ながらにそんなことに気づいた。暫くは映画の方が良いかもしれない。

世代の定義は曖昧で解釈によって分かれる。
概ねの感触として自分はまだ中年だろう。
中年の次は実年らしい。

最近はこの実年層がやたら頑張っている印象がある。
60前後でそこまで動くかと云った具合。
その中でも妙にリアルなのがリーアム・ニーソンだろう。
スタローン、スワルツェネガー、ウィルスなどなど。
マッチョでタフなおやじは枚挙に暇がない。
そこにあまり肉体派ではないがタフなおやじ達のカテゴリが出来た。
昨年はコスナー、最近ではブロスナンも名乗りをあげたし。

中でも際立つのが地味で寡黙なイメージのあるニーソン。
シンドラーの頃やクワイ=ガン・ジンの頃とはまた違う今のニーソン。
96時間シリーズがそのブレイクスルーだったのだろう。

前作、前々作は劇場で観逃してDVDで鑑賞。
本作でおしまいなのか四匹目の泥鰌はいるのかいないのか。

過去の作品に比べてちょっと息切れを感じた。
後半への展開がスケールダウン、萎んで行くようで今ひとつ。
今までは多少無理があっても事が意外な方向へ展開する面白味があった。
しかし今回の本当に悪い奴はやや小粒で犯罪の動機も結構セコイ。

ブライアンことニーソンの持つあの独特な凄味が生かし切れていない。
終盤など、所謂 “ 絶対に弾の当たらないヒーロー ” になってしまった。
もうちょっと襞が多くて深いつくりに出来なかったものだろうか。


270125.jpg
(C)2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.


大したネタバレでもないから書いてしまうが今回娘が妊娠する。
作中では生まれないが、ブライアンもおじいちゃん確定なのだ。

さて、彼はジィジィになっても暴れまくるのだろうか。

内容とは別にしてフォレスト・ウィティカーが刑事のボス役。
彼は好きな俳優で、今回の役柄も良かったのでその点で楽しめた。
 
 
  1. 2015/01/25(日) 23:59:02|
  2. フォト・キネマ・アートとか
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新春壽寄席 正月二之席 楽日 夜の部 於 鈴本演芸場 / 平成二七年一月二〇日

三味線漫談 / あずみ(途中から)
寿司屋水滸伝 / 百栄
首ったけ / 白酒


仲入り


奇術 / ダーク広和
家見舞い / 扇遊
漫才 / ホームラン 
任侠流山動物園 / 喬太郎


予定通り入院して抜釘(ばってい)手術を受けて来た。
骨折した橈骨を固定する為に入れていたプレートを取り出す手術だ。
今回は治療手術の時ほどの痛みはなく、思ったほど辛くはなかった。
それでも入院生活やら全身麻酔やら手術そのものやら・・・結構疲れた。
退院翌日、19日からほぼ従前の日常に戻った。
しかしこのところ公私共に浮かぬ事柄が多く、冴えない日々は相変わらず。
そこに軽いとは云え、術後のダメージが加わり気分は落ちるばかりだ。

気晴らしに落語でも聴こうか。当初は23日の雲助を当日券で考えていた。
根多出しで「鰍沢」。 雲助のお熊は迫力があって聴き応えたっぷりだ。
しかし、そう云う気分ではないのだ。 もっとリラックスした芝居。
こんな時こそ寄席に限る。 調べると鈴本の夜の部主任が喬太郎であった。
他の顔付けを見ると百栄と白酒の名が並んでいる。
これでも行ってみるか。 18時過ぎに事務所を出て、上野広小路を目指した。

中に入るとあずみの三味線。目論見どおり百栄の高座から聴く事が出来た。
しかし根多は先日聴いたばかりの 「寿司屋水滸伝」。ダブってしまった。
続いて仲入り前の白酒。噺への導入を聴きながら 「五人廻し」 かなと。
あまり好きな噺ではない。 ところが始まってみると 「首ったけ」 であった。
何故かホッとする。 無意識に気が張っているようだ・・・ストレスフルだな。

扇遊は 「家見舞い」。これも尾籠で嫌いな噺だ・・・どうも根多との相性が悪い。
で、喬太郎のトリ根多が 「任侠流山動物園」 であった。
これは白鳥作の新作。 喬太郎が演ればそこそこ面白い。
しかしこの日の師には少々躊躇いがあったように見えた。
千秋楽のトリ根多がこれでいいのかと云うような空気。
途中で “ やっぱり 「井戸の茶碗」 にしておけば良かった。” とひと言。
これで会場は爆笑。 自分も笑ったが、あぁそっちの方が良かったなと。
喬太郎の 「井戸の茶碗」 は少し変えてあって面白い。
善人ばかり出て来る噺に腹黒さを加えてあってなかなかユニーク。
録音では聴いた事があるが生ではなかったのでこれは惜しかった。
まぁ、本当に演る気があったかは定かでないが。

そんなこんなで、顔付けに期待した割には今ひとつな手応えで追い出し。
そんな事もある。 寄席も水物だ。

湯島へ寄るがまだ酒は飲めない。 抜糸までは自重する。
ホッピーのそととか烏龍茶とかレモン炭酸水とか。
アルコールが入らないと肴も進まない。皆と雑談しながら小一時間。
早めに切り上げて、女将の “ お大事に ” の声を背中に店を出た。
 
 
  1. 2015/01/21(水) 18:00:28|
  2. 演芸など
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『 まっぴらごめんねぇ Part 3 』 白酒・百栄二人会 於 深川江戸資料館 平成二七年一月七日


ん廻し / 鯉ん
寿限無 / 白酒
お血脈 / 百栄

仲入り

寿司屋水滸伝 / 百栄
宿屋の富 / 白酒


訳あって清澄白河に一時間程早く着いてしまった。
時間つぶしに検索して見つけたカフェに入る。
ハナ・カフェと読み間違えて可愛らしい店かと思いきや大違い。
実際はハネ・カフェで航空機をテーマにしたカフェであった。
様々な旅客機の模型や航空会社のノベルティが飾られていた。
BGMは(音楽ではないが)空港の案内放送や旅客機の機内アナウンス。
まるで空港内のカフェのようだ。
許可を貰って店内を撮影したり飛行機のラテアートを楽しんだり。
時間はすぐに経って会場へ移動した。

白酒の「寿限無」とは珍しいものを聴いた。
「宿屋の富」は以前聴いた時より若干あっさりしていた気がする。
百栄は新作と古典を一席ずつ。
「寿司屋水滸伝」は喬太郎作で百栄でも以前に聴いている。
寄席と違ってまくらも多少長めで面白い話をした。

行ってから少し時間を置いてしまったので細かい事は忘れてしまった。
諸々あって書く時間がなかった。
初笑いは順当と云ったところでまとめてしまおう。
今月は落語が少ない。
気が向けば23日の雲助には行くかも知れない。
それに行かなければ27日の兼好。
訳あって暫く酒を飲めないので落語通いも楽しさ半減である。



  1. 2015/01/15(木) 12:56:29|
  2. 演芸など
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- りょうそく - と申します。
 
九山八海  花鳥風月
東奔西走  南船北馬
美酒嘉肴  羽化登仙
歌舞歓楽  一竿風月
謹厚慎重  天空海闊

そんな感じでまいります。

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