七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

『 人形町 噺し問屋 その31 』  兼好独演会  於 日本橋社会教育会館8階ホール / 平成二四年六月八日

転失気 / 昇也
たがや / 兼好

仲入り

音曲と漫談 / 東京ガールズ
竹の水仙 / 兼好


開演予定に5分ほど遅れて受付に到着、まだ太鼓が鳴っている。
何とか間に合った。 席について間もなく緞帳が上がるタイミングであった。
通例なら開口一番だから遅れても まぁ諦めもつくものだが、この会は最初に兼好の 「 ごあいさつ 」 がある。
スタンディングでのオープニングトークなのだが、これも面白く聞き逃すのは惜しい。
これに間に合ったのは良かった。 話題は先月の独演会お休みについて。

『 人形町 噺し問屋 』 は1・5・9月がお休みとなっている。
正月はのんびりしたいから稽古が足りないといけないので休む。
9月は学祭など引き合いが多いのでそちらに傾注する。
で、毎年5月は少し休み気分も味わいつつ仕事をするためにクルーズの仕事を入れていると。
大型客船に乗って都合二日で三席くらい高座に上がるが、
それ以外の時間はのんびり出来ると云う算段。
今年は小笠原に行ったとのこと。 定期便のおがさわら丸以外の観光船だろう。
GWも終わって島は客船の乗客以外の観光客もなく、海水浴には早くホエールウォッチングには遅くで、
何をして良いのやらと云った場所であったがノンビリは出来たと。
いやいや、結構遊べるし見所もあるのだが、そこは単なる物見遊山ではない師のこと、
恐らく下調べも不十分で島気分を満喫出来なかったのだろう。 島贔屓としては残念なことだ。
それでもスクーバに興味があるらしく、現地ガイドのショップへ顔を出して色々話を聞いたらしい。
来年には始めたいとのことだが、行く行くはそんな話もごあいさつやまくらで聞かれたら面白かろう。

一席目は落語や歌舞伎のかけ声の話から玉屋鍵屋へ振って 「たがや」。
大川の川開き、もう夏の噺がかかる季節だ。「 たがや 」 と分かって “ おっ ” と思う。
師の高座は過去にまだ20席しか聴いていないが、記憶ではその中に啖呵を切るものはなかった。
「 たがや 」 にはその たがやが侍に啖呵を切る件がある。 初めて兼好のを聴けるぞと。
期待の件、調子は高いがちょっと嗄れた師の声で凄まれるとなかなかの迫力。 なるほどこんな感じか。
こうなると 「 大工調べ 」 の棟梁・政五郎の啖呵なども聴いてみたいものだ。
噺は珍しく何度かくすぐりが入った。“うちの爺さんがそうだった”、“婆さんもそうだった”、“娘がおんなじ”と。
いちいち入れごとをしなくても師の話芸なら本筋だけで十分だと思うのだが、あれはどうした工夫だったのか。

二席目、「 竹の水仙 」。 それと分かるまで暫くかかった。
それほどに他の噺家とは運びのちがう 「 竹の水仙 」であった。
宿屋の主の情けなさはそのままであったが、女房の気の強さは控えめ。 あまり亭主を苛めないところがいい。
逆に甚五郎に褒められて気を良くするあたりの可愛らしさが微笑ましい。
甚五郎も今まで聴いた中では鯉昇の 「 ねずみ 」 と同じくらい穏やかで人の好い老人であった。
やはり噺に人柄が出ることもあると云うことか・・・いや別に兼好の人柄まで知っている訳ではないが、
この日の 「 竹の水仙 」 は兼好らしいなと云う印象の残る一席であった。

しおりに今後の予定が刷ってある。「 その34 」 まで予約済みだが、「35」の日取りが加わっている。
早速、翌日の朝に電話を入れようと手を伸ばすと手元の携帯の方が早く鳴る。 仕事の電話だ。
そちらの応対をしてから予約番号へかけると話中・・・2分ほど待って掛けなおすと繋がった。
いつも座っている席番を希望すると、たった今の電話で埋まってしまったと。
タイミングが悪かった、仕事の電話を恨む訳にも行くまいて。
他の席を当たりつつ、言葉を交わしているとちょっと耳寄りな情報が。
これは素直に希望席が取れていたらなかった会話。 何がどう転ぶか分からぬもの、なかなか良い気分で電話を切った。
これからも通うよ、兼好さん。
 
 
  1. 2012/06/10(日) 23:59:00|
  2. 演芸など
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