七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

テッド - TED - 於 立川シネマ・ツー studio b

かわいいクマのぬいぐるみに命が宿りドタバタを繰り広げるコメディ。
・・・と、表面的に書いてしまうと実際の中身と随分ニュアンスが違ってしまう。
おそらくそう云うイメージ先行で来ているお客も多かったようだ。
若いカップルや二十歳そこそこの女の子グループなどに、
突っ込みどころ満載の'80sなギャグとブラックユーモアはどれだけ通じたのだろうか。

主人公はのび太みたいな少年が大人になった感じ。
クマのテッドはエロいおっさんで、下品な言動と容姿とのギャップがなかなか効果的だ。
80年代に少年期を過ごした世代には憶えのあるシチュエーションが数多く描かれているが、
それでも国の違いか笑いのセンスも含めて全体の何割を楽しめたのかについては、
多少なりとも“?”が残ってしまった。
笑いの質が万国共通のものではなく飽くまでもアメリカンであり若干置いてけぼり気味、
アクションでなく言葉で笑わせるコメディの翻訳は難しいなと改めて思ったりもした。
40代の自分でさえそうなのだから、若いお客さんには尚更であったろう。
終幕後の会場の空気にも何となく戸惑いの感じが漂っていた。

そんなお客の反応には地域性もあったかも知れない。
ベッドタウン(古いねどうも)である立川のエリア文化との乖離とでも云おうか、
本作は新宿武蔵野館でもかかっていたが、あちらで観たらお客の反応は全然違ったであろう。
一緒に観た友人から、敢えて武蔵野館は避けようと提案があったので立川をチョイスしたが、
確かに武蔵野館で観たら観たで、周囲のスノッブな反応にひいてしまったかも。


ted
(C)UniversalPictures/Tippett Studio


要するになかなかクセのある作品で、客層としては我々おじさん世代がツボであるということ。
更に映画好きならいろいろと組み込まれている
落語で云うところのイレゴト・クスグリにニヤリとしながら、
時折ダークなディテールに声を殺して乾いた笑いを漏らす・・・そんな映画であった。
あと五年もすればこの手の笑いはひと世代下のお客が共感するものに取って替わる。
そんな友人の感想にもなるほどなと頷いてしまった。

興行成績も好調なようだが、果たしてお客の満足度はいかほどのものか。
深夜の地上波放送や、たまたま飛行機の中でやっていたのでついつい最後まで観てしまった。
どちらかと云えばそういうシチュエーションが似合うかも知れない。
 
 
  1. 2013/02/10(日) 23:59:18|
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  3. | コメント:0
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