七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先でのよしなしごとを。

『 人形町らくだ亭 第47回 』 志ん輔・小満ん・小柳枝・談修 於 日本橋公会堂・日本橋劇場 / 平成二五年四月八日

出来心 / 半輔 (途中から)
身投げ屋 / 談修
蒟蒻問答 / 小柳枝

(仲入り)

鶴満寺 / 小満ん
お若伊之助 / 志ん輔


らくだ亭は根多出し興行、HPで確認すると志ん輔のトリ根多が 「 お若伊之助 」 であった。
先月末の圓太郎商店の時にも書いたが、この噺が嫌いである。
らくだ亭は行くと次回のチケットを手売りしている。今回のチケットもそれで入手した。
その時点でトリ根多は出ていた筈だが見落としたか。気づけば今回は見送ったかも知れない。
志ん輔は好きだがあまり聴く機会のない人だから らくだ亭の出演は嬉しい。
しかし噺が 「 お若伊之助 」 となると話は別だ。

今週は急遽木曜に知人と鈴本の夜の部へも行くことにしたので、金曜の兼好と合わせて三つ。
その詰め込みもあって、今回のらくだ亭への興味がぐんと薄れてしまった。
出る直前まで、いや地下鉄の駅へ向かいながらも止めてしまおうかと迷い続けた。
そして乗った地下鉄はその心情を見透かすように途中駅で何度も時間調整をして、
ぐずぐずと茅場町へ牛歩を進めるのであった。

結局、間に合う筈の半輔にも、始まったばかりであったが途中入場。
ひとまず最後列に腰掛けて終わるのを待つ。
小満んが仲入り前であったらそこで引き上げてしまおうかと栞を見たが、
レギュラーの二人は仲入り後に続いていた。 色々と歯車が噛みあわない。
こんな気分で落語に臨んだのは久々、いや初めてかも知れない。

お目当てを小満んに絞り込んで、食いつきの一席を待つ。
果たして、小満んの 「 鶴満寺 」 は楽しむことが出来た。
幾つも春の句を詠むまくら、少し記憶が曖昧でつかえたり諦めたりもあったが、春爛漫であった。
花見の噺の中で、こうなごの釘煮で酒を美味そうに飲む場面があった。
釘煮は自分も好物である。 毎年春先になると神戸の伯母が手作りを送ってくれる。
その味を思い出し、甘い煮物を肴に酒をやるのも悪くないな、明日の晩酌は釘煮で酒にしようか、
しかし家には自分の日本酒がなかったな、などと考えを巡らしていた。

小満んが下がって、トリの前に抜け出せそうなタイミングもあった。
「 鶴満寺 」 が良かったからその気分のまま帰ってしまおうかとも思ったが、
やはり志ん輔を聴きたい気持ちが勝って踏み止まった。
しかし相変わらず 「 お若伊之助 」 は嫌な噺で楽しくは聴けず・・・
それでも志ん輔の少しドライな語り口もあってか、今までより嫌な印象が薄かった感じではあった。

はねてからどうしようかと考え、高円寺へ向かうことに。
暫く忙しくマスターの所がご無沙汰であった。 この辺で顔を出しておきたかった。
久々の店はほかに客も無く、誰かが帰ったばかりの気配であった。
ビールの気分ではなかったので最初から日本酒を常温で貰うことに。
“ 渓流 ” と云う、今時候にいかにもな銘柄を勧められてそれを貰う。
すると程なく出て来たお通しが、偶然にも釘煮だったものだから驚いた。
終わりよければすべて良し、頭の上に鶴満寺の桜を浮かべつつ、嬉々と箸を伸ばしたのであった。


  1. 2013/04/09(火) 12:21:36|
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