七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

『 らくご街道五拾三次 -両徳- 』 雲助独演会 於 日本橋劇場 / 平成二五年七月一九日

船徳~お初徳兵衛 / 雲助


今月は落語会を十も入れてしまい過去にない過密スケジュール。
そして遂に仕事とバッティングしてキャンセルを覚悟したのがこの会。
17時から川越で打ち合わせ、二時間後の開演には間に合いそうもない。

・・・と思ったのだが、打ち合わせは小一時間で終了。
車で出ていたが事務所へ19時頃には帰れそうだ。
お仲入りあとの後半だけでも聴かれそうである。
ダメ元で茅場町へ。駅からは小走り、日本橋蛎殻町、日本橋公会堂。
エレベータの扉が開くと会場内の雲助の声が漏れ聞こえて来た。
チケをもいで貰いホワイエのソファで改めて耳を傾けると噺は 「 たがや 」。
(どうやら前半はまくらたっぷりで 「 たがや 」 一席だったようだ。)

「 船徳 」 と 「 お初徳兵衛 」 を通しで演る。両徳とは面白い趣向だ。
どちらも主役は大店から勘当を喰った若旦那、徳兵衛。
滑稽噺と人情噺、内容がかけ離れており徳兵衛の描かれ方もまるで違う。
片や船頭になりたてで船を満足に操れない情けない若旦那、
片や生来の育ちの良さもあってその後 評判の腕利きとなった人気の船頭。
前半で十分に笑わせ、後半はしっとりと。
雲助演じる柳橋で名うての芸者、お初の艶っぽさもなかなかのもの。
激しく降る雨に船を首尾の松辺りにもやう。船にはお初と徳兵衛二人きり。
お初が「実は幼い頃から若旦那が好きだった」と思わぬ告白。
記憶を辿れば徳兵衛の脳裏に幼かった裏長屋の娘、お初坊の姿が。
やがて大きな雷鳴にお初は徳兵衛に縋りつき・・・
雲助の語りがその場の情景をありありと浮かび上がらせる。 まさに堪能。
諦めずに足を運んで良かった。 両徳だけでも聴き応え十分であった。

はねてからどこで飲もうか思案。
あれだけ色っぽい噺を聴いたのだ。乙な姉さんの居るところが良い。
こうした時、店の抽斗がもうちょっと欲しい・・・。

結局まったく趣向を変え、高円寺でレバ刺しを摘みに赤星を飲むことに。
お目当ての店は外から見ると客がひとりも居ない。 静かに呑めそうだ。
ところが、しめしめと開けた扉を閉める間もなく四五人の若者が付いて来た。
途端に店内は賑やかになり、しかもTVに目を向けると空手の試合中継。
乙な姉さんどころか、静かに飲むことさえ儘ならない始末。
摘みもビールも美味かったが、風情だけは当てが外れてしまった金曜の夜。
まぁ、そんなこともあるさ。


  1. 2013/07/20(土) 23:59:26|
  2. 演芸など
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