七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

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SHORT PEACE 於 新宿ピカデリー 1スクリーン

5月に『図書館戦争』の記事を書いて以来の映画レビュー。
あれから5本の映画を観たのだが、どれも書くことが思いつかず。
6本ぶりになかなか印象深い映画を観た。
短編4作品のオムニバス。それぞれに関連性はなく独立している。

「九十九」
江戸の頃、嵐の夜、深い山中で道に迷った男が見つけた小さな祠。
中に入りひと息ついた時、そこは突然別世界の部屋に変化する。
次々と現れる捨てられた傘や、着られなくなった着物などのモノノケ達。
男はその怨念を秘めた古い道具たちを丁寧に修理し、慰めてやる。

独特の絵柄と魅力的な男のキャラクターがいい。
男を演じるのは山寺宏一。 彼のいちばん良い声がシアターに響く。
心地好い。 美しい映像と相俟って観る側も幻想の世界に誘われる。

「火要鎮」
江戸の町。商家の娘お若と幼馴染の松吉。
惹かれあう二人であったが、松吉は火事好きが高じ火消しとなり家を勘当。
縁談が進むお若は松吉への思いを忘れ難く、ふとした火の不始末を放置。
火事になれば火消しの松吉っぁんに会える・・・女心の凄まじさ。
その火事が江戸の町を焼き尽くす大火となる中、再びめぐり合う二人。


hinoyoujin.jpg
(C)SHORT PEACE COMMITTEE
(C)KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE


「八百長お七」や「火事息子」を想わせる江戸の風と粋と情。
定火消し(臥煙)の姿形や半鐘の鳴らし方などディテールが細かい。
映画の男主役・松吉は「火事息子」の主役・藤三郎がモデルと思われ。
女主役・お初の方は、「八百屋お七」であろう。
とにかく美しい映像と、落語を通して慣れ親しんで来た江戸の風情が堪らない。
12分43秒と短い作品だがその世界観は圧巻で、大友克洋の圧倒的存在感。

残り2編は個人的には今ひとつ。
「GAMBO」はファンタジーに少しだけSFの要素もあり異色の昔話。
「武器よさらば」は転じて近未来の設定が他3編とかけ離れていた。

オムニバスの難儀なところは、それぞれの余韻に浸る暇がないと云うこと。
特に「火要鎮」は、観終わってもう少しその世界に居残りたかった。
いずれ出るであろうBDを手に入れて、改めてじっくりと観てみたい。

劇場が明るくなって、若い観客からは戸惑いに似た感想が聞かれた。
多少、年齢のハードルがあるかも知れない。
なかなか大人なアニメーション。お勧めの一本であった。


  1. 2013/08/12(月) 23:59:52|
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  3. | コメント:0
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