七人の敵

男、閾を跨げば七人の敵と数多なる素晴らしきものごとあり。 都会から山河海島まで、外出先での徒然を。

カニを喰べる。 於 K's cinema

ロードムービーは好きなジャンルで見つけると足を運ぶ。
しかし今回は少々期待外れであった。
自分の好みか世代間のギャップか、主人公達に共感出来なかった。
三十路にして定職を持たない(持てない)青年たち。
その日暮らしで暇を持て余し、富山の先輩の所へ蟹を食べに行こうと企てる。

我々の頃より大人になるのが五年か十年遅くなっているのかも知れない。
自分の感覚では、やっていることが二十歳過ぎのノリだ。
そこに若さへの羨みなどは感じない、漠然とした不安と悲哀。
今のご時世、こんな若者で溢れている。
こう云う環境(境遇)の若者は実際に珍しくないのだ。



270323
(C)「カニを喰べる。」製作委員会


自分も学生時代、同じゼミの仲間二人と連れだって富山まで行った事がある。
一人の友人の実家が富山で、彼の父上が蟹をご馳走して下さるとのお誘いだった。
もう一人の友人の小さなワンダーシビックに三人して乗って行った。
お金がないから関越道には回らず、中央道から糸魚川へ抜けるルートで行った。
当時はまだ上信越道がなかった。国道148号線をひた走って日本海に抜けた。
北陸道は親不知付近で豪雨に遭い、その地名の由来を友人に聞いて怖れたものだ。

友人のご実家は地元の名士で、建物も立派だった。
ご両親とも魅力的な方々でお婆様もご健在だった。
加賀は橋立漁港で蟹をご馳走になった。
これでもかと海の幸が並び、学生には不相応なお持て成しを受けた。
食で圧倒されたのはあれが初めてだったかも知れない。
その日の晩は片山津温泉の会員制リゾートを取って頂いた。
今思えば、あれは浦島太郎のような旅であったな。(歳はとらなかったけれど)

・・・映画に話を戻そう。
彼等の目論見は当初とは違う方向へずれて行き、旅の目的は変容して行く。
その無軌道な感じは悪くないが、やはり全般に亘って響いて来るものがない。
作り話なのだから細かい事は気にせずとも良いのだが。
しかし思った以上に嘘っぽいのは今と云う時代のせいではなかろうか。
これが '6~70年代の大らかな時代背景で描かれれば違和感もなかっただろう。
2015年は、こうした作り話を許容出来る程、器が大きくないのだと思う。
そこに納得してしまうと、何かとても残念な気分になってしまうのだが・・・。
そんな時代にした責任の一端は我が世代にもあり、居心地も悪いのだった。


  1. 2015/03/23(月) 12:15:14|
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